【鳴らないなあ】【音に刺がある】【力任せに・・・】などと感じる時は湿度が50を超えている。日本で普通にこの条件を維持するのは中々大変なことである。ギターの演奏や教授を生業としている人にしか出来ない。趣味でやっている人のタタミ、障子、襖の部屋では殆ど不可能である。
逆に、この湿度条件を満たす環境なら合板で作った楽器でも結構鳴ると思う。
では・・・仮にそのような環境を持って居るとしようか、合板製ギターを買うか?と言うと多分殆どの人は買わない。多くのギター趣味人にとってギターとは【持つ満足感】【磨いて眺める喜び】が【演奏する喜び】に優るのだろうと思う。
(ある楽器製作所の説明文には音の事は何も書いてない、飾りがどんなに美しいかを書いてある。一方、ドイツのアコースティックギターメーカの説明には理想の音をどのように得ようとしているかを書いている。)
さらに、10万円のギターの音と100万円の音を聴き分ける程精密な耳、音楽的感性を持つ人は稀だと思う。何故そう言うか?と言えばネットで聴く演奏に【ろくなものがない】・・・無論素晴らしい演奏もある、素晴らしい演奏をしているのは殆ど女性の演奏家だ。
ぶん殴られるかもしれないがセゴビア、イエペス、ブリーム、ウィリアムス等大御所の演奏の何がいいのかわからない。失礼ながら日本の大御所、先生方の演奏にも感動も感心もしない、途中で聴くのをやめる。韓国人の方が聴かせる演奏をしている。
脇道に逸れた!・・・情報を見ると100万を超えるギターが簡単に取引されている。唖然とする。もう忘れたが神経回路に使う函数がある。独立変数が1より小さい間は従属変数も比例して上昇するが1を超えると従属変数に殆ど変化がない。ギターの場合、【性能・鳴り】=f(価格)に於いて20万円がその閾値だろうと思う。20万越えのギターは音楽的必要によって選ばれるのではない、【持つ喜びやコダワリ】で選ばれるのだ。苦い経験からの結論。それより高価なギターは子供のおもちゃモードだろう。
大した音楽的感性もないのに高価なギターを買う・・まあ勝手だが・・・のは何となく幼稚。