■固定電話機に着信しない
今は固定電話を使っていない家も多いと聞くが、我が家は未だに固定電話を使っている。
通信が光なのでメタル線ではなく、ひかり電話にして基本料金を抑えている。
電話機は2002年製のパナソニックVE-PVC01L。
購入から既に20年が経過しているが未だ現役。
PHSを子機登録できるので、わざわざこの電話機に買い換えた。
その後子機登録できるPHSが消滅してしまったので、子機なしで使っていたが、
スマホのアプリで光回線のONUに子機登録できることを知り、機種変更後の古スマホをWi-Fi専用にして固定回線の子機として使っている。
ところが、最近固定電話機の方に着信しないことが多くなってきた。
おかしいなと思って確認してみると、ONUの設定自体に問題はなく、いつの間にか固定電話機の電源が落ちていることが原因だった。
付属のACアダプターをコンセントから抜き差しすると、その時は電源が入るのだが、
一晩するとまた電源が落ちているという、なんともアナログ的な壊れ方をしている。
■壊れたのはACアダプター?
固定電話機自体が壊れたのであれば、全く電源が入らなくなると思われるが、電源が入るということは、ACアダプターの方があやしい。
断線の可能性は低いが、とりあえずテスターで電圧を確認してみた。
出力がDC11V350mAという仕様のACアダプターだが、電話機の電源が落ちている状態でACアダプターの電圧を測ってみると、13.5Vぐらい。
無負荷ということを考えると、ちょっと電圧が低いのか。
電圧測定後にACアダプターを電話機につなぐと、やはりその時は電源が入る。
しばらくそのままで様子を見ると、2時間ぐらい経つと電源が落ちてしまう。
電話機本体の電源故障なら、単に電源が入らなくなるだけだと思われるが、電源はいったん入るものの、
そのまま放置すると電源が落ちるのであれば、やはりACアダプターに問題があるのか?
■DC11VのACアダプターって…
ACアダプターの寿命を調べてみたが、一般的には5、6年と思っていた以上に短い。
この電話機のACアダプターは、自分の家にあるACアダプターの中でぶっちぎりの高齢であるので、何か問題が出たとしても不思議ではない。
ということで、とりあえずACアダプターを更新することにした。
出力電圧が「11V」のACアダプターを探してみたが、これがなかなか見つからない。
12VのACアダプターならば汎用のACアダプターがいくらでもあるが、11VのACアダプターとなると見つけることができない。
12VのACアダプターでもおそらく大丈夫だと思うが、わざわざ11VのACアダプターが付属しているということがちょっと気になる。
純正品はどうかと思って、このACアダプターの型番でネット検索すると、後継機種がヒットした。
パナソニック純正で適応機種にVE-PCV01Lの名前もある。
純正品ということもあって汎用のACアダプターと比較すると価格は少々高い。
VE-PVC01Lと同等の機能の新しい電話機の実売価格を考えると、電話機自体を更新した方がいいような気もするが、
PHSのレガシー電話機をまだ残しておきたい気持ちが勝っているので、純正のACアダプターを購入することにした。
ただ、あまり数の出ない純正部品なので、一般的なECサイトでは取り扱いはあるものの送料を加味すると、
パナソニックの直販サイトの方が安くかったので、久しぶりにパナソニックの直販サイトから購入することになった。
■新品ACアダプターではどうか
新しいACアダプターが自宅に届いた。
中身を確認すると、本体は若干コンパクトになっている。
早速電話機に接続して動作をチェックすると問題なく電話機の電源が入る。
3時間ほど経過しても電源が落ちることはなかったので、やはりACアダプターの故障かと思った。
しかし、それから数時間してふと電話機に目をやると、電源が落ちている。
こうなると、ACアダプターの問題ではなく、電話機本体の寿命らしい。
調べてみると、電話機本体の電源減周りに使われているコンデンサーの経年劣化のようだ。
20年以上もったのはいい方で、もう少し早くこの症状が出て使えなくなった例もあることが分かった。
通信機器は比較的長寿命とはいえ、通常家電を20年も使い続けることはないので、
いったん電源は入るがその後電源が落ちるという症状には初めて遭遇した。
■電話機をリニューアル
こうなると自分で修理してまで使うつもりもないので、新しい電話機が必要だ。
固定電話機でスマホ+電話アプリで済ませてしまうという手もあるが、留守番電話にしておくことが多いので、やはり通常の固定電話機が使いやすい。
固定電話自体使っている人が少なくなっているうえに、固定電話のメインユーザーの高齢者層は電話機単体ではなく、
ファックス付きを使う傾向があるため、電話機単体のラインナップは以前に比べてかなり少なくなっている。
固定電話機メーカーもパナソニックとシャープくらいになってしまった。
もはや固定電話機にほとんどこだわりがないので、価格で選んで、パナソニックのVE-GD27DLにした。
発売は少々古いが、機能的にも十分と判断した。
今まで付いてなかった子機付きで、実売価格もこなれている。
スマホを固定電話機の子機代わりに使っているが、固定電話機が子機付きになったことで、少なくともひかり電話の方はスマホのアプリで使う必要はないが、
スマホの電話帳が使えるのでそのまま使うことにしよう。
あとはぷららのIP電話「ぷららフォン for フレッツ」の方はスマホアプリでしか受信できないので、こちらも当然継続だ。
■新しい電話機をセットアップ
届いた新しい電話機パナソニックのVE-GD27DLだが、箱を開けてみた感想は、「小さい」「安っぽい」。
今のトレンドなのだろうか、電話機自体がかなり小さい。
ACアダプターもかなり小さく場所を取らない。
前の電話機は出力がDC11V/350mだったが、小さくなったこの機種のACアダプターはDC5.5V/500mAだった。
電圧が半分なので小さくて済むのか。
電話機の種類も少なくなり、機種間の差といっても
○親機の受話器が有線かコードレスか
○表示ディスプレイの大きさ
○ディスプレイの漢字表示の可否
くらいの差しかない。
買った電話機は安い普及品なので、
○親機の受話器はカールコードの有線
○表示ディスプレイは3行表示で小さめ
○漢字表示はできず、カナ表示のみ
といった感じだが、20年経っても機能的な進歩はほとんどない「枯れた」機器ではあるが、必要にして十分な機能は備えている。
電話機のセットアップは簡単で、結線すると自動で回線種類を判定してくれるので、親機の設定は終了。
子機は充電池を入れて、充電するだけでよい。
よくかかってくる電話番号を登録して、セットアップ終了。
一応発着信も確認した。
子機付きの電話機になったので便利にはなったが、20年以上使い続けた電話機なので、新しくなってうれしいという感じはなく、
あって当たり前だったものがなくなった違和感というか、さみしさみたいなものの方を強く感じる。
これで現役のPHS関連機器は我が家から姿を消した。
PHSが子機登録できるこの電話機が発売されたときはわくわくしたな。
固定電話機にわくわくするなんてあの時だけで、今後はないだろう。
■古い電話機はメルカリへ
買ってしまった電話機のACアダプターであるが、出力11v350mAという汎用性のない仕様なので、メルカリに出品することにする。
調べてみたら、まあまあの値段で取引があるようだ。
電話機本体は、まあ故障しているので廃棄してしまってもよいのだが、自分のような数寄者がいるかもしれないので、ジャンク品としてメルカリに出品することにした。
稼働品の取引価格がかなり安いので、取引が成立するか分からないが、とりあえず出品してみようと思う。
ジャンク品だが求めてくれる人がいるといいが。
固定電話回線自体が今後どうなるか分からないけれども、固定回線を引く以上、専用の電話機は何かと使いやすい。
使用頻度も少ないので、20年とはいわないまでも、今後10年くらいは家で電話の留守番をしてくれるだろう。