乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

日記  奇跡の動物園 ‘‘朝日山動物園物語’’

2006-05-13 | 乱鳥徒然 Rancho's room.
日記




    奇跡の動物園 ‘‘朝日山動物園物語’’




                      楽しめど★★☆☆☆




    
      脚本   相良敦子
      原作   『旭山動物園の奇跡』(扶桑社刊)

 
      キャスト 山口智充
            津川雅彦
            伊東四朗
            倍賞千恵子  他







 朝日山動物園には空を飛ぶように、華麗に水中を泳ぎまわるペンギンの見られるトンネルが有名。

 
 獲物を狙うホッキョクグマが、観客めがけて豪快にダイブし、生き生きと躍動する動物たちの姿に、大きな歓声がわきあがる。

 だが10年ほど前までは訪れる客も少なく、旭山動物園は廃園の危機に瀕していた。


 現在では日本一有名な動物園となった、北海道・旭山動物園の涙ながらの努力の物語である。

 いまやこの動物園は、新聞の旅行ツアーの折込にも入るくらい任期のある有名動物園であるが、昔は・・・・・・。

 



 30年程前に飼育係兼獣医として旭山動物園にやってきた一人の獣医。

 坂内(山口智充)は、寝てばかりで活気のない動物たちを見て、心を痛める。

 同時に、閑散とした園内の様子にショックを隠せない。

「なんで動物を檻に閉じ込めるんですか!」
と園長(津川雅彦)にも反発する日々が続く。





 そんな坂内にベテラン飼育係の牧原(伊東四朗)は、
「やめるんなら、この子熊を育ててからにしろ。」
と、小さな命を預ける。

 それは森で親を失い、保護された野生の子グマだった。

 幼い頃から動物好きで様々なペットを飼ってきた坂内は、自信に満ちていた。

 早速子グマの世話をはじめる。

 しかし、数ヶ月たっても子グマはまったく坂内になつこうとはしない。

 人間に依存せずに生きようとする子グマの姿に、坂内は『野生の命の気高さ』を痛感。

 坂内に新たな情熱が生まれる。

 だが・・・・・・






 客の入らない動物園は『金喰い虫』と批判を受ける。

 動物園の園長と飼育係たちはあきらめることなく、理想の動物園の夢を語り合い続けた。

 またそんな中、動物園の存続をゆるがす出来事は起きる。

 一時的に休園を強いられるが、各自の思いは一層大きく膨れる。

 理想の動物園とは一体何なのか。

 動物本来の生命力や、驚くべく能力を見せる工夫はできないものか?

 飼育係たちは各自る層の動物園を心に、そして絵に描きあげる。

 


 彼らは市長(市)の予算などの許可もおり、着実にできることから一つ、また一つと理想の動物園に近づけて行く。





 動物と動物園に対する愛と夢と努力を兼ね備えた、感動のドラマでした。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日記  ミラーを拭く男

2006-05-13 | 映画
日記






       ミラーを拭く男


   ★★★★☆


   脚本・監督:梶田征則
   2002
   日本


   キャスト:緒方拳
        大滝秀治
        栗原小巻
        津川雅彦
        辺土名一茶(DA PUMP)
        国仲涼子
        岸部一徳 他


   賞:2003年サンダンス国際映画祭ワールドプレミア上映
    「サンダンス・NHK映像作家賞」2002入賞作品
     2003年モントリオール世界映画祭出品
     2004年シネクエスト映画祭出品
     函館イルミナシオン映画祭オープニング





 家族のために長年一生懸命働き、定年を間近に控えたさえないサラリーマン。
 
 一方妻は、定年後は退職金でこれからはゆっくり夫婦みずいらず老後を過ごそうと思っていた。

 ある日定年間際に、思わぬ交通事故を引き起こしてしまった勤(緒方)は、家族に内緒で会社を突然辞める。

 事故現場のカーブミラーへの事跡の念から、市内全部のカーブミラーまでをも拭き始め、ことを成し遂げる。

 そんな勤を問いただす家族。

 父に冷たい態度をとる息子と娘。

 もともと無口だった勤は家族の話にも耳を貸さず、ただひたすらにミラーを拭き続ける。




 この上ない達成感と、満足感・・・。

 夫は家族の前から忽然と姿を消し、北海道へ向かった。




 彼を取り巻くマスコミ。

 マスコミの力で周囲はざわつくが、緒方はただひたすらにミラーを磨く。

 男の顔はまるでミラーに魂でも吹き込んでいるかのようにも受け取られる。





 早3年。

 取り巻きは近づき離れるが、男は淡々とミラーを拭き続けていた。

 


 一方妻は、その間にも、身勝手なはずの夫を思い、自動車教習所に通う。

 教官に怒鳴られながらも、妻は夫の身を思い、路上運転まで進むが、右折においても教官の注意よりも、ミラーに重きを置く。

 ちょうどそのとき、夫たちのミラー拭き団体の自転車の列を見て、エンスト。

 すかさず 教官は、
「何でミラーにたよるのかなぁあぁ!!」
と、怒鳴りあきれる。

 妻の中ではミラーは夫の姿に重なる。



 

 夫の取り巻きのマスコミや興味本位の人々の滅もさめた頃、男は宮城で一人淡々とミラーを拭いていた。

 男の脚立に故意に突進してくる自転車。

 男はあわて、バランスをとりながらも相手を見る。

 相手の人間は帽子を深々とかぶり、自転車に乗っている。

 男はミラーを拭いていたタオルを相手に投げつける。

 相手はタオルを拾い、男に投げつける。

 男の顔には、今までの緊張のほころびのような笑み。



 男は相手と自転車二台で、何事もなかったように、ミラーを拭くたびを続けるのだろう。

 この相手とは・・・・・・

 紛れもなく男の空気のような存在、妻であった。

 最後まで厚真の顔を見せない演出が、憎らしいほどに洒落ていた。

 

 
 緒方拳好きにはたまらない秀作の一つといえよう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする