夜の翼

オーディオ、音楽、車、ケータイなど好きなことを気ままに綴るブログです。

高齢者向けのテレビ選び~その1

2023-11-28 04:44:44 | 映像

■実家のテレビついに壊れる
15年使った実家のテレビがついに壊れたらしい。
実家に確認に行ったら、映ることは映るものの画面に謎の縦縞が入った状態。
母によると、しばらくテレビをつけっぱなしにしているとその縞模様は消えるという何ともアナログな壊れ方。
テレビは、ソニーのKDL-32F1(2008年製)。
地デジ切替の時に、パナソニックの21インチブラウン管テレビ(1993年製)から買い換えた。
パネルがFHDではなく、HDのハーフパネルの機種だったが、

実家のテレビの場合ソニータイマーはだいぶ長い時間に設定されていたようで、だいぶ長持ちした。

■狭い部屋こそ4Kテレビ
さすがにそろそろ買い換えかということで、母から全権委任を受けテレビの更新をすることになった。
最初は、同じ32インチでもいいかなと思っていたが、もう少し大きい画面でもいいとのことだったので、その上のサイズで後継機種を検討した。

現在32インチより大きいサイズのテレビとなると、40インチのフルハイビジョンか、43インチの4Kになってしまう。
テレビを置く部屋が6畳と狭いため、40インチと大きさに大差なく、視聴距離が短くて済む43インチの4Kにすることにした。

■置き場所はコーナーラックで解決
問題は、その置き場所である。
現在液晶テレビは、ブラウン管テレビからそのまま流用している55センチ幅のテレビラックにその台座をネジ止めで固定されている。
その棚には、ほとんど使われていないブルーレイレコーダーが収めてある。
この液晶テレビはセンタースタンドでスイーベル機能が付いており、画面の向きを変えることができる。
しかし、現在販売されているテレビは、固定式のサイドスタンドのものがほとんどだ。
コストの兼ね合いと、以前に比べて大画面化が進んでいることもあるのだろう。
ともかく現在のテレビラックでは幅が足りず、テレビが載らない。
20年近く使ったテレビラックも併せて更新する必要がある。

最初は画面の向きを変えられるテレビスタンドを考えたが、コーナー寄せで設置した状態だと、

テレビの画面が壁に当たってテレビの向きを変えることができない。
テレビの向きを変えられるようにすると、スタンドの台座の位置をずらす必要があり、人が通る場所に台座がはみ出してしまう。
これでは台座につまずいて危ないので、テレビスタンドは諦めて、コーナー設置用のテレビラックにすることにした。
壁側の角を落として、より壁側に設置できるようにした朝日木材加工のNooKというコーナーラックを見つけたので、それに決定。


幅は100cmで43インチのテレビの幅とほぼ同じだが、現在のテレビラックとだいたい同じ位置に置くことができるため,通行の邪魔にならない。
ただ、このラックの奥行きは30cmとかなり短い。
今時のレコーダーは奥行きが22cmぐらいだし、あとラックに載せるものと言えばサウンドバーぐらいなので、ラックの奥行きは30cmもあれば十分なのだが、手持ちのブルーレイレコーダーが旧式なので奥行きが30cmあるが、これをなんとかラックに収めることができそうだ。

■高齢者向けテレビ選択のポイント
さて、肝腎のテレビをどれにするかだ。
実家の母が見るテレビなので、エントリーモデルで十分だが、視野角とスピーカーについては配慮が必要だ。
このコーナーラックにテレビを置くと、母の視聴位置からしてテレビを45度の角度で見るようになる。
現在の普及型の液晶テレビは、VAパネルを使っているものが多く、斜めから画面を見ると白っぽく見えてしまうものもある。
せっかくテレビを買い換えたのに、今より見にくくならないように、なるべく斜めから見ても色の変わらないテレビを選んでおきたいところ。
どうしても見にくい場合は、卓上用の回転スタンドを使う方法はある。

それ以上に問題なのは、スピーカーである。
高齢の母はそれなりに耳が遠くなっており、テレビの音量は大きくなりがちだ。
バックライトが冷陰極蛍光管からLEDになって以前より薄型になっている液晶テレビの場合、

その配置場所がますます厳しくなっているのが内臓スピーカーである。
スピーカーの向きも下向きせざるを得ず、音という面ではとても厳しい状況にある。
別にオーディオ的な意味で「高音質」である必要はなく、人の声が聞きづらくなければいいのだが、それすらラジカセに及ばないというものもある。
そんな状況に対応して、人の声が聞き取りやすい工夫をしたテレビがいくつか見られる。
スピーカーは人の声が聞き取りやすいものをできれば選びたい。
もしだめなら、思い切って「ミライスピーカー」でも導入するほかないか。


■REGZA M550Mに決定
そんな高齢者向けのテレビの条件を考えて、候補に選んだのがTVS REGZAのM550M。


REGZAなら一番安いC350Xでもいいかと思ったのだが、色の視野角についてはあまりいい情報はない。
東芝のテレビはパネルの種類を非公表にしている。
店頭で実際に確かめてみればいいのだが、近所の店だと置いてある機種がそう多くない上に、画面が映っているものはさらに少ない(電源が入っていない)。
東芝のテレビ部門はハイセンスに買収されて、パネル自体はハイセンスと同じものを使っていると思われるが、そのハイセンスの方はパネルの種類を公表している。
そのハイセンスの現行機種で、M550Mに近い価格帯のもののスペックを調べると、50インチだけはVAだが、

43インチを含めそのほかのサイズは視野角を改善したADSパネルを使っているとある。
実際に店頭でM550Mの視野角を確認したユーザーの情報だと、斜めから見た場合50インチと43インチとの見え方に明らかに差がある(50インチの方が白っぽくみえる)との情報もある。

スピーカーについては、テレビの薄いフレームにスピーカーユニットを直付けしているものが多いようだが、

550Mの場合、一応スピーカーユニットは専用のキャビネットというかボックスに取り付けられているらしい。
見た目はプラスチック製でとても「スピーカーキャビネット」とは言いがたいように見えるが、

まあ現在のテレビのスピーカーとしてはマシな方なんだろう。
音の設定でも、人の声がはっきり聞こえる「クリア音声」という設定が選べるようだ。

予算は、ラック代、リサイクル代を含めて10万円以内に収まるのが希望だが、東芝の他の候補としてはパナソニックのTH-43MX800ぐらいだろうか。
パナソニックの方は至って普通。
購入条件の視野角とスピーカーについて取り立てて特徴としてアピールされていないから、まあ普通なんだろう。
M550Mのほうは、発売されたばかりで価格が高かったが、ここにきて価格が下がったので、M550Mを購入することにした。

ちなみにこのM550Mという機種は、発売直後だからなのか、あまり人気のない機種だからなのか、流通の問題なのか、

いわゆる現金一括支払しかできないバッタ屋の取り扱いが少ない。
価格.comでみると、大手量販店(のECサイト)が最安値で並んでいるというちょっと不思議な商品である。
配送設置をしてくれる大手量販店の中から、家電リサイクルを複数台引き受けてくれるところを選んで購入した。
壊れた液晶テレビの前に使っていたブラウン管テレビもまだ処分せずあったので、2台まとめてリサイクルに出す必要があった。


Qobuz~準備編

2023-11-12 04:44:44 | オーディオ

■音楽の聴き方を変える

音楽を聴くのが好きだ。

その聴き方については、聴き始めた頃と意外と変わっていない。

FMラジオのエアチェックから始まったが、円盤を買えるようになってからは

円盤中心の聴き方が続いている。

レコードの時代はさほど長くなく、ずっとCDということになる。

10年ほど前に、CDを直接聴く方法からリッピングした音源を聴くファイル再生に移行して現在に至っている。

ファイル音源をダウンロード購入することもあったが、mp3などの不可逆圧縮音源は音が悪いため基本的には利用せず、CDクオリティ以上の音源にしていた。

ただし、DACはハイレゾに対応しているはずなのに、つい最近までハイレゾ音源が再生できなかったため、

結局CDリッピング音源を聴くことがほとんどだった。

結局、ファイル再生に移行してからもCD中心の状況は変わらず。

 

そして、今やストリーミングが主流となりつつあるが、そのほとんどが圧縮音源のため、利用する気になれない。

海外ではTIDALやQobuzなどのハイレゾストリーミングサービスが提供されていたものの、国内では正式にサービスが提供されていなかった。

しかし、ついにQobuzが国内でサービスを開始する。

しかも、ハイレゾ音源のダウンロード販売で実績のあるe-onkyoを買収しての参入である。

 

これを機に音楽の聴き方自体を変えようと思っている。

基本はストリーミングで聴いて、気に入ったらダウンロード購入する。

音楽に限らず、ネットコンテンツの怖いところは、いつネット上から消えてなくなるか分からないところだ。

お気に入りの曲はローカルで保存しておきたい。

当然ストリーミングサービスで配信されていないものやダウンロード販売していないものは、これまでどおりCDをリッピングして聴くことになる。

CDの収納場所も限界を迎えつつあるので、今後はなるべく場所をとらないような聴き方にしたいということもある。

ただ、これってレンタルCDで聴いて気に入ったらCDを買うのと大して変わりがないことに気づいた。

あるいは、オンデマンドの高音質ラジオを聴くようなものなのかもしれない。

 

 

■ハイレゾストリーミングサービスの選択

さて、ハイレゾストリーミングサービスを利用するに当たっての条件を整理してみると、

①邦楽も含めたコンテンツであること

②音質はCD(44.1kHz/16bit)以上のものであること

ということになる。

 

個人的に①の条件は外せない。

いわゆる洋楽だけを聴くわけではないからだ。

だから、国内向けサービスを提供していないTIDALは利用するつもりがない。

②については、ハイレゾストリーミングサービスとはいえ、全ての曲がハイレゾとは限らないので、非ハイレゾ音源の標準音質はCD以上でないと困る。

 

という条件を考えると、第1候補はQobuzになる。

e-onkyo musicを取り込んでダウンロードサービスと統合される予定ということなので、自分の聴き方にぴったりだ。

このほかに条件に合うサービスはないかなと思っていたら、Amazon Music HDというのがあるじゃないですか。

料金は抑えられているが、HDつまりハイレゾでどんな曲が提供されているのかちょっと分からない。

また、対応する機器の種類が少なく、コントロールアプリが使いにくいものが多いという評判なので、

現時点ではQobuzが使えないときの押さえといったところだ。

 

 

■ハイレゾストリーミングサービスに必要なもの

ハイレゾストリーミングサービスを利用するのに必要なものを整理してみる。

第1候補のQobuzは、プランの詳細などようやく国内サービスの全容が明らかになってきた。

プランについては、海外サービスと同様だった。

①ダウンロードの割引の有無

・Studio:ストリーミングに加えハイレゾダウンロード(定価)が利用できるプラン

・Sublime:ストリーミングに加えハイレゾダウンロードが最大60%OFFになるプラン

②利用できるアカウント数:ソロ(1)、デュオ(1+1)、ファミリー(1+5)の3種類

この2つの条件の組み合わせになる。

Studioプランは年払いのほかに月払いも選択できるが、Sublimeプランは年払いのみ。

なお、各プランでストリーミングサービスの内容に差はない模様。

 

まずは、スタジオソロの月額プランで様子を見ることになるが、その料金は月額1480円(年間プランの月額換算だと月額1280円)。

スタジオソロの海外サービスの料金からすると、昨今の円高を反映してもっと高くなるかと思いきや、意外と戦略的な価格にしてきた。

この辺は、現在国内で唯一利用できるハイレゾストリーミングサービスであるAmazon Music HDを意識しているものと考えられる。

(Amazon Music HDは月1080円(Amazon Prime会員は980円))

この価格なら、自分の場合はハイレゾダウンロードもできるQobuz一択になるだろうか。

 

あとは利用環境だが、デスクトップ用(Windows/Mac)、スマホ・タブレット用(Android/iOS)の専用アプリが用意されている。

PC利用の場合、ブラウザで直接聴くこともできるようだ。

自分の場合は、デスクトップ用のアプリを利用することとなるが、現在使用しているプレーヤーソフトTuneBrowserのようにASIOに対応していれば、

現在と変わらずDiretta経由で再生できるので他に機材はいらない。

ハイレゾを売りにしているストリーミングサービスのデスクトップアプリがASIOに対応していないとは考えたくないが、果たしてどうだろうか。

 

Qobuz純正のデスクトップアプリがASIOに対応していない場合は、Direttaが使えないので、

Qobuzに対応したネットワークプレーヤーかネットワークトランスポートを使うことになる。

RMEのADI-2 DACというDACを既に持っているので、このDACにネットワークプレーヤートランスポート(DACなし)を追加するのがいいようだ。

 

PCオーディオのための機器としては、USB-DACはかなり一般的になっており、種類も多く、幅広い価格帯から選ぶことができる。

それに対して、ネットワークオーディオ用の機器はそこまで一般的ではなく、デスクトップオーディオ用となると選択肢がかなり狭くなる。

現在考えている選択肢は3つ。

 松:SFORZATO DST-Lacerta

 竹:ifi-audio ZEN Stream

 梅:Linplay WiiM Pro

 

ZEN Streamは、出力端子はUSB以外にS/PDIF同軸とWi-Fiがあり、TIDALとQobuzに対応している。

Amazon Musicには対応していないが、ROON Readyの認証はとっている。

 

ストリーミングサービス(ほぼ)専用のストリーマーなので、これで決まりかなと思っていたら、SFORZATOからDST-Lacertaが登場した。

ハイエンドネットワークオーディオ機器を扱うSFORZATOとしては、サイズも価格もかなり「リーズナブル」。

出力はUSB専用であるものの、TIDALとQobuzのほかに、Amazon Musicにも対応している。

ROON Readyは未認証ではあるが、一応ROONで使えるらしい。

さらに、汎用PCではなく専用のオーディオ機器としてDiretta Targetにもなる。

機能的には(たぶん音質的にも)申し分ないが、価格はZEN Streamの倍以上だ。

 

LinplayのWiiM Proは非常に多機能で、ほぼ全てのストリーミングサービスに対応し、ROON Readyの認証までとっている。

入出力端子の豊富で、デジタル入力端子もあるし、DACも搭載しているのでアナログ出力の機能もある。

しかも、価格は圧倒的に安い。

まあ、オーディオ機器というよりはガジェット的な立ち位置の機器ではあるが、とりあえず導入するのをためらわない機能と価格が魅力だ。

 

自分の場合、PCのLANポートとDACの入力端子がそれぞれ複数あるので、既存のDiretta Targetとネットワークトランスポートとの併用が可能となる。

Direttaの効果がとても大きいと感じているので、Direttaをやめることは考えていないが、

どの機器を選択したとしてもストリーミングコンテンツをDiretta経由で聴くことはできない。

Direttaは、現在と同様ローカル音源の再生専用となる(と思っていた)。

 

■ROON with Qobuz という選択肢

しかし、である。

ROONを使えば、ネットワークトランスポートを導入しなくともQobuzをDiretta出力できることが分かった。

 PC(ROON with Qobuz) →(LAN)→ Diretta Target PC →(USB)→ DAC

 

Qobuzのデスクトップアプリを使うのではなく、ROONにQobuzのストリーミングライブラリーを取り込んで

ROONの中でストリーミングデータとローカルデータを統合してしまう。

この構成の場合、PCがROON CoreとROON Outputを兼ねるので、ROONの伝送プロトコルRAATの恩恵に預かることはできないが、

PCがDiretta HostとなってROONの出力先としてDiretta Targetを指定することができる。

何ならROONのレンダラーとしてJPLAY Femtoを使うことも可能かもしれない。

(ROONでは、自前のレンダラーの他に一部の外部レンダラーを使えるらしい。)

 

この構成なら、新たなハードを追加せず現行の機器のままでOKだ。

ROONも月単位で契約できるので(利用料はかなりお高いものの)、ネットワークトランスポート購入前に使ってみることができる。

Qobuzには無料のお試し期間があるようなので、この間にROON+Qobuz+Direttaの運用を試してみることにしよう。

 

ということで、

 ① QobuzのデスクトップアプリでDiretta出力ができるかどうか確認する。

 ② ROON with Qobuz+Direttaをとりあえず試してみる。

 ③ ①及び②で問題があればネットワークトランスポートの導入を考える。

ということにしようと思う。

 

ついに、長年続いてきた円盤中心の音楽鑑賞スタイルとお別れできるのだろうか。


PCの電源トラブルは続く

2023-11-05 06:06:06 | オーディオ

□解決していなかったPCの電源トラブル

 

後付けしたデュアル電源キットをPCから取り外し、

標準のシングル電源に戻して解決したかに見えたPCの電源問題。

実は、まだ解決していなかった。

TuneBrowserを導入し、気持ちよく音楽を聴きながらウェブブラウザを操作していたところ、

確かに開いているタブの数は多かったのだが、タブ操作をしようと思ったら、突然PCの電源が落ちた。

ここからまたPCが復旧しない。

PC用のアナログ電源のACケーブルとDCケーブルの抜き差しをしてもだめ。

PC側のDCケーブルの抜き差しもしてみたが、これも効果なし。

アナログ電源のLEDランプは付いているのだが、PCの電源が一向に入らない。

解決しないので、とりあえずその日は寝てしまった。

 

次の日、デュアル電源キットを交換したときのことを思い返し、PC付属のACアダプターを接続してみた。

そうするとあっさりとPCの電源が入り、何事もなくWindowsが起動した。

PCの起動と動作を確認した後に、アナログ電源に切り替えると、

今度は問題なくPCの電源が入る。

 

原因は何なのか?

UEFIの設定でCPUのターボブーストはOFFにしてあるから、PCの消費電力に問題はないはずなのだが。

秋になり、だいぶ室温も下がってきたので、冷却不足のオーバーヒートということでもなさそうだし、

またWindowsバックグラウンドで負荷の大きいプログラムが自動で走り出したのか?

 

 

□対策はCPUクロックダウン

 

ともかく対策をしなくてはいけない。

電源容量のみを考慮するのならば、アナログ電源は諦めて、

PC付属のACアダプターにしてしまうというのが最も安全な方法だ。

これならCPUのターボブーストもONのままでいいかもしれない。

しかし、PCの電源としてアナログ電源を使ったときの効果の大きさは捨てがたい。

 

そこで、以前も試したCPUのクロックダウンを試みることにした。

Windowsの電源オプションで、CPUのクロックの最大値を下げるだけである。

この方法は、Windows10の時にも試している。

ただ、Direttaを使っていないときは確かにCPUのクロックは下がるのだが、Diretta経由で音楽を再生した途端に、

この設定がキャンセルされ、CPUの全コアが定格の2.8GHzに固定されてしまう。

クロックが固定され、CPUの使用率だけが変化している状態だ。

これでは、瞬間的にCPUの使用率があがってしまうと、あっさり電源容量をオーバーする可能性があり、

対策にはならないので、そのときは諦めた方法だ。

果たしてWindows11ではどうか。

 

 

□Windows11でのクロックダウン

 

CPUのクロックは定格の75%に設定した。

この設定だとCPUの定格が2.8GHzなので、2.8GHz×0.75=2.1GHzが最大になるはずだ。

定格使用時のCPU使用率は最大で20%程度になっているが、

これが勝手に走り出すPC負荷の高いプログラムのせいで、

CPU使用率が一瞬でも80%以上になってしまうと、

消費電力がアナログ電源の容量12V5A=60Wでは不足する。

 

定格2.8GHz使用時のTDPが65WのCPU(Corei5-8400)なので、CPUクロックを75%に落とせば、

65W×0.75=48Wとなるため、CPU以外の部分の消費電力を考えてもなんとかなりそうだという計算である。

 

電源オプションでこの設定を行うと、通常時はCPUのクロック上限が計算どおり2.1GHzになっている。

それを確認したところで、Diretta経由で音楽再生。

すると、CPUのクロックは、全コア2.1GHzと表示されたまま動かない。

CPU使用率の方は、クロックダウンした分上がっているが、音楽再生のみだと10%に満たない水準だ。

ここで、PCの電源が落ちたときと同じように、ブラウザでタブをたくさん立ち上げてみた。

タスクマネージャーでは、CPU使用率が最高で75%まではね上がる。

PCの消費電力の方は瞬間的に40Wになるが、タブを開いてしまえば20W程度で落ち着いている。

これなら、バックグラウンドで勝手にプログラムが走り出しても、消費電力が電源容量を上回ることはない(たぶん)。

 

以前Windows10で試したときは、CPUのクロックダウンがDiretta使用下では無効になっていたのだが、

なぜかWindows11になったらクロックダウンの設定が有効のままになっている。

OSが変わったためなのか、ターボブーストOFFの設定をWindows上ではなく、UEFIで行ったためなのか、よく分からない。

まあ、とにかく結果オーライである。

クロックダウンをしたので、PCの動作が若干重いというか、もっさりした感じになっており、

ブラウザで新しいタブを開くときは一瞬待たされる感じはあるが、特に使いにくいというほどではない。

 

 

□標準のPC用ACアダプターの音を再確認

 

これで完全解決!ということではないが、とりあえずこれで行けそうだ。

これでもだめなら、電源を標準のACアダプターに戻すしかない。

しばらく、標準のACアダプターを使っていなかったので、現在の再生環境でPC付属のACアダプターを使った場合の音を確認してみよう。

 

再生環境は、TuneBrowserを使った最新の環境で、電源のみをELSOUNDのアナログ電源からACアダプターに替えて比較してみた。

【最新の再生環境】

Windows11+TuneBrowser+NET Card Femto→(LAN)→Diretta TargetPC→

→(USB)→ADI-2 DAC→ZEN DAC Signature 6XX→HD6XX

 

その結果、想像していたより差を感じない。

確かにアナログ電源の方がいいのだが、その差は初めてアナログ電源を入れたときほどの差はない。

ブラインドで聴いたら、ちょっと分からないレベルかもしれない。

PC付属のACアダプターの方がやや音が曇ったというか、くすんだような印象を受けるが、音場の広さなどはアナログ電源と変わらない。

 

その要因を考えてみると、まずはヘッドフォンがリスニング向きのHD6XXになっていし、アナログ電源を入れたときはDiretta導入以前だ。

アナログ電源を入れた当時の環境に戻して比較すればいいのだが、Windowsもアップグレードしているし、

もはや完全に元の環境に戻すことができないので、可能な限り以前の環境に近い形にして、改めて確認してみた。

 

【アナログ電源導入時の再生環境】

Windows10+JPLAY+USB Card Femto→(USB)→ADI-2 DAC→ATH-A2000

 

【比較用の再生環境】

Windows11+JPLAY+NET Card Femto→(LAN)→Diretta TargetPC→

→(USB)→ADI-2 DAC→ATH-A2000

 

その結果、やはりDirettaの効果は大きいようだ。

最新の再生環境で聴いた時と同様に、アナログ電源導入時ほどの大きな差は感じない。

ただ、最新の再生環境で聴いた時よりはACアダプターとの差があるように思える。

比較用の再生環境で久しぶりにヘッドフォンATH-A2000で曲を聴いたのだが、

録音状態の良いソロ楽器の演奏を聴くとかなりいい。

音の出方はHD6XXとは当然異なるが、

くっきりとした音調でオーディオ的な気持ちよさがある。

ところが、これが楽器の多い曲になるとちょっとうるさく感じてしまう。

これはPC付属のACアダプターの方でより強く感じる。

PC付属のACアダプターだとやや曇った印象になるのは最新の再生環境と同様だが、

わずかにノイジーな感じも伴う。

 

電源の差について確認するつもりだったが、

それ以前にヘッドフォンの音の違いが気になって仕方ない。

特に歌物で、ボーカルに付帯音とは違うがHD6XXでは感じない余計な音を感じる。

バスドラムの音は控えめになり、ボーカルをマスキングすることはないが、シンバルの音が割れ気味に聞こえる。

以前から感じていたことではあるが、ATH-A2000では特定帯域が強調され、やや人工的な感じ音になることがHD6XXとの比較ではっきりしてしまった。

ハッキリ言うと、あまり曲を選ばす、気持ちよく音楽が聴けるのはHD6XXの方である。

 

PCの電源の差を比較してみたら、Diretta経由にすることによりPCとDACが直接接続されていないためなのか、

PC電源の音に対する影響が弱まる結果となっている。

現状の機器構成でなんとかなるうちは、アナログ電源を使うつもりだが、

PCの更新等でアナログ電源では容量不足になった場合には

無理して高価なアナログ電源を入れるよりは、GaNのACアダプターであれば

そう大きな影響はなさそうな気がする。

 

PC付属のACアダプターでも使い物にならないほど悪くはないことを確認出来てよかった。

いろいろな意味でDirettaとWinodws11の導入は良い結果となっている。