チーママの庭とウサギたち

チーちゃんのママことチーママです。植物とウサギと戯れ、マイペースでハンドメイドをしています。

死因 エネルギー切れ

2014-12-06 21:41:53 | うさぎの病気と健康
人間に医療の限界があるように、ウサギの獣医療にも限界があります。
それは致し方なく、昨日の所見で納得致しました。

病院について、すべての診察が済んでから、先生が待合室にいらっしゃいました。
早速こゆきを見て、外見的な所見に異常はないと言う事でした。
先生もとても残念そうで、何とか治してあげたかったのにと悲しそうでした。
日々多くのウサギを診ていはいても、それぞれが飼い主さんにとってはかけがえのない子だと言う事を、とても良く分かっていらして、一匹一匹と向き合っておられる先生です。

「昨日は、最後に会いに来てくれた気がします。」

本当にそうかもしれません。
その上、先生にきれいに洗っていただいて、おかげでいつも通りの真っ白こゆきで旅立てました。

「それじゃ こゆきちゃんをお預かりしますね。お待ちください。」

待つ間、残ってくださっているスタッフさんともお話ししました。
今年になってから入られた方なのですが、「先生から 昔ユキちゃんと言う子がいたって、お聞きました」
そう ね ユキも開けて診ていただいたから、そんなお話だったのでしょう。
胃破裂なんてのは、開けてみなけりゃわからなくて、症例報告としても先生にお聞きした2例ほどです。
原因が分かって部屋にいた全員が何やらホッとした空気になって、「交通事故みたいなものです。分かったとしてもどうしようもなかったでしょう。」という先生の言葉に、とても慰められました。

可愛い子を開けることに、抵抗がある飼い主さんがほとんどでしょう。
でも かーさんは知りたいのです。
・何があったのか。 
自分の戦ってきた敵の正体は、出来れば見極めたい。
それが残されたシジミのためにもなるし、自分自身のウサギの飼い方の反省にもなる。
・どうしようもなかったのか。
どこかの時点で、防ぐ手立てはなかったのか。その時その時の判断は、見当違いではなかったのか。
・他に病気はなかったのか。
良かれと思って育ててきましたが、何か間違ってはいなかったのか。

そんな風に思うと、やはり実際に見なければ憶測しかできない。
また それが獣医さんたちのこれからのウサギさんたちへの治療につながると思うのです。

しばらく待っていたら、スタッフさんが呼びに来ました。
2回の手術室に行くと、ちゃんと切開部分だけが見えるようにしてありました。
さすがに顔が見えるのは(--)

「尿道からずっとたどって開けてみたのですが、これと言った問題は診られません。慢性の膀胱炎ではあるのですが・・・」

本来の膀胱は透けて見える透明な薄い膜だそうですが、こゆきの膀胱は肥厚して内側は赤くただれています。
でもひどく出血したりはしていない。潰瘍の黄色いクレーターもなければ、腫瘍らしきものもない。
中身は赤いドロドロとわずかに膿が見られ、白い粒粒は石(カルシウム)の混じったもの。
「でも これくらいじゃ死因とするには・・・」と、先生も不思議そうにしていました。

腎臓は・・・
二つともコロンとツヤツヤした楕円球で、外見・内部とも大変きれいな組織。

肝臓・・・これも全く良い色をしていて、変色なしだし形も見本通り。

「肺も心臓も、全くきれいて問題がありません。もっとどこかに白い点々(腫瘤や癌の様なもの)があるかと思ったのですが」

胃の内容物も見てもらいました。
「たくさん詰まっていますね。毛球も全くない。」
すべて均一の内容物で、強制給餌したペーストがそのまま入っている感じ。
「でも、腸には全く何もない。つまり胃から送られていなかったんです。」
病気以来食べさせたものが、すべて胃にとどまっていたと言う事です。
「それに、あれだけあったお腹の脂肪が、全くなくなっています。」
蓄えてあったエネルギーの備蓄は、すべて使い切ったと言う事です。

まとめていうと、開けた所見としては、全くきれいな組織で死亡につながるような問題がまったく見つからない。
唯一の患部である膀胱も、慢性膀胱炎の所見ではあるが、それで死亡するというほどのものではない。

「臓器不全と言う便利な言葉があります。」
つまり どこかで歯車が違って、総合的に機能しなくなった。
そう言うしかないと言う事です。

かーさんは思うのです。
膀胱炎で痛みを伴った。
痛みをこらえているから、食欲が落ちた。(この辺は、ウサギは痛みに弱い動物だと思っています。)
食欲が落ちると蓄えた備蓄を使いだす。
備蓄が十分あるうちは良いが、少なくなってくると低体温になる。
もともとかなり高体温で胃腸の発酵システムを動かしている動物ですから、低体温になると胃腸が動かなくなる。
後は「体温が下がる⇔胃腸が動かない(栄養の取り込みができない)」の悪循環です。
幸い備蓄が多かったのと、補液と一緒のビタミン補給などでケトアシドーシスは起こらず、脱水もしなかった。
だから血液検査でも、あれ程度の膀胱炎では異常な数値が出るわけがない。
結局は、備蓄を使い果たしてのエネルギー切れ。
それでも幸いに薬は効いた部分もあったのでしょう。
だから痛みの元の膀胱炎はあの程度になり、最後の方は痛みがなかったと思います。

というのは、無くなる数時間前の夜中の事。
おにーちゃんがこぼれた野菜をクチャクチャしているそばで、ふと起きてしなびたチンゲン菜をくわえたのです。
ヘタに声をかけるとと思って声を掛けませんでしたが、くわえたままボーっとしておりました。
しばらくして、寝そべったままふとそばにあった水飲み(小鉢にいろはすリンゴ味)に口を付け、2口ばかり飲んだのです。
「あら 少し楽になったのかしら?」と思いました。
そして頭を撫でていましたら、「ぶぶぶぶ・・・こりこりこり」とご機嫌サイン。

ぶぶぶぶ・・・と言うのは、鼻を鳴らす音。こりこりというのは、軽く奥歯をこする音。
こゆきはめったにしませんが、シジミは良くします。
だから「あら 珍しい。ほんとかしら?」と、よくよく窺いましたが、確かに気持ちいいの♪サインです。
「ああ 薬が効いて楽になったんだわ。ひょっとしたら、明日あたり おなかすいたぁ~!かもね」と、その時は思いました。
表情も穏やかでしたし。
ただ のどが渇いているだろうと、シリンジでリンゴ味を垂らしてみたのですが、ほんのちょっと口を動かして、あとは「いらないの」とあごすりされました。
そしてちょっと経ったらまたまた脇に置いてあった野菜入れを覗いたので、あわてて新しい野菜を入れたら、 野菜入れの容器に頭を寄せておとなしくしていたので、かーさんも寝たのです。
それが2時半ごろでしょうか。
でももう ほとんど動けない様子で、寝そべったままでした。
最後まで、苦しそうに息をする様子はありませんでした。
だから 本当に老衰のように徐々に徐々に・・・最後は眠るように旅立ったのだと思います。

結局は、胃腸が動かなかったのが、一番の敗因かもしれません。
人間なら栄養点滴と言うのがありますが・・・

「結局エネルギーが不足すると低体温になって、胃腸が動かなくなりますね。その時点で、起爆剤的に栄養点滴をしたらどうなんでしょう?」
胃腸が温まって動く程度の、栄養点滴ができれば・・・

「ウサギの血管はとても弱いんです。」
それに細い。
栄養点滴をするには、ある程度太い血管に留置針でもしなくては。
となると、動いたり噛んだりしないようにしなくてはなりません。
「実験動物みたいに、体を固定して?」
「そうなりますね。エリザベスカラーを付けたり、(実験動物のように)頭だけ出した感じで(固定する)」
それじゃめちゃくちゃストレスになって、それだけでアウトでしょう。

皮下補液じゃ?
肉食ならともかく、ウサギの場合は組織が負けてしまうそうです。
第一5%ブドウ糖液でも、浸透圧の関係で、組織から水分が逆流してくるそうです。(お漬物や塩抜きの原理です)
3%では、もっても3時間分のエネルギーにしかならないようで。

「鼻カテーテルで、(胃まで)猫用ミルクを入れる事があります。不思議と猫用だけは吸収されるんです。ただこれは、もう最後と言う子の場合なんですね。」
つまり、しばしの延命治療でしかない。
となれば、ウサギにしてみれば、苦しみが長引くだけかもしれない。

つまるところ、このあたりが現在のウサギ医療の限界。
一度低体温まで陥ると、再起動がかなり難しい。
こゆきは遠赤外線ストーブで温めていましたが、さすがに体の芯までは温まっていなかったのでしょう。
もしもレーザーの温熱治療器でもしていたら、ひょっとしたら胃腸を温められたかもしれませんが、どうなのでしょう?
あれは、傷の治癒力を高めたりと言うのはありますが、冷え切った胃腸を再起動するほどのパワーがあるかは???

第一 胃腸を動かす薬が効かなかった。
薬に対しての反応がなかったのです。
つまり、人間ができる事の限界だったのです。

見えない病気はなかった。
ユキの時もそうでした。
だから、牧草を食べなくても、野菜食でも全く問題がないと思いました。
お菓子を多少食べようが、大丈夫な子は大丈夫なんです。

こゆきも甘い甘いペレットと野菜でした。
ウサギ専門店が薦めたり、うさぎ専門メーカーが作るようなペレットじゃない。
でも 臓器は大変きれいに維持できていたのです。

ただ唯一かーさんが思うのは、もっと前に膀胱炎に気が付いていたらと言う事。
どうあっても慢性化は防げず、いずれは・・・かもしれませんが。
(間質性だった場合などは特に、ステロイドまで持ち出すのに時間がかかったでしょう。)
だから これからは、マメに試薬で確認します。
原則糞が混じっていない尿で検査するのが良いのですが、混じっていて反応が出たら、病院で再度採尿してもらい、膀胱由来か腸由来かの検査をしてもらえばいい事。
それだけが心残りではありますが、膀胱炎に関しては、治癒の方向に入っていたのは確かだと思います。

先生でダメなら、かーさんはあきらめがつくと、いつも思っています。
先生とともに、こゆきを回復させられなかった悔しさはありますが、命の寿命ばかりは計算通りにはいかないし、人の思うようにはならない。
少なくとも見落としはなかった。
こればかりは、ユキの時と同様、どうにもならなかった。
ウサギの神様が下さった、一緒に居られる時間は、これだけだったんだと思うしかない。
それしかないのです。

ユキの時は突然すぎて、ましてやまだうさ飼い4年生で人工保育で育てたユキへの思いは強かった。
だからせっかく先生が見ますか?と言ってくださっても、とてもじゃないけど見られませんでした。
でも今回は、一緒に戦ったという思いがあります。
こゆきを奪った敵を知りたいという思いが強かったのです。
だから あーだのこーだの言いながら、次々見せてもらいました。
一緒に居た獣医さんには、良い勉強になってくだされば、ありがたく思います。
先生にしても、ご自分の仕事の確認にもなります。
だから、開けてみて良かったと思っています。

あのあどけなさ 後ろ手でちゃっかり下心を持ちながら、「こゆ なんにもしらないにょ?」といった小悪魔的な表情。
7歳になっても、まるで子供の様なかわいらしい顔をしたこゆき。
親ばかを申せば、いつも見た方が「あら~♪ かわいい(^^)」と言う言葉を引き出した子。
子供の頃は何度か食滞もしましたし、去年は膀胱脱で大騒ぎもしましたが、それ以外はいつも食欲魔人の健康優良児(ただし荒地の魔女)でした。
こゆきは「ウサギは鳴かない」と言う定説を覆した子でもありますし、オスがメスを追うばかりじゃなく、発情すればメスがオスを追う事も教えてくれた子でした。
ウサギの神様は、本当に良い子をくださいました。

明日9時 こゆきのお葬式です。
もう二度と見られなくなったら、二度と頭を撫でてあげられないのは、どれほど悲しく思うのでしょう。
でも これも人生ですね。
シジミと二人 のんびり老後を暮して行けたらと思いますよ。
幸い あまり探す様子はありません。
多少白内障が進んでいるせいかもしれませんし、案外納得しているのかもしれません。
それでも こゆきの名が出ると、ちょっとウロウロしますので、あえて口にしないようにしています。
部屋ににおいが残っているのは、良いのか悪いのか?
でも、明日午後は、少し部屋を掃除しようと思っています。
具合の悪い時は下手にドタバタしないようにしていたので、こゆきの垂らしたあれこれが、ちょっと残っていますので。
平日の一人の時間が心配ではありますが、だんだん慣れてもらうしかないでしょう。
その分夜は、べったりにしてあげますからね。


それにしても・・・・・・

こゆちゃん このあふれるばかりのお野菜 どうすればいいのよ!!
りんママさんのイチゴも、らびままさんの乾燥リンゴやヤーコンも、大好きなもの残ってるわよ?
ああ  そう・・・ 明日お弁当に持って行くのね。
水耕栽培状態のセリも、クレソンも、シソも明日葉もバジルも、チンゲン菜にロメインレタスも、セロリもパセリも持って行きなさいね。
でもそれだけじゃ、ウサギ料理になっちゃうから、アレンママとうさこちゃんからのお花も持って行きなさいね。
綿あめも入れてあげるから、ユキおねーちゃんと分けっこするのよ。

コメント (8)
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