旅行に立つ少し前、岐阜県歌人クラブの重鎮、小林峯夫氏から歌集「五六川」が贈られてきました。五六川と書いて、「ごろく」と読みます。お住まいの近くを流れる川のようです。筆者は、4年前にも「角筈」を出版されています。(2009.2.16) この時と明らかに違うのは、奥様を喪われたこと。歌集全般に哀感が漂います。紹介がすっかり遅れてしまいました。ながらみ書房版。219ページ。
ピーピーというといえども今のわれに連れ合うひとりぞこの炊飯器
粕漬の粕落としつつ不覚にもボウルの中に涙を落とす
身をかがめ彼岸の声を聞いている五六川堤(ごろくつつみ)の彼岸の花に
かたかたと夜更けのふすま鳴らしつつ伊吹山(いぶき)を下りてくる雪の音
ほのぼのと湯気立ちのぼり温(ぬく)いのに何かが足りない今宵の鍋に
ピーピーというといえども今のわれに連れ合うひとりぞこの炊飯器
粕漬の粕落としつつ不覚にもボウルの中に涙を落とす
身をかがめ彼岸の声を聞いている五六川堤(ごろくつつみ)の彼岸の花に
かたかたと夜更けのふすま鳴らしつつ伊吹山(いぶき)を下りてくる雪の音
ほのぼのと湯気立ちのぼり温(ぬく)いのに何かが足りない今宵の鍋に
