月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

生希有心

2013年01月07日 20時03分13秒 | 仏々相念(住職日記)

何か有難いね~・・・

 

今年に入り法事のご縁に「浄土三部経」を持参することにしました。

一人でも多くの方に浄土三部経の優しさに触れていただければと・・・

 

一緒に声高らかにお勤め下さる方。

つぶやくようにお勤め下さる方。

一文字一文字目で追って下さる方。

開きつつもウトウトされる方。

いろいろです。

 

でも、よくよくのご縁で開くこともなかったお経本を開いて下さると嬉しいし、

何か思って下さるのではないでしょうか・・・

 

「ご院さん、一文字一文字見ていると意味は分かりませんが何か有難い・・・

優しき思いが心に入るような気がします。」

「そんなに感じて下さったんですね。ありがとうございます。」

 

浄土三部経はお母さんが子どもを抱っこして「トントントン・・・」って優しくたたく音だと思います。

一緒におるよ・・・

大丈夫だよ・・・

そんなおはたらきに出会うお勤めであります。

だから優しき思いに出会うのも頷けます。

 

いろんなご縁に触れ涙こぼれることって多々ありますが、

なんとかお勤めも止まることなく終えることができます。

でも、一度だけお勤めも儘ならず泣けて泣けて止まったことがありました。

そのとき、お参り下さったご門徒が一緒にお勤めくださったのです。

あの時、背中に聞かせていただいたお経さんのなんと温かかったことか・・・

安心して泣かせていただきました。

「住職、ええよ・・・泣きなさい」

そんな優しき声に聞こえたことです。

 

触れてくれる・・・

支えてくれる・・・

抱きしめてくれる・・・

 

だからこそ、願生れるのです。

あ~、なんと有難いおはたらきなんでしょうか・・・