つきみそう

平成元年に出版した処女歌集の名

公民館短歌会 187

2023-06-17 | 短歌

 梅雨の中休みの昨日、予定通り岐南町南町民センターで、187回目の短歌会を開催しました。白内障手術のため一人欠席。会の始まる前にHさんが6枚の花弁をもつ十薬の花を持参してくださいました。前回の歌会で八重の十薬を歌った作品があったからです。十薬はどくだみのこと。この花は、おまけに葉まで斑入りというめずらしさ。押し花にして保存しておきたいです。Hさんは自宅庭から難なくみつかったそうです。欠席者には、添削し郵送します。歌話の資料も同封して。

 歌話は、母をテーマとした歌を六首とりあげました。万葉集の防人の歌、明恵上人、良寛、暁烏敏、斎藤茂吉、美智子上皇后陛下です。

子に告げぬ哀しみもあらむをははそは(木偏に乍と 葉)の母清やかに老い給ひけり   上皇后陛下

 お母上を詠まれています。ははそはは、母の枕詞。美智子様は妃教育で五藤美代子さんから一対一で和歌を学び、暗記の宿題もすべてこなして、こういう枕詞も習われました。子供のころからピアノとかあらゆることが身についていたのですが、和歌だけまだでした。

十億の人に十億の母あるも我が母にまさる母ありなんや   暁烏敏(あけがらすはや)

 暁烏敏は、俳句も虚子から学んでいました。歎異抄の著書が多く、講演活動もよくして、時代の寵児となった僧侶でした。父を10歳で亡くし、母子家庭でした。母を亡くなしたとき370首の歌を詠みました。

たらちねの母が形見と朝夕に佐渡の島べをうち見つるかも   良寛

 良寛の母は、佐渡島で生まれ、16歳で出雲埼の廻船問屋・橘屋に嫁ぎ良寛を生みます。出雲埼から朝晩望む佐渡島は、母そのものだったのでしょう。

モロトモニアハレトヲセミ仏ヨキミヨリホカニシル人モナシ  明恵上人

上人は、幼い時両親を亡くし、終生母を慕って拝んだ国宝の仏像にこの歌を刻みました。鎌倉時代はまだ仮名がなくて、カタカナでした。

 

今月の一首

母の日にカサブランカの香り乗せアレンジフラワー嫁より届く  Mさん

 

6弁のどくだみ

昨夜息子から届いた父の日のプレゼント

 


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2 コメント

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短歌教室 (oko)
2023-06-17 09:08:54
ご指導お疲れ様でございました。
上皇后陛下のお歌「子に告げぬ哀しみも・・・」↑心して拝読させて頂きました。

母の日、父の日のお子様からの素敵なプレゼントに心が温まります。
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okoさま (matsubara)
2023-06-18 08:00:06
お言葉ありがとうございます。
何とかよい資料がありましたので
話題は一カ月遅れでしたが、
済ますことができました。

お陰様で今年もプレゼントが長男から届きました。
嫁が送ってくれたようですが。
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