夜の翼

オーディオ、音楽、車、ケータイなど好きなことを気ままに綴るブログです。

JPLAYとHYSOLID

2019-12-22 15:43:50 | オーディオ
PC更新に合わせてJPLAY FEMTOを導入したわけだが、その後JPLAYに騒動が持ち上がった。
日本のJPLAY販売代理人とユーザーとでトラブルとなり、この販売代理人が代理権を失うということになった。
不法インストールを疑った販売代理人がユーザーに対して脅迫紛いのメールを送り、そのユーザーがJPLAY本体にクレームをつけたということらしい。
事実のほどはよくわからないが、結果JPLAYの日本語ウェブサイトがなくなってしまうというユーザーにとってはありがたくない事態となった。
日本語版ホームページの立ち上げと日本での新たな販売代理人探しをJPLAY本体が表明していたので、推移を見ていたところ、
とりあえずJPLAY本体のウェブサイトhttp://jplay.eu/に日本語のページができていた。
販売からトラブルシューティングまでひととおりの内容が掲載されたので一安心といったところ。
日本の販売代理人は新たに指定されておらず、当面本体のウェブページからの購入という形になるようだ。
販売価格は変わらず新規149ユーロ、JPLAY Classicからのアップデートが79ユーロ。決して安くはない。基本的にはクレジットカードでの支払い。

それはそれとして、JPLAYでハイレゾが再生できない問題は解決していない。
ビットレートが高すぎるかもと思い、96kHz/24bitのflacのサンプルを再生してみたが、
相変わらず
 Could not start playback : DAC start failed – Please try setting Bitstream to 24 or 32 in setting panel
というエラーメッセージがでて再生が始まらない。
JPLAY Setting のBitsteamの項目がNativeなので ここを24bit Forceにしても同じ。
以前書いたようにAIMPというソフトだと問題なく再生できる。この場合、接続はWASAPIになっているので、
JPLAYの接続をKernel StreamingからWASAPIに変更しても、やはり鳴らない。
AIMPで再生するハイレゾの音はきれいなのだが、何かつまらない音。魅力的ではない。
AIMPの設定を見直してみると、「再生オプション」という項目でデバイスを選択する項目の下におオプションの項目があり、ここが44100Hzのままになっていた。
デバイスをASIOにして、オプションを192000Hzにすると、おおハイレゾの音になりました。
PCMのかっちりしたきめ細やかな音。PCMは何とかなった。
しかし、DSDを再生するとこのオプションの項目が44100Hzと表示され、ほかの数字を選択できない。
音もそのまま眠い感じ。どうも内部でDSDを44.1kHzのPCMに変換しているのか。
SACDのあの空気感を感じる音を再生したいのだが、それには程遠い。
現状ではCDからリッピングしたWAVファイルをJPLAYで再生した方がいい音に感じる。
音が有機的で、音楽的。聴いていて楽しく、魅力的。

ネット上を探しても有力な情報は出てこない。
ドライバーの問題なのか、そもそもRME製のDACとの相性の問題なのか。
ADI-2DACのドライバーがアップデートされていたので、更新してみても状況は変わらず。
そういえば、以前使っていたDACもRMEのBabyfaceなのでRME製以外のDACで試したことがなかった。
RME製のDACで試せばいいのだが、なかなかそうもいかないので、方向転換。
JPLAYとADI-2DACの組み合わせは諦めて、JPLAY以外のソフトを試してみることにした。
上述の理由でAIMP以外のソフトということになる。
今更foobar2000というのもない。最近Windows版が出たAudirvanaも気になるが、有料ソフトだし、まずは無料でよいものがないか探してみる。
そうするとみつけたのが、HYSOLIDというソフト。
再生ソフトの中でも比較的新しいソフトで国産らしい。
無料とはいっても、ユーザー登録が必要。
コンセプトは「PCに対する負荷を可能な限り低くし、低ノイズ再生を目指す」といことで、PCの電源が入っていればWINDOWSにログインしていなくても再生できるとのこと。
PCインストールする本体のソフトにはコントール用の機能はなく、曲の指定はスマホにインストールする操作用のアプリで行う。
もともとスマホのアプリなどを開発している会社らしい。そういえば以前使っていた再生ソフトWave File Playerも本業は別の会社が開発したものだったなあ。

興味があったのでユーザー登録をして、インストールしてみた。
本体をインストールしたが、ほとんど設定らしい設定はなく、ファイルの保存場所の指定ぐらい。
操作用のアプリもかなりシンプル。ただ使いにくいということはない。
フォルダはアーティスト別、アルバム別に自動的に整理されてしまい、フォルダの階層表示ができない。
フォルダ名を発表順に整理していあるので、個人的には不便。
音を出してみると、これがびっくり。JPLAYと遜色のない音が出てきた。

再生したのは、試聴用にいつも使っているCDリッピングした44.1kHzのWAVファイルだが、非常に鮮度が高い。
残留ノイズ感というか静けさについては、JPLAYを上回っていると思う。
聴きなれた試聴用の曲で今まで聞こえてこなかった演奏者の息遣い(というか鼻息のレベル)とかが聞こえてきたのは、正直驚きである。
HYSOLIDに比べると、ULTRAstremのKernelstreamingで再生するJPLAYはほんの少し霞がかかっているような印象を受ける。
ただ、音色というか音の出方に特徴があり、低音に強調感がある。
ネットの評判は、非常に静かというところは同じだが、音色については逆で、むしろあっさりした感じという意見が多い。
自分の環境では軽いドンシャリ、特に低音が強調されている印象を受ける。
同じ曲をJPLAYで聴いてみると、フラットで自然な印象。
空間表現というか、音の分離感はJPLAYの方が上回っているように感じる。

こんなソフトが無料とはちょっと驚きだが、本来の目的であるハイレゾ再生を試してみる。
PCMの192kHzを試してみると、全く問題なく再生。
スマホアプリには「PCM192kHz/24bit → PCM192kHz/32bit」と表示されている。
出てくる音は、これぞPCMのハイレゾという感じの音である。
再生の方式が気になるが、公式サイトのFAQによるとWASAPIの排他モードかASIOに対応している必要があるらしいが、ADI-2DACはどちらにも対応しているので、どちらになっているか不明。

FLACの192kHz/24bitもノイズが発生することも一切なく再生できた。
どこまで再生できるのか試したら、DACの上限である768kHzまで再生を確認。
ただ384kHz/32bit-floatはノイズまみれで再生できず。
さて問題のDSD。これも2.8MHzはもちろん、DACの上限の11.2MHzまで問題なく再生できる。
出力情報の表示は「DSF2.8MHz/1bit → DSD2.8MHz/1bit」となっている。
曲の開始時にノイズが若干出るが、再生中には発生しない。
音の方は思ったよりは音が硬めかなという印象だが、これはDACの音色が出ているのかなと思う。
PCMと比較するとDSDらしい空気感というか、空間表現はこちらの方がよく出ている。

無料でハイレゾをしっかりとここまで鳴らせる国産ソフトがあることは驚きだったが、とても大きな発見だった。
このレベルの音が出るのなら、ハイレゾ再生はHYSOLIDで決まりである。
だからといってJPLAYの価値が下がるものではない。
このソフトはかなり気難しい面があるが、今音楽ライブラリーのほとんどを占めるCDリッピングのWAVファイルは今後もJPLAYで聴くことになる。

本当はADI-2DACとJPLAYの組み合わせでハイレゾが鳴らせればいいのだが…

とりあえずADI-2DACへのDAC更新に伴うリスニング環境の整備は一段落。
ヘッドフォンはADI-2DACに替えてからHD595ではちょっと物足りない感じになり、ATH-A2000Zの出番が多くなった。
耳が慣れたのか、特定の帯域の強調感もあまり気にならなくなってきた。
まあ、グランドピアノの音が電子ピアノぽく聞こえるのは未だにいただけない。
HD595も10年近く使ってきているので、そろそろHD660Sあたりが欲しいかな。

CDレビュー「METAL GALAXY」 

2019-12-08 10:15:07 | 音楽


30秒のサンプル事前流出に耳もくれず、10月8日には届いたTHE ONE版の「METAL GALAXY」。
仕事中に配達完了の案内が来たので、仕事を早めに切り上げて開封、リッピング アンド 初聴き。

第一印象は、これだけバラエティーに富んだ曲たちなのに聴きやすいという今までに感じたことのない感覚。
セカンドはもちろんファーストとも違う感覚。

このアルバムは2枚組になっている。イメージ的にはアナログ盤の自体には結構見られた対照的なA面、B面というコンセプトアルバム的な構成。
CDは片面だけなので2枚組したという感じで、2枚組にする必然性はなかったように思う。実際、Japan Limited盤でもCD1枚に十分収まる容量だ。
A面相当の最後の曲とB面相当の最初の曲の曲間を多めにしてもよかったと思うがそこはこだわりなのだろう。
半面CD価格が高くなってしまって、CDセールスに多少は影響したように思う。

Disk1はPOPサイド、Disk2はMetalサイド、ざっくりいうとそんな曲構成になっている。
Disk1については思い切ってポップ要素を強くしてきたなというところ。
特に1曲目の「DA DA DANCE」はちょっとやりすぎと思ったが、これぐらいやらないと意外性はないかもしれない。
ただしっかりとヘヴィーなアレンジは施されており、しっかり低音が鳴る再生機器で聴くとただの90年代オマージュではないことが分かる。

今回の3枚目のアルバム、音がいい。間違いなくいい。
それぞれの楽器の音の分離がよい。低音もしっかり出ているが、ファーストのような音圧一辺倒で濁った感じとは明らかに異なる。
これも聴きやすいと感じる要因の1つになっている。
機材も異なるのだろうが、一番は腕の良いミキサーが仕事をしたなという印象が強い。

Disk1で一番印象的なのは「Brand New Day」。
初めて聴いたときは「え、これもうメタルじゃないでしょう」と思ったくらい。
ただ、このギターを弾いているPolyphiaの曲を聴いてみて、これがプログレメタルの範疇に入るならば、メタルになるのかなとも思った。
この曲は、SU-METALのヴォーカリストとしての新たな一面が聴けて非常に興味深い。
この息を抜いた感じ、ブレスをあえて聞かせる歌い方というのは今まではなかったものだ。
歌詞もとてもいい。
「また明日が来るから」
まるでもうBABYMETALのメンバーではなくなった誰に歌いかけているような歌詞。
曲調と相まって本当に清々しくて、ちょっと切ない気持ちにさせてくれる。

フォークメタルやラテンメタル、ゲームミュージックメタル、BABYMETALにもはやタブーはない。

Disk1のなんじゃこりゃ感に比べるとDisk2はこれまでの路線の延長線上にあり、既発表の曲が多いのでDisk1 の後だと、ちょっと安心してしまう。
Disk2で言わなくてはいけないのは、曲のミックスについて。
特に「Kagerou」には驚いた。
この曲を初めて聴いたのは、昨年のRock On The Rangeの映像だと思う。
その時も驚いた。メロディが今まで以上に歌謡曲ぽかったのとバックサウンドがメタルというよりはハードロックだったから。はっきり言って古臭い組み合わせ。
歌詞も初めて直接的に恋愛を歌っているのも今までにはなかった。
アン・ルイスが30年前に歌っていてもおかしくないなという印象。
個人的には嫌いではないのだが、あまりにも現代味に欠ける。
そこでこのスタジオ版。この音はどうだ。
意図的に高音を抑えて、メタリックな印象をなくしている。
低音は分離よく、ぐいぐい前に出てくる。グルーブ感があるというよりはドライブ感といった方がいいだろうか。
重くうねったドライブ感。
結果的に、ほとんどアレンジは変わっていないのに、非常に現代的な音の仕上がりになった。
インタストリアル系という意見もあるが、電子的な音の要素はほぼないのでちょっと違うようにも思う。
とにかくこのベビーなどライブ感と歌謡曲との組み合わせで、切なさを感じるのはなぜ?

あと「Arkadia」のイントロは最高ですね。
Ledaさんいい仕事してます。この疾走感がたまりません。
すでにライブで何度か聴いているものの、今のところ音源の方が好印象というBABYMETALでは珍しいパターンになっている。

現時点でライブで披露されていない曲がJapan Limited盤のみの2曲を除くとあと3曲。
これは近いうちにライブで披露されると思うが、問題はJapan Limited盤のみのに収録された2曲。
特に問題の「B×M×C」。神バンドの出番はないことはないが、かなり少ない。
BabyMetal Cipherの略と思われるこの曲、ライブでやるとすれば3人で輪になってラップするのか。
曲自体は実験的かつ攻撃的。ある意味このアルバムで一番インパクトのある曲だが、
前作「METAL RESISTANCE」の日本版に収録された「シンコペーション」 がライブの定番曲になった用にはならないと思う。
特別なライブで披露される可能性はあるが、これまでもライブで1回だけしか演奏していない曲が2曲あるので、そういう扱いになるのだろうか。

すでにこのアルバム50周以上は聴いている。既発表曲はつい飛ばしがちだが、もう少し早く飽きるかなと思いきや、飽きる気配がない。
フックがあるが、聴きやすい、そして何回も聴きたくなる不思議なアルバム。
でも、これをやってしまったら、次は何をやるんだろうか?

ただ、おまけにつられてTHE ONE盤と初回限定盤の両方を買ってしまったが、7月の名古屋ライブのブルーレイ化が決まったので、結果としてはジャケ買いでSUN盤1枚だけでよかった。
2枚組にせず、通常版の価格を抑えて、種類ももっと少なくてよかったのではないかな。
Japan Limited盤にボーナストラック的な2曲を入れたのは輸入盤対策だと思うが、この辺りを気にしなくていけないのはBABYMETALならではといったところ。

来年1月の幕張ライブは和洋神バンド対決的なライブになるらしい。
THE FORUM方式で、曲替わりでアヴェンジャーズも総出演になる模様。5人同時出演の演出もあるのだろう。
来年はヨーロッパだけでなくアジアツアーも予定されているので、日本を含めたアジアが和神バンド、ヨーロッパは洋神バンドということになるのだろうが、
おそらくセットリストは異なるものが用意される。
ライブ未披露の曲はどちらかに振り分けられて、セットリストに組み込まれるのではないか。
これまでも行われてきたが、1月の幕張はその公開リハーサル的な位置づけになるのだろう。
チケットは1日目しか抑えていないが、和洋の神バンド両方聴きたいDEARH!