
オーストラリア人捕虜だった、W・ダンロツプの「戦争日記」は決して日本人にとって快い本ではありません。大戦中、日本兵は、豪州人、英国人、オランダ人などの捕虜を使って泰緬鉄道の建設を進めていました。日本人もシベリアで酷使されましたが、その体系的な記録はありません。700ページに亘る綿密な捕虜の記録は目を覆うばかりの悲惨さです。 アメーバ赤痢、マラリア、熱帯性潰瘍、コレラなどでで次々と命を落としてゆく有様、日本兵の残虐性も記されています。通りすがりに敬礼をしなかったという理由で殴られた時、医師である著者は内臓を守る体勢で丸くなり自衛しました。
日本兵は、著者の医師としての技術の高さを評価し、ナンバーワンと言いながら、一方では殴る蹴るの乱暴をするのです。
このような扱いを受けながらも、次のような著者の言葉がありました。
「私が徹底的に教え込まれてきたのは、人は何かの宗教を信じなければならない、さもないとまったくの利己主義か物質主義の恐ろしい泥沼にはまり込んでしまう。したがって、宗教に逆らったことを口にするのは常にためらう。人間はあまりにも愚かな動物なので、次のことがわからないように思う。すなわち、幸せは自分の仲間と調和のとれた関係を保つことにより生まれる。また、幸せは汚れた無原則でしかも利己的な生活の中にいるときより、人類に奉仕しているときに生まれる。」
著者は満身創痍の中にありながらも、献身的に医療に従事されたのです。
なお、この「戦争日記」は河内賢隆・駒沢大学教授と山口晃・同大学講師によって翻訳されていて、訳者の両氏は日本翻訳文化賞を受賞されています。
日本兵は、著者の医師としての技術の高さを評価し、ナンバーワンと言いながら、一方では殴る蹴るの乱暴をするのです。
このような扱いを受けながらも、次のような著者の言葉がありました。
「私が徹底的に教え込まれてきたのは、人は何かの宗教を信じなければならない、さもないとまったくの利己主義か物質主義の恐ろしい泥沼にはまり込んでしまう。したがって、宗教に逆らったことを口にするのは常にためらう。人間はあまりにも愚かな動物なので、次のことがわからないように思う。すなわち、幸せは自分の仲間と調和のとれた関係を保つことにより生まれる。また、幸せは汚れた無原則でしかも利己的な生活の中にいるときより、人類に奉仕しているときに生まれる。」
著者は満身創痍の中にありながらも、献身的に医療に従事されたのです。
なお、この「戦争日記」は河内賢隆・駒沢大学教授と山口晃・同大学講師によって翻訳されていて、訳者の両氏は日本翻訳文化賞を受賞されています。
早速お届けしたいと存じます。
有り難うございました。