草むしりしながら

読書・料理・野菜つくりなど日々の想いをしたためます

こんな陽気に恐縮ですが

2023-04-03 07:11:37 | 草むしりの得意料理

 桜も散ったというのにお雑煮の話で恐縮ですが。お雑煮は夫の大好物です。

 だから我が家は餅があれば、いつでも雑煮です。もちろん大晦日から雑煮を食べております。何しろそれさえ食べていれば機嫌がいいのだから、こんな楽なものはありません。

 雑煮と言ってもごく簡単なもので醤油味のだし汁に青菜を刻んで、餅と一緒に煮込むだけのものです。さすがに正月の雑煮には、紅白の蒲鉾くらいは入れますが、そのほかの時は青菜ばかりです。

 青菜は生家のある地域では、主に青高菜をつかいます。カツオ菜とも呼ばれる青高菜を刻んで餅と一緒に入れて、餅が柔らかくなるまで煮るだけです。柔らかくなった餅に高菜が絡みつき、汁の中で高菜の絡め餅みたいになります。でもそこがおいしいところです。白い餅に高菜の青が映え、ちょっとツンとした高菜の風味に、汁のしょっぱさがたまりません。

 とここまで書いてふと不安になってしまった。当地の人は本当にこんなお雑煮を食べているのだろうかと。そこで早速ネットで調べてみたのですが……。

 なんと当地では甘口醤油仕立ての汁に、あんこ餅を入れるとなっていました。その上あんこ餅を入れるのは、我が家が位置する地域のエリアのみであると記されていました。

 本当だろうか。もしかして高菜の入った雑煮を食べているのは、我が家だけなのだろうか?にわかには信じることのできない検索結果でした。

 あれは高校生の家庭科の授業でした。確か郷土の料理みたいな話になり、教師が雑煮に何を入れるかと振ってきたことがありました。

 当時は雑煮などに興味のある年代ではなかったので、ほとんどの者が答えらなかったのですが、中に一人白菜と答えた者がいました。

 教師は苦笑しながら「白菜もそうですが、主に高菜でしょう」と言った。その言葉が今でも忘れなれません。

「お正月のお雑煮には、高菜が入っていませんか?高菜を入れるというのは素晴らしい食べ方なのですよ。たくさん切り込んで餅に絡めるようにして食べると、餅が喉につまらないのですよ」そんなような話の内容でした。

 その時はああ、そうなのかと聞き流していたが、この頃それが非常に素晴らしい食べ方のように感じるようになりました。たぶん自分が餅を喉の詰まらせる年代に近づいたからでしょう。

 また毎年正月の夜「東京都では餅を喉に詰まらせて緊急搬送された方が〇名いました」などという話をニュースで聞くたびに、「東京の人も小松菜をたくさん入れればいいのに」と思っていました。小松菜は東京都の郷土野菜ですね。

 しかし考えてみればこの高菜もそうですが、あんこ餅だって、世間一般の雑煮と比べればどっちみち変わっています。この変わっているところが当地流なのです。ここはひとつ青高菜入りの雑煮は、草むしりン家(ち)のお雑煮としておきましょう。

 


見きわめ時

2023-03-10 12:35:36 | 草むしりの得意料理

見きわめ時

 陽気がよくなったせいだろうか。甘酒の発酵が進んでいる。昨日はほんのりと甘い程度だったが、今朝飲んでみると格段に甘くなっていた。欲を言えばあともう少し甘い方がいいのだが……。

 しかし明日まで待つと、発酵が進み過ぎて酸っぱくなってしまうのではないか。実は以前失敗したことがある。酸っぱい甘酒ほどまずいものはない。ここが見きわめ時だ……。

 結局、昼過ぎにビニール袋に小分けにして冷凍庫に入れた。飲みたいときに凍った甘酒と水を入れて沸かせば、いつでもおいしい甘酒が楽しめる。

 それにしてもおいしい。お菓子を控えているからだろうか、甘酒のほんのりとした甘さがうれしい。からだに染みこんで来るような優しい甘さだ。

 発酵食ブームのおかげか、それとも蛙の子は蛙なのだろうか。子供たちも甘酒をよく飲む。多めに作って子供たちにもおすそ分けしたいので、また作ることにした。しかし問題は冷凍庫に入りきるかだ。

 甘酒をつくる前に、まずは冷凍庫の整理をしなければ。

追伸

 たけ爺さん様コメントありがとうございました。

 コロナがはじまって以来、何も考えずにひたすらあらすじを書いておりました。

 コメントの投稿も返信もすることなく、パソコンも壊れてしまったので、新しいのを買換えました。そのせいでしょうか、コメントの投稿や返信が出来なくなりました。まったく困ったものです。

 気候がよくなり草むしりに追われる毎日です。いつになったらコメントの返信ができるようになるのか分かりませんが、うれしいコメントなら大歓迎です。機会があればまたください。

草むしり


ヒヨドリ姉妹

2023-03-09 08:16:58 | 草むしりの得意料理

ヒヨドリ姉妹

 庭に咲く満開の椿もいいのだが、山の中にひっそりと咲く藪椿の花には風情がある。

 子どもの頃、藪椿の赤い花を口にくわえて蜜を吸っている私と姉を見て、父は「頭の黒いヒヨドリたち」と呼んだ。

 まったく子煩悩な人であった。

 さてヒヨドリたちも大きくなり歳を取ってしまった。今では椿の蜜は吸わなくなったが、ヒヨドリ根性そのままに野菜をよく食べる。

 ほうれん草はとっくに食べつくし、小松菜や水菜や白菜はとうが立ってしまった。食べられる野菜はないかと畑の中を捜しまわり、ヒヨドリみたいだと苦笑いする。椿の蜜を吸う可愛いヒヨドリは、同時に野菜や果物を食い荒らす困りものだ。

 さてこの時期、ヒヨドリ姉妹の食卓に頻繁に登場するのは、畑の隅に植わっている「のらぼう菜」である。おもに東京都の西多摩地方や埼玉県飯能市周辺で栽培されており、アブラナ科アブラナ属の野菜である。

 ブログの相互フォローをしている「たけじいの気まぐれグログ」にも、時々登場する。

 茎の部分が甘くておいしくい。さっと湯がいて細かく切り、そのまま何もつけずに食べるのが、ヒヨドリ姉妹の食べ方である。


次回はいつのことやら

2023-03-06 06:55:33 | 草むしりの得意料理

次回はいつのことやら

 もったいないと思うからだろうか、それとも趣味なのだろうか。姉はなんでも冷凍する人である。時々は私がチェックして、古いものは捨てたりする。

 今回は冷凍庫の隅でカボチャ見つけた。ちゃんときりそろえて、皮もきれいにむいている。ポタージュスープにして、早いところ食べてしまおうということになった。

 果たして翌朝、変な色のポタージュスープが出来てきた。冷凍していたのはカボチャではなく柿だったというのだ。冷凍した本人もカボチャだと思い、玉ねぎと一緒にバターで炒めてしまった後に気づいたそうだ。

 「普通、柿は冷凍するか?」と思ったものの、昨年の柿の大豊作を思い出すと、それもあるかなと思った。どこの家の柿も鈴なりで、自身がつけた実の重さで枝が折れそうだった。それで食べきれずに冷凍したわけか。

 さて肝心のスープのお味であるが、意外とおいしかった。また飲んでもいいかな……。

 しかし昨年のような大豊作でなければ、柿の冷凍など思いつかなはずだ。あんな年は十年か二十年に一度くらいしかない。するとこんど柿のポタージュを飲めるのは、十年か二十年後になるかもしれない。

長生きしなければ。

 


「椎茸終い」

2023-03-05 08:37:47 | 草むしりの得意料理

「椎茸終い」

 当地は昔から椎茸の原木栽培が盛んな地域である。我が家でも昔から自分の家で食べるくらいの椎茸は、栽培していた。

 秋にクヌギの木を切り倒してそのままに放置しておき、翌年の二月から三月にかけて、120センチくらいの長さに切りそろえて植菌する。

 当地では植菌のことを「駒うち」と呼ぶ。ドリルで穴をあけて種駒を金槌で打ちこむ。コンコンと駒を打ち込む音が、山々にこだまする。

 駒打ちが終わると、次に「伏せこみ」という作業を行う。植菌した原木をひと所に寄せ集めて寝かせておくのだ。適度に隙間を空けて木を斜めに組み合わせ、上は原木に使った残りの小枝をかぶせて二夏(ふたなつ)過ごさせる。

 それから稲刈りが終わったあとに取り出して、杉山などの少し湿気た場所に並べる。そこでやっと椎茸が芽を出すのだ。

 けっこう時間と手間のかかる仕事だし、力もつかえば、原木伐採の時には危険も伴う。後継者不足のために辞めてしまう農家も多い。

 我が家でも、今回の仕事を最後とした。「椎茸じまい」である。

 ただクヌギの切り株からはわき芽が出てくる。そのまま放置しておけば、数年後には大木になってしまう。隣合わせに住宅があり、台風で倒れでもしたら、すみませんではすまなくなくなる。

 今後二・三年は芽を全部摘み取って、最終的にクヌギを全部根絶やしする仕事が残っている。辞めるにしても始めるにしても、手間のかかることだ。

それでも椎茸はおいしい。揚げと一緒に炊きこんだ「椎茸飯」は末娘の大好物でもある。