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守屋武昌が描く物語を正しく読め!

2007年11月16日 13時07分00秒 | 政治
昨日、参議院で行われた守屋武昌前防衛事務次官の証人喚問において、久間章生元防衛大臣と額賀福志郎財務大臣の名が飛び出して世間は大騒ぎである。
世論の感触として受けるのは「守屋もついに観念して真実を語り始めた」という捉え方。「逮捕されるなら逃れる気がない」と語ったり、涙ながらに退職金返納などを申して出て、すっかり「守屋よりももっと悪い人間が裏にいる」という印象を与えた。
ちょっと待て!
海千山千のキャリア官僚は、そんな甘い物ではない。
久間、額賀両大臣の名に隠れて大きく報道されないが、昨日の証人喚問では以下のようなやりとりがあった。「守屋前次官:【詳報】参院証人喚問3」(毎日新聞)より。

浅尾:在任中は知らなかったということだが、退職後、そういう話を久間さんから聞いたことはありませんでしたか。
守屋:私が辞めてから久間大臣に挨拶に行ったが、大臣からそういうことを聞いた記憶もございません。
浅尾:命令系統について。大臣が事務次官を飛び越えて航空機課長に命令するのはイレギュラーでしょうか。
守屋:ものによって命令とか指示とか、大臣で省内でやることについてはいろんな形態がありますから、私はそのことについて承知していませんので、実態を知らないで申し上げることは難しい。
浅尾:私はGE社から防衛省がなぜエンジンを直接買えないのかと考える一人だが、一部の報道では防衛省内で直接契約を行えないか検討したが、守屋さんが難色を示したから実現しなかったといわれているがその事実は?
守屋:少なくとも私が在職中にそういうことを装備局が検討しているとか、経緯を説明にきたとか、記憶は一切ありません。
浅尾:退官して久間大臣を訪ねた時にそういう話は出なかったでしょうか。
守屋:会議が終わって別れ際でしょうか、
「君に言わないでおいたことが一つある。GEと直接契約できないか担当課長に指示した」と大臣から聞いたことがあります。
浅尾:そのことを聞いてどう思ったか。
守屋:私はその当時辞めているのですから、
私に対してどうしてそういう話をされるのかなという違和感を持ちました。

証人喚問で突然飛び出した内幕暴露だ。あれだけ政治家を庇ってきたかのように振舞っていた守屋元次官がこんな詳細に内幕を暴露することこそ相当な違和感を感じる。
ここで宮崎元伸容疑者のプロフィールを見てみよう。宮崎容疑者は、昭和43年の山田洋行設立時から業務に携わり、独自の防衛人脈を駆使し実質的に経営を取り仕切ってきたが、オーナー側と対立して昨年6月退社。多数の部下を連れて日本ミライズを設立した。その際にGE代理店契約も山田洋行から日本ミライズに移っている。いわば山田洋行に対してクーデターを起こしたと見ることができる。
会社独立に際しての妨害工作の噂は珍しくない。

先に引用した守屋証言は、暗にそれを示唆した発言と見ることができる。
すなわち「宮崎容疑者がGE代理店契約を握ったまま山田洋行にクーデターを起こして日本ミライズを設立した。反逆された山田洋行側は、久間大臣らに働き掛けて、日本ミライズ潰しを図った」というストーリーである。このストーリーは、守屋元次官とは無関係な別の政官業癒着が存在していることになる。
自分と宮崎が捕まるなら、他も道連れに……という思惑か?

そもそも防衛利権についてはかねてから様々な噂がある。守屋元次官が就任する前から、そして与党だけでなく野党も含めて。それがどれだけ今回、解明されるかは解らない。
しかし少なくとも「久間だ」、「額賀だ」と大問題が暴露されたかのように大騒ぎするほど底が浅い話ではないのである。

コメント
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