夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

題詠:カオスの鼻

2006-06-29 | poetry
  カオスの鼻 いくらシャワーを浴びても あなたのにおいは残っている 生臭さは薄められ あたしの一部になる 粘っこい汗の奥に ざらっとした血のにおい かんかん照りの中へ あいまいなあなたの帰還 際限のない物足りなさを 何層にもなった言葉と 鼻で笑っている常識で この部屋の中に押し込める ************** 南の王さませっかち屋 北の王さまあわて者 真ん中王さま混沌とん . . . 本文を読む

題詠:カオスの口

2006-06-29 | poetry
  カオスの口 おばあちゃんはよく食べるね 何に似てるって想像したくないような ぐちゃっとした食事なのに あたしは赤ちゃんを産みたくない 歯がなくて、しゃべれなくて、 垂れ流して、しょっちゅう泣く 頭がぐるぐるしてこわい うつらうつらしていると おばあちゃんがどんどん大きくなる 声も低く、はっきりしてきて あたしのつぶやきに重なってくる . . . 本文を読む

題詠:カオスの耳

2006-06-29 | poetry
  カオスの耳 まあ、なんとでも言ってくれ これが自分のことじゃなけりゃ こんなおもしろいことはない 毎朝、吊り革にぶら下がって ながめていた週刊誌の広告に 振り返ると自分が出ている 叫び声で目が覚める 少しあえぎ始めた女の耳に 息を吹きかけたとたん 全く新しい世界が始まった いや、新鮮な恥辱にまみれた おれが生まれた . . . 本文を読む

題詠:カオスの目

2006-06-29 | poetry
南海之帝為儵 北海之帝為忽 中央之帝為渾沌 儵與忽時相與遇於渾沌之地 渾沌待之甚善 儵與忽謀報渾沌之 曰「人皆有七竅以視聽食息 此獨無有 嘗試鑿之」 日鑿一竅 七日而渾沌死          荘子・応帝王篇第七   カオスの目 誰かに迷惑をかけてるわけじゃない 誰かを傷つけてるわけじゃない あたしを痛めつけているだけ あたしが苦しんでいるだ . . . 本文を読む