ひろひろの生活日記(LIFE Of HIROHIRO)

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闇と光の慈愛のコントラスト(26)

2013年12月09日 15時52分32秒 | 闇と光の慈愛のコントラスト(自作小説)
闇と光の慈愛のコントラスト(26)

--対決③--

アクデシアは、アンディアが失踪(しっそう)した真意を確かめねばならない。
それをイリノイスに確かめるために天空の城に向かった。
アクデシアは、内心、イリノイスを疑っている。
しかし、正直にイリノイスが起こったことを教えてくれるとは思えない。


村の畑を抜け、山の森に進む。
森は、いつもより黒々しく見える。
空には、城が浮遊している。

森を抜け、城の真下に来た。

アクデシアは、目を閉じ、自身を見つめる。
意を決して、空に飛びあがった。

天空の城の門の前に降り立った。
「イリノイスに用がある
 門を開けよ」
「ドーン ドーン」

「ギィギー ギィギー ギィギ」
門がゆっくりと開いた。
マイアシィが立っていた。
「アクデシア 何の用だ」
「イリノイスに聞きたいことがある通してくれぬか」とアクデシアは言い門をくぐった


「ついてくるがよい」マイアシィは、アクデシアを案内することにした。
(まあ良い イリノイスさまには、面倒をかけるが、
 会うまで帰るまい)と思った。
門くぐり、庭を抜け、城に入った。
階段を上り、一つの部屋に通された。
「ここで待つがよい」マイアシィは、アクデシアを案内すると
イリノイスに伝えに部屋をでた。

しばらくして、イリノイスが入ってきた。
「アクデシア 何しに来た」
「お前に尋ねたいことが少しある
 何か変わったことは、ないか?」
アクデシアは、話を切り出した。
イリノイス「何もないが」
アクデシア「私の村の男が一人、消息不明でな
      村の男を見なかったかと聞いて回っているところだ」
イリノイス「なぜ、俺がお主の村の男を知ることがある」
アクデシア「その男は、先だってお主のところに使いに来た男だ
      ひょっとして、その時、知り合った女神を
      誑(たぶら)かしたのではないかとな」
イリノイス「そういえば、一人、女が減ったが
      子供でもあるまいし
      どこにいようと気にせぬは」
アクデシア「村の男が手をだして すまぬ」
イリノイスは、怒りに顔色を変えた。
「お主の村の男と俺の女神がぁ かぁ
 光の種族が、土の民と交わることなどないわ」
アクデシアは、言葉とは、うらはらに何かあったと確信した。
「すまぬ そんなことがあるわけないな ない」
イリノイス「あ 思い出した 一人の女神に
      昨日、暇をだした
      そうそう そうだった
      一人旅をしたいと言っておったは
      土の民とは関係ないわ」
イリノイスは、口をすべらして、消息を絶った女神がいることを
言ってしまった。しまったと思った。
「もう 用はない
 お前のところの男など 知らんわ
 でわな」
イリノイスは、言い放ち部屋を出ていった。
アクデシアは、一人部屋に残された。
(やっぱり、光の種族と何かあったか
 無事でいることを祈るしかないな)
もう話すことは出来ないと悟り帰ることにした。
「イリノイス ありがとう
 会えてうれしいよ
 またな」
そして、天空の城を後にした。
帰りがけ、城を見た。ちょうど、その時、
真昼というのに大きな流れ星が北の空に流れるのを見た。
運命の子の誕生である。
北は、滅びへの起兆でもある。


つづく 次回、運命の子の誕生。

コメント
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