急いで口で吸え！

先日の芝居(『「Mellow F」後記』をご参照のこと)の打ち上げで、一次会で行った歌舞伎町の飲み屋でのことである。
「大仕事」をやり終えた後の一杯というのはたまらなくうまい。みんなそれぞれビールだのカクテルだのアルコール類を店員に注文するが、後輩ミサコちゃんはソフトドリンクを頼んだ。

※ミサコちゃんは今流行りの妹系キャラで、劇団の先輩たちからもかわいがられているキュートな女の子だ。ちなみに、カラオケではパンチの効いた歌声で椎名林檎を熱唱する力強ぇ一面あり。

私「あ、ミサコちゃんはお酒飲まないんだ」
ミ「お酒飲めないんですよぅ。喘息持ちで、アルコール入ると発作が起きちゃうんです。あ、忘れない内に…」
と、カバンから出してきたのは、ヨーヨー？UFOのおもちゃ？とにかく得体の知れないオレンジ色の丸い物体だった。
私「な、何なのかな、これは？」
ミ「あ、これ薬ですよ、喘息の。こうやって…」
と、彼女は吸入の実演を始めた。その「UFOのおもちゃ」のカバーを開け、レバーを押し、口にくわえてスーッと息を吸い込んだのだ(文章で説明してもピンと来ないので、こちらのHP(製造元)から「ディスカスの吸入方法」(PDFファイル)及び「ディスカスの使い方」(動画)をご覧下さい）。私はただその光景を、テーブルマジックを見るように「おぉ～」と感嘆のため息をつきながら眺めていたのである。最近の薬ってデザインもしゃれてるのね。
私にも喘息持ちの友人がいて、彼が薬を吸入しているところを見たことがあるが、それは昔から知られているオーソドックスなエアゾールタイプだった。こんな所でまで世代間のギャップがあるのか、トホホホホ。

そういえば、昔かかりつけだった耳鼻咽喉科で、妙な形のガラス管(「ネブライザー」と言うそうです)を鼻に突っ込まれたり口にくわえさせられたりして薬を吸入したことがあったっけ。カウンターみたいになっている席で、老いも若きも鼻や口にネブライザーを突っ込まれて「コポコポコポコポ…」と薬がなくなるのをただひたすら待っている状況は、今思うとかなり笑える光景だった。何か、これ書いてたら久々にネブライザーを鼻や口に突っ込んでみたくなってきたぞ(笑)。でも、近所の林がなくなって以来(『母なる自然は性悪女だ。－マーフィーの法則』をご参照のこと)、鼻の調子がすこぶるいいのでしばらくは行くこともなかろう。残念！

今書いていて気が付いたのだが、よく考えたらミサコちゃんて昭和60年10月生まれ…酒飲めないも何も未成年じゃん!?