草むしりしながら

読書・料理・野菜つくりなど日々の想いをしたためます

春よ来い

2019-02-09 05:00:36 | 日記
春よ来い
 
 玉ねぎの苗の間の草むしりをした日だった。草が生えないようにと、玉ねぎの間にはもみ殻をたっぷりとまいているのだが、それでも草は強い。もみ殻の中で芽を出すと、根を張って葉を茂らせる。
 
 早めに取っておこうと、鎌の先を草の根元に差し込んで引きぬいた時だった。草の下の土がぐらり動いた。何だろうと思って鎌の先で突いてみたら、小さなカエルが出て来た。「ごめん、ごめん」と謝りながら、慌てて土の中に戻してやった。寒かろうと思い、深めに穴を掘り土も多めにかけてやった。ご丁寧にその上に、もみ殻をたっぷりとかけた。
 
 余計なことをしたものだと思ったのは、夕食の後だった。きっとあの深さでの温度が、カエルには最適なのだろう。それにもみ殻の下は意外に暖かいのかも知れない。それ以上の深さや暖かさは冬眠中の体には負担なのかも知れない。
 
 「過ぎたるは及ばざるがごとし」小さな生き物に生きていくすべを教わった。
 
 地中のカエルを見習って部屋の暖房の温度を下げてみた。少し寒くなったので、上着を羽織った。
 
 「春よ来い、早く来い」