闇と光の慈愛のコントラスト(20)
2011/04/19 14:58:55投稿者:ひろぴょん
--生まれ来る命--
イリスは投獄された。
お腹にイリノイスの子供を身ごもった。
運命か?イリノイスは、本当は愛してるのか?
死ぬのは安易な道である。
しかし、お腹の赤ちゃんの鼓動を聞くと生きなければと思うのである。
レマァーは知った。イリスに子供がいることを。
マイァシイは光の長イリノイスの子を身ごもるなど腹立たしくてしかたなかった。
なんとか始末しなければ。
イリノイスさまに知れて情が出てもこまる。
マイァシイはレマァーに提言した。
「このままでは、イリノイスさまの愛をあのイリスが独り占めしてしまいます。
いっそ逃がすと見せかけて途中で始末してはどうですか?」
そのころ、アンディアは思いに耽(ふけ)っていた。
ふと、そとの月を見る。黒く陰っている気がした。
(胸騒ぎするなぁ)
:
辺りが寝静まるのを確認してマイァシイは牢獄を訪れた。
懐にレマァーにもらった秘剣ブラハブを忍ばしている。
この剣は全ての命を吸いとることが出来る。
剣の先から手元に黒い弦が伸びている。その根元には封印の玉。灰色のブラハ。
マイァシイはイリスの様子をそっと覗いた。
格子の奥。月の光が悲しげに照らしている。月が黒い。
しかし、イリスは絶望の淵を逃れ出していた。
悲しい運命でこの子を身ごもったが。
母に成るのはこんなに幸せなことなの?
アンディア。この子は、あなたの子では無いけど大切に育てます。
私はこの子を授かるとき、月に願いました。
せめて闇の命、アンディアの命を次ぐ者をと。
だから許してね。
生命とは不思議。神にも子供は生まれるものなのか?
愛が在ったのだ。
イリノイスにもイリスにも…
神から(光の種族から)生まれた命。
つづく 次回(暗殺)
---追伸---
題名変わってごめんね!