月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

遠慮之人

2012年05月25日 21時54分33秒 | 仏々相念(住職日記)

優しい人・・・

 

大好きな御門徒のおばちゃん。

苦労して苦労して・・・

でも、もの凄く優しくて・・・

仏さまのように一緒に泣いてくれて口に笑みを湛えられる。

そんなお方です。

大好きでいつも抱きしめたくなります。

 

どこにいても誰に対しても接する姿は変わりません。

遠慮して相手の事ばかり気遣います。

見習わないといけんな~って常に反省です。

 

御主人も最近身体の調子が優れません。

お二人での生活ですので不安がいっぱいでしょう・・・

だから・・・やっぱり寄り添うように大切になさいます。

靴を履かれるにしても、杖を突かれるにしても、歩く時も・・・

寄り添うことの優しい姿・・・

 

仏さまのような姿を参道から見えなくなるまで前拝からお見送りしたことです。

各ありたい・・・そう思いつつ。


母之場所

2012年05月24日 21時06分23秒 | 仏々相念(住職日記)

楽しい母でした・・・

 

明るい方々が集う御縁となりました。

この明るさは、当にお母さんの明るさからなのでしょうか・・・

 

私がお風呂に入る時に既に従妹たちと電話を掛けていたが、出ても楽しそうに話しているのです。

「本当に楽しい人でした」

 

そんな思い出を交えながらの挨拶は最高のモノとなります。

決して通り一遍のあいさつがいけないと言う訳ではなく、一言でいいんです・・・

このこと伝えたい、これだけでいい聞いてもらいたい・・・

そんな挨拶、大好きです。

 

これで最後になるのか・・・

そんな思いで涙溢れる・・・

思いっきりお袋に甘える・・・

今日ぐらいいいだろ、泣いたって!

また、明日から願生るから!

 

泣くことも、時には、生きてゆく強さだから・・・矢沢永吉

 

今頃、寂しくされてるのでしょうか・・・

お念仏申させていただきましょう!


静寂之夜

2012年05月24日 20時40分02秒 | 仏々相念(住職日記)

カチ、カチ、カチ・・・

 

「この時計、大きな音がするな~」

そんな話から始まった御縁。

穏やかで優しい時が流れます。

 

お仏壇の斜め上の方に掛けてある時計。

御袈裟を着けさせていただくのに準備しておりますと、なるほど秒針の音が響きます。

過疎化が進む村は静寂の夜を迎えます。

「これは響くな~」って。

 

そんな話を聞きつつ、お勤めをさせていただきます。

「そういえば・・・」

私の母方の祖母の家にも賑やかな時計がありました。

私が物心ついた頃には既にその家の時を刻んでいました。

 

ゼンマイ式で振り子がカチ・カチ・カチ。

時を刻む音は既に割れていましたが毎時毎時を伝えてくれていました。

時が経ち祖母が臥せる頃になる・・・

「この時計、ちょっと五月蠅いから止めようか?」って話したことがありました。

「止めんでいいよ、この時計の音が夜中でも伽をしてくれるんだから。ばあさん、ガンバれ!ばあさん、ガンバれ!」いうての・・・

 

懐かしいその時のことを思い出したことです。

 

眠れぬ日は辛いもので、孤独感が深まります。

そんな時にカチ・カチ・カチ。

一緒にいるから・・・と聞こえると嬉しいです。

 

この時を一緒に・・・カチ・カチ・カチ


鈍感住職

2012年05月23日 23時09分11秒 | 仏々相念(住職日記)

ワッハッハ~・・・

 

何事も自分の事として聞かせていただくことですが、昨日は一人で思わず笑ってしまいました。

こうまで当てはまると笑わずにはおれません。

 

夜中に録画していた番組を観ようと点けたところ、「たけしの家庭の医学」特番が録れていました。

ボェ~っと観ていたところ、「夫が原因で起こる妻の病」と出るではありませんか・・・

「これは!」って食い入るように観たことです。

 

御存知でしたか、「夫源病」っていう病。

その名の通り、夫が病の源なのです・・・

夫への不平不満がストレスとなり様々な症状を起こすのです。

 

どんな不平不満なのでしょう・・・

キーワードは「鈍感」なのです。

例えでは、

服を取りだすのにきれいに畳んで仕舞われてあるタンスの服をグチャグチャにする。

買い物に行く奥さんに「オレも行こうかな~」って着いてくる。

もうその例えのドラマ自体が私そのもので思わず一人で笑ってしまいました。

まさかこれが妻に病をもたらすのかって・・・

 

でも、よ~く考えてみると結構坊守の症状とダブるんですよね・・・

めまいがしたり頭痛がしたり・・・

更年期?なんて話したりしていたのですが、まさか私が近づいていたからだとは思ってもみませんでした。

 

夫からの小さいストレスが脳の視床下部を刺激し、やがて自律神経の暴走やホルモンのバランスを崩したりしてしまうのだそうです。

 

適度な距離を置くことが大事だそうです。

 

まっ、坊守が「夫源病」であるかどうかは分かりませんが、悉く迷惑を掛けていることは紛れもない事実。

少し自立しなければ・・・

なんて反省した鈍感住職でした。

 

鈍感になっていませんか、ほっておいたら恐ろしいことになりますよ!


御堂之縁

2012年05月22日 21時15分13秒 | 仏々相念(住職日記)

それまでは・・・

 

大阪から故郷にお帰りになられていました。

お母さんも足が痛いもののお元気でおられ安心されていました。

 

お休みをいただきますと自らの事をおっしゃいます。

「夫が3年忌でして・・・」

「え~、それは大変でしたね。」

この3年忌をお迎えになられるまでの胸の内をつぶやかれます。

 

「御院さんは、大阪のお御堂さんはお参りなさいますか?」

「いいえ、京都の御本山には度々お参りしますが、大阪の別院にはあまりお参りしたことがありません。2度程でしょうか・・・大きくてきれいな御堂ですよね!」

「家が近くでしたので、夫の御縁をそちらでいただきました。お墓も構えず御堂さんの納骨堂を購入しました。だから、ことあるごとにそこにはお参りするようになって・・・きれいな本堂に座りますと心が落ち着くようです。勿論、夫が生前だった時も、ここにお御堂さんがあると言うことは知っていました。でも、お参りする気持ちもありませんでした。」

「御縁ですね・・・辛いご縁ではありましたが、ようこそ手を合わさられる身にならせていただきましたね。」

 

「仕事の帰り道、ちょっとお参りしては帰ることもあるんです。お寺さん、いつでも参れますもんね!」

「それは、尊い時間を過ごされているんですね!」

「時には、沢山のお坊さんがお勤めされたりきれいな楽器を演奏されたり、お参りするようになって本当によかったと思います。」

「御法要がお勤まりになったんですね。楽が入ると御浄土を感じますよね。そんなに喜ばれて、何か私も嬉しいです!」

 

尊い御縁に会いつつもそこを喜ばず終わってしまう方もいる。

或いは、会い難い御縁と喜ばれる方もいる。

 

できることであれば、よくよくのおはたらきと自らが喜ばせていただきたい・・・

 

お御堂さんが愛しくて堪らない場所になっているのでしょうね。

お立ち向かいの親さま(阿弥陀さま)を前にいろいろ語られるのかもしれませんね。

「今日ね、こんなことあったよ・・・嬉しくてね~・・・悲しくてね~・・・」

その時々を過ごしつつ、

「一緒におるよ・・・大丈夫!大丈夫!」

そんな愛しき声に出会いつつ、「さあ!」て奮い立てるのかもしれません。

 

お御堂さん、ありがとうございます。

徳正寺もそんな優しい場所でありたいと思います。

もうすぐ徳正寺も永代経法要をお勤めさせていただきます。

お御堂さんのように沢山の僧侶や楽があるわけではありませんが、一生懸命御浄土のお飾りにならせていただきます。

どうぞ、気楽にお誘い合わせの上、お参りください。

坊守と一緒にお待ちしています!

 

 

永代経法要の御案内

 

先立たれた方々を偲びつつ、ひと時、優しい時間を過ごさせていただきましょう!

 

日時、5月26日(土)夜7時~

       27日(日)昼1時~

 

講師、島根県長玄寺 岡本広樹師