月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

喜色満面

2011年05月29日 19時08分09秒 | 仏々相念(住職日記)

おめえの顔でも・・・

 

永代経法要のご縁をお勤めさせていただきました。

台風の影響でず~っと雨・・・

今日においては台風が一番接近する時間帯でしたので案じていましたが、温帯低気圧に変わり酷くなくて安心したことです。

そんななかでも参ってくださる方々がおられます。

お聴聞は自らを見つめさせていただくひと時であって人数ではないとはいえ、やっぱり一人でも多くお参りくだされば嬉しいことです。

 

法要が終わり参ってくださった総代さんとお茶をいただきました。

遠方から来てくださるのですが、

「おじさん、よう来てもろうて・・・」

「そうぞ、この雨が降るのにどうしようかと思ったが、おめえの顔を見に来たんぞ・・・」

「おじさん、嬉しいよ!オレもおじさんの顔見たいよ!もう法要、って声を聞いたら来んといけんようになったね!」

「そうぞ、おめえが住職になるまでは参ることもなかったが来んといけんようになったの~」

ワッハッハッハッハ・・・

法要の緊張も取れ肩の力も抜けるようです。

 

80も越えている人生の大先輩です。

なんら気取ることもなく、ザックバランに笑い会える・・・

いいですよね、こんな関係。

勿論、親しき仲にも礼儀ありです。

そこはバシッと決めながらも肩を擦りあえる、冗談を言い合える・・・

 

人間、しんどいこと重ねてきて成長させていただくってことは、ドンと受け止める度量の大きさみたいなものなのでしょうか・・・

呼び方がどうとか、態度がどうとか・・・細々いっていてもつまらないでしょう。

 

ドンと受け止めてみたら・・・

一緒に笑ってみたら・・・

すれば若い方々も変わるかもしれませんね。

 

和やかなひと時をいただきました。


真実之鏡

2011年05月28日 21時34分48秒 | 仏々相念(住職日記)

娘の姿に自分の姿が・・・

 

今日から永代経法要のご縁にお会いさせていただいています。

ご講師の先生には優しいご法話をいただいていることです。

 

4才になる娘さんが反抗期で直ぐに切れるのだそうです。

「フ~ンだ!お父さんとはもう遊ばない・・・」

そうする態度に直ぐに切れる自分が見えたのです・・・

 

お参りになられたご門徒さんのお話し・・・

法要が始まるまでに偶々おっしゃられたのです。

息子さんたちが仕事の合間に田畑の仕事を手伝ってくださるのだそうです。

でも、息子さんたちもイライラするし、私もイライラするし・・・

ケンカしてしまうのです。

ケンカしながら思うのです・・・親父とは一度もこんなことなかったな~って。

どれだけ親父が辛抱しとってくださったことか・・・

改めて優しい親父に出会ったことです。

 

気付けてよかった・・・


微笑感謝

2011年05月28日 21時15分20秒 | 仏々相念(住職日記)

優しさに包まれたなら・・・

 

大好きなご門徒さんが遠路お参り下さいました。

仏さまのようなお方・・・

こちらが心からホッとできるひと時をいただけるおはたらき・・・

 

もう7年忌のご縁となりました。

愛するご主人と突然の別れ・・・

沢山泣かれましたね。

でも、私と接していただく時には一生懸命の笑顔で・・・

あの時期が忘れられません。

 

お嬢さんもやっぱり仏さまのような方で・・・

こんな力の無い住職を大切に思ってくださるのです。

お父さんを乗せた霊柩車の後ろに続くバスに私も乗せていただいたことです。

お嬢さんが通われた学校、そこでの行事の事、家族で一緒に自転車で走ったこと・・・

バスから見える何ら変わりのない光景の中にタイムスリップするかのように当時の姿を重ねられて話して下さいました。

ご縁をいただきながらあの時の光景、言葉、涙・・・思い出していました。

 

寂しさ、変わりません・・・

でも、沢山泣いて、微笑んでくださるまことの優しさ・・・

ふ~・・・って力が抜けて行くようです。

 

生きることって辛いですけど、

その微笑みに支えられ生かさせていただくことの勿体なさ・・・

「大切に生かさせていただいてね!」って気付かせていただくことです。


助手席のはなし

2011年05月27日 22時24分11秒 | ふうわりふわり(坊守日記)

ご院さんとふたりで出かける時、わたしはいつも助手席に座ります。

そして、必ずといっていいほど・・・眠ってしまいます。

今日も1時間程の道のりのうち、45分間眠っていました。

どうやらその寝方がハンパじゃないそうです。

「首が折れるんじゃないか」とご院さんが心配するほど、がっくん、がっくん・・・

時折、ゴンッ!と助手席の窓に頭を強打しては、「ガラス割れてない?」とご院さんに苦笑されるのです。

 

せっかくのふたりきりの時間、ゆっくりおしゃべりもできそうなのに・・・

やっぱり眠ってしまいました。

少し遠くへ出かけるときには、必ず「寝とっていいよ」と言ってくださるから・・・というのもあるでしょうが

たぶん、安心できる空間だからでしょう。

ご院さんの運転は、とってもとっても心地よいのです。

(たしか、初めてのドライブでもうとうとっと眠ってしまったような・・・)

 

何の心配もなく目的地へと連れて行ってくださる・・・

わたしにとっては、阿弥陀さまの“弘誓のふね”に匹敵するくらい乗り心地のよい“ご院さんの助手席”です。


住職連呼

2011年05月27日 21時09分57秒 | 仏々相念(住職日記)

伽をしてくださいます・・・

 

「お幾つになられたですか?」「95になります。」

身体の調子を崩されたので8月にお約束していたご縁を早められお勤めなされました。

病院に入院されているのですが、痛み止めを打ち外出許可を受けての御帰宅でした。

 

話しの好きなお方で、ご縁をいただきお会いしますとず~っと話し相手になってくださっていました。

お悪くされたと聞いていたのでどんなになっているのか案じていましたが、

ベットに横になっておられるもののいつものように話しかけてくださいます、

「住職さん・・・住職さん・・・」

40過ぎのぺーぺーに95歳の大先輩が優しく語りかけてくださいます。

 

仏間の次の間にベットを置かれ横になったままお参りができるようにされています。

お勤めの間、「なまんだぶ なまんだぶ・・・」とお念仏申される声を聞かせていただきます。

有難いな~・・・

今日のご縁であります、懐かしい奥様の声が聞こえてきそうでした、

「お爺さん、安心して下さい。ここにいますから・・・一緒にいますから・・・」

 

「住職さん、簡単に消えそうでなかなか消えません・・・

世の中には若い方が早くにお亡くなりになることを聞きます。それに比べ私みたいな早く死んでもいいものが残っています。」

早く死んでもいい命なんてありません。

でも、年を重ねながら下のものが亡くなっていくことの辛さはたまりません。

出来ることなら代わってやりたい・・・この方もそんな切ないひと時を乗り越えてこられました。

 

「もう十分生かさせていただきました・・・」

そうおっしゃる周りには、息子さん・娘さん・お嫁さん・お孫さん・・・

皆さんが優しく支えて下さっておられ優しい空気に包まれるようでした。

 

さぁ、お互いに今生の命生き抜いて力無くして終わるときにはお浄土に参らせていただきましょうね!

お浄土にお参りさせていただきますとそこにフンズリ返ることができません、

急ぎ還ってきて喚び続けてくださいます。

私もお念仏申させていただきながら、「大丈夫、大丈夫」って聞かせていただいたことです。

 

いいひと時をありがとうございました。