ひろひろの生活日記(LIFE Of HIROHIRO)

パソコン講習とソフト開発をしています。自作小説も掲載しています。ネット情報発信基地(上野博隆)Hirotaka Ueno

0054_チベット(12)祐也日記

2013年12月05日 18時07分20秒 | 裕也・冒険日記(自作小説)
0054_チベット(12)祐也日記
アジェスタが、うながした部屋には、「はじまりの部屋」と記してあった。
入口のドアの淵には、左側に蛇の模様、
右側に孔雀の模様があり、
孔雀の尾が九本、
扉の淵を飾っていた。
扉には、花の種。
その種からは、芽とツル。
そして蓮の花が浮き彫りになっていた。

アジェスタに促されて祐也は、部屋に入った。
部屋の奥には、祭壇あり、
その壁には、掛け軸が掛けてあった。
曼陀羅と言うべきかもしれない。

アジェスタ「はじまりの部屋です」
「祐也には、少し瞑想をして頂きます」
「正面に掛かっているのが曼陀羅です」
「中央に」
「なむみょうほうれんげきょう」
「と書かれています」
「それを見ながら唱えてください」

アジェスタは、祐也を正面に座らした。
そして、自分は、その右横に座った。
アジェスタ「それでは、はじめます」
「なむみょう…」
祐也も唱えはじめた。

アジェスタ「全ては、精心から発する」
祐也は、曼陀羅を見つめて唱えている。
(無心とは、こう言うものなのか?)
気づけば暗闇の中にいた。

周りは、真っ暗。正面には、曼陀羅だけが見えていた。
「われは、心にひかれて来た」
「我々も」

「全てを愛そうとする慈愛」
「人を導く力」
「自ら定める欲望の方向」
「あなたの名前は」

祐也「ファースト、ハート、ネーム、イズ、ナムミョウホウレンゲキョウ」
祐也は、自ら答えた。が正しくは、自然に突き動かされた。



「我等は、了解した」
「我らは、仏、神、魔者と呼ばれしものになる」

祐也の体が光を放ち、曼陀羅に吸い込まれる。
声の主達も、曼陀羅に吸い込まれていく。
周りの暗闇も曼陀羅に吸い込まれていく。
そして曼陀羅は、光と闇を集め凝縮していく。

そして曼陀羅は、爆発した。
辺り一面、様々な光に包まれた。
祐也は、はじまりの部屋にいた。我に帰った。
(宇宙のはじまり)

曼陀羅は、何事もなく、そこにあった。
祐也「アジェスタ、今、私は、宇宙のはじまりを見ました」

アジェスタ「祐也、それは、良かった」
「問題は、解決しましたか?」
祐也「私には、神が正しいとか、仏が正しいとか、どちらを選ぶべきか分かりません」
「しかし、一つ言えるのは、はじまりはあり、世界は、一人の力で出来たものではないと言うことです」


つづく
コメント
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