夜の翼

オーディオ、音楽、車、ケータイなど好きなことを気ままに綴るブログです。

BusPower-Pro導入

2012-02-26 22:28:51 | オーディオ
オーディオ雑誌を眺めていたら、気になる製品を発見しました。
M2TECH社のhiFaceのチューニング製品Hi-Face Professionalで知られているオーロラサウンドから発売されているBusPower-Proというものです。


「PCのUSBバスパワー電源を高品質安定化電源に置き換え」るというもので、
PCにつながれているUSBケーブルからは音楽信号のみをDACに流し、
電源は別途トランス式ACアダプターからとって、バスパワー電源と置き換えるというものです。
USB-DACでバスパワー専用というものは意外と多く、現在使っているBabyfaceもそうですが、
以前使っていたFOSTEXのHP-A3もそうです。
Babyfaceについては、完全なバスパワー専用のDACなので、電源強化は諦めていたのですが、
これならいけそうです。
Hi-Face Professionalもバスパワー専用なので、Hi-Face Professional用の電源として開発されたBusPower-Proなので、Hi-Face Professionalの価格とのバランスから価格もかなりリーズナブル。
見てお分かりのとおり、ケースはまんまHi-Face Professionalのものと同じですし、
出力側はUSBコネクターではなく、短いUSBケーブルが直出しになっているのもコスト対策でしょう。

BusPower-Proの対応製品を確認したところ、Babyfaceも正式に対応したばかり。
なんでも当初の仕様では、使用30-40分後にBusPower-Proの電流制限の保護回路が働いて電源をシャットダウンするという現象がみられたとのこと。
それはそうでしょう。Babyfaceの消費電力は3.6Wとなっています。
USB2.0のパスパワーの電源供給能力の規格は、5V500mAですから、2.5Wは超えられないはず。
何かBabyfaceの仕様が間違っているような気もしますが、3.6WといってもMAXでしょうから、
実際Babyfaceを使っていても電源供給不足になったことはありません。
バスパワーのくせに(この手の製品としては)電気食いなBabyfaceの仕様が
BusPower-Proの保護回路に引っかかってしまったようです。
ただこの点は、BusPower-Proの電流制限値を見直して、問題解決となったようです。

「渡りに船」とはこの事なり。
すぐにBusPower-Proを販売しているところを探しました。
ありました。意外なところに。ヨドバシ.com。
しかも、定価販売が多い中かなり安い。さらに送料無料。
久々に速攻ポチリになりました。熟慮してからものを選ぶ方なのですが。

在庫があったようで、すぐに到着。
本体とACアダプターはそれぞれ別の白い箱に入っていたのですが、
ACアダプターの箱を開けてみると、箱の中に「警告」と書いてある注意書きの紙が入っていたのですが、
それには「アイコー電子株式会社」と書いてありました。
調べてみると、トランス式のACアダプターを国内で生産しているのはこの会社ぐらいのようです。
そのACアダプターはVSM-95という型番で、なぜか出力は9Vで500mA。
5Vの間違いかと思いましたが、どうもBusPower-Pro本体に組み込んだ回路が電気を消費しているようで、電源を入れると本体が結構あたたかくなります。
このACアダプターは単体で購入できるようで、実売は1000円程度。
ACアダプターとしてはごく普通のもので、ACアダプターをもっと良いものして欲しいという要望があるのもわかります。

さて、早速接続して音出しです。
接続はPCのUSBケーブル(AudioquestのCarbon)とACアダプターをこのBusPower-Proに接続し、BusPower-Proから直出しの15cmほどの短いUSBケーブルをBabyfaceに挿します。
BusPower-Pro本体には青いLEDの電源ランプがついていますが、けっこう眩しいですね。
試聴環境は、相も変わらずWavFilePlayerExperimentalにHD595です。
まず、すぐ分かったのは音が太くなっていること。まさに「太くなった」という表現がぴったりの変化です。
その代わり解像度が抑えられた気がしますが、聴きやすくはなっています。
低音がぐっと厚みを増した感じです。
楽器だとドラムスが良い感じで、それにボーカルが前に出る傾向になるようです。
しかし、前評判ほどの効果は感じられず、こんなもんかなと、ちょっと残念な印象でした。
特に音の広がりが以前ほどと感じられなくなったような気がしました。

ところが、通電したまま1日おいて聴いてみたところ、印象が一変。
以前のキレと解像度が戻ってきました。
低音の厚みはそのままで、若干高域が抑えられた感じも解消していました。
何よりも以前若干感じていた刺激的な成分がほぼ一掃された印象で、
その効果はボーカルに特に感じられます。
歌が生き生き歌うようになった、とでも言えばいいのでしょうか。
録音のあまり良くない曲でもその効果が感じられるので、とてもよい傾向です。
鬼束ちひろの東芝時代のアルバムは、曲はとてもよいものの録音ががっかりするほど悪い。
レンジは狭く、音が濁って暗い。音に色彩感が感じられず、完全なモノクロームの世界。
それが音に明るさが感じられるようになり、極彩色とまではいかないものの音に色彩感が出てきました。
何より鬼束ちひろのボーカルが生き生きと「歌う」ようになってきたこと。
また、こういうのを音の重心が下がったというのでしょうか、
単に低音の量の問題ではなく、低域の厚みが増し土台がしっかりしてきたため、
オーディオ的に良くなったというより、音楽的にとても良くなりました。
安定感が増し、あまり「音」を意識せず、「音楽」に没入出来る環境に少し近づいたような気がします。

この状態でもBusPower-Proの効果はかなりのもので、コストパフォーマンスはよいです。
価格的にはHi-Face ProfessionalやHP-A3ぐらいまでなら十分導入する価値があると思います。
やはり気になるのはACアダプター。
これをオーディオグレードに替えたらどうなるのかというのは気になるところです。
オーディオグレードのDC電源というのは、あることはあるのですが選択肢が少ないですね。
あっても結構値段の張るものが多いですし。
ところがこのBusPower-Proが掲載されていた雑誌にちょうど良い物を見つけました。
CAPRICEが話題になっているFIDELIXという会社でACアダプターキットを売っているらしいのです。
商品としてではなく自分用に作ったらしいですが、結構引き合いがあったのでキット形式で販売しているらしいです。
もちろん非スイッチング式で、この会社で開発したオーディオ用の3端子レギュレーターを使っているのが特徴です。
キット形式とはいっても、半完成品をネジ止めするだけのもので、電圧も選べますし、
なんといってもこの手のACアダプターとしては価格がリーズナブル。
VSM-95の置き換えとしては、6Wクラスのものがちょうどいいようです。
電源スイッチも付いているので、常時通電していると結構熱を持ってパーツの消耗も気になるBusPower-Proにはちょうどいいですね。
ただ、BusPower-ProをBabyfaceにつないだまま、ACアダプターの電源を入れるとヘッドフォンからすごいハムが出て、Babyfaceのシグナルメーターが振り切れるという誤作動が出るので(先ほど分かりました)、
このスイッチが使えるかどうかは今のところ不明。
BabyfaceでBusPower-Proを使うときは、ACアダプターを電源につないでからBusPower-ProのUSBケーブルをBabyfaceに挿すようにした方が良いようです。

BusPower-ProにFIDELIXのACアダプターが使えるかどうかを現在問合わせ中です。
果たして使えるのかな?


フロクのアンプ(その6)~LXA-OT1でハイレゾを聴く

2012-02-11 12:59:48 | オーディオ
LXA-OT1のスピーカーケーブルをベルデンからカナレの4S8に替えたのですが、
やはり太いケーブルをスピーカーターミナルに無理やり押し込んでいるのが気になったので、
当初の予定通り4S6に替えました。1m126円です。安すぎます。
それで4S8にときはあれほど苦労したケーブルの皮むき作業ですが、
4S6は通常のスピーカーケーブル同様あっさりと作業が終わりました。
被膜の材質自体は変わらないと思うのですが、単純に芯線が細いためのようです。

そして、音出し。
4S8よりさらにマイルドになりました。高音の耳に痛い感じは、かなり緩和されたようです。
逆にちょっとおとなしすぎて物足りない感じさえします。
ただ、LXA-OT1との相性は4S8よりいいようで、価格的にもバランスがいいと思います。
しばらくは、この組み合わせで行きます。

さて、そうこうしていると、BabyfaceなどRME製品の総販売元であるSynthax Japanから郵便が届きました。
すっかり応募したことすら忘れていたのですが、
RME製品の登録ユーザー向けのキャンペーンのプレゼントに当選してしまいました。
くじ運が悪いことには定評がある自分ですが、珍しいこともあるものです。
届けられたのはCDです。


HRレーベルから出ているもので、北村憲昭がスロバキア・フィルハーモニー管弦楽団を指揮したベートーヴェン:交響曲第7番とヨハン・シュトラウスII世の「皇帝円舞曲」です。
これがSACD HybridとDVD-ROMの2枚組になっています。
DVD-ROMの方にはSACDと同じ音源ですが、24bit192kHzのWAVと1bit5.6MHzのWSDが収録されています。
さらに、WSDの方はワンポイントマイクを使った録音(こちらは1bit2.8MHz)も併せて収録されています。
同じ音源をCDプレーヤーとPC両方で聴き比べができるという趣向のCDのようです。
CDの方は通常通りExactAudioCopyを使ってリッピングをしました。
まずは、ヘッドフォンで聴き比べ。ヘッドフォンはいつものHD595です。
ハイレゾの音源を聴くときに一番問題なのは、プレーヤーソフトです。
無料のソフトではこれといったものがないんですよね。
とりあえずWSDを再生できるソフトが現状ではAudioGateしかないので、これを使います。
WSDとWAVの両方を聞きましたが、なんかぱっとしない。
WaveFilePlayerで聴く16bit44.1kHzのWAVとほとんど変わりがない。
ちゃんとASIOドライバを使っているんですが、多少解像度が高いかな、という程度。
WSDとWAVの差もあまり感じられず、WSDの方が多少柔らかいかなという感じ。
あまり差がないので、プレーヤーソフトをLilithに替えて再度試してみると、
おお、これはなかなか良いです。
ハイレゾの高解像度、音数が多く、細かいところまでよく聞こえるという特徴がでるようになりました。
これなら、WaveFilePlayerで聴く16bit44.1kHzのWAVと大差がないということはありません。
ただWAVの特徴なのか、色鮮やかで鮮度が高いのですが、多少音が硬く感じられます。
この辺は、音に柔らかさのあるDSDの方が好みです。

シンフォニーのような多くの楽器を使う音楽だとハイレゾ音源は威力を発揮しますね。
ハイレゾを聴いてから通常のWAVを聴くと、音が平面的というかのっぺりとした印象を受けます。

さて、せっかくですからスピーカーでもハイレゾを聴いてみます。
これは、やはりというか当然というかヘッドフォンほどの差を感じることができません。
さすがに使っているNS-10MMTでは限界があります。
圧倒的な低音不足なので、オケを聴くにはかなり向かない環境です。

今回改めて思ったのは、AutoGateの音の悪さ。
全般的に帯域が狭く感じられるうえに、音が濁っている感じがします。
これはなんとかならんもんですかね。せっかくのDSD音源がもったいない。
DACでもDSD音源のネイティブ再生に対応してるものもちらほらでてきたので、
今後に期待というところです。

さて、そろそろLXA-OT1のリアパネルが到着するころなので、
リアパネルの装着に合わせて、LXA-OT1チューニング(といって大したことやってませんが)の総仕上げをやりますか。