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犬丸りん、角川文庫、2001年。バンド小説シリーズ「ダイナマイト姉ちゃん」。サトシは幼い頃からおとなしく、四歳年上のエキセントリックな姉のいつも言いなりです。中学生になった姉がロックにはまると、むりやりサトシはギターを買わされます。いつしか彼のギターテクは上達し、姉から歌詞を渡されます、「サトシ、曲つけてよ」。
「五○円ひろった ヘイヘイついてる あたりを見渡せ 誰もみてない ヘヘヘン 口笛吹きながら アキ缶蹴れば ナイスシュート Jリーガー並み! 心の中で大絶叫 パヤパヤパパヤ 春はすぐそこ」。双子のベースとドラムを仲間に入れてバンド『オニオンヘッド』は、姉の野望のままコミックバンドとして大成功を収めてしまいます。しかし、サトシには誰にも言えない密かな悩みが。ツアー最終日、武道館ステージ、姉が大観衆を前に唐突な告白を始めます。
短編集です。ファンタジックな登場人物や設定もありますが、いっぽうで海外からの出稼ぎ外国人、風俗嬢など、実に現代的な人物も登場します。しかし、どこか、夢のなかのようなイメージ。少しだけ暖かくも哀しい夢のようです。作者、犬丸りんは、NHK「おじゃる丸」のシナリオ作者にしてキャラクターデザインを手掛けました。過去形なのは、犬丸は自殺したからです。仕事上の悩みを綴った遺書が残されていたともいいます。
「おじゃる丸」が継続しているのは、視聴者の強い要望があったからだとか。まるで彼女自身がこの短編集の登場人物のようです。自ら死を選んだ人間の心境は、たぶん決して誰にも知りえないでしょう。個人的には、自殺した人間は軽蔑することにしています。あの世に行っちまうのは勝手だけども、残されたおれたちは、生きている間いつまでも、おまえのことを思い出しては何故かと問い続けなければならないからです。忘れられない。
「五○円ひろった ヘイヘイついてる あたりを見渡せ 誰もみてない ヘヘヘン 口笛吹きながら アキ缶蹴れば ナイスシュート Jリーガー並み! 心の中で大絶叫 パヤパヤパパヤ 春はすぐそこ」。双子のベースとドラムを仲間に入れてバンド『オニオンヘッド』は、姉の野望のままコミックバンドとして大成功を収めてしまいます。しかし、サトシには誰にも言えない密かな悩みが。ツアー最終日、武道館ステージ、姉が大観衆を前に唐突な告白を始めます。
短編集です。ファンタジックな登場人物や設定もありますが、いっぽうで海外からの出稼ぎ外国人、風俗嬢など、実に現代的な人物も登場します。しかし、どこか、夢のなかのようなイメージ。少しだけ暖かくも哀しい夢のようです。作者、犬丸りんは、NHK「おじゃる丸」のシナリオ作者にしてキャラクターデザインを手掛けました。過去形なのは、犬丸は自殺したからです。仕事上の悩みを綴った遺書が残されていたともいいます。
「おじゃる丸」が継続しているのは、視聴者の強い要望があったからだとか。まるで彼女自身がこの短編集の登場人物のようです。自ら死を選んだ人間の心境は、たぶん決して誰にも知りえないでしょう。個人的には、自殺した人間は軽蔑することにしています。あの世に行っちまうのは勝手だけども、残されたおれたちは、生きている間いつまでも、おまえのことを思い出しては何故かと問い続けなければならないからです。忘れられない。
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