乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

『木々高太郎全集 4』  朝日新聞社 

2008-04-15 | 読書全般(古典など以外の一般書)

 

 記録だけ  2008年度 26冊目   

 

  

   『木々高太郎全集 4』

 

                   

 著者 木々高太郎

 朝日新聞社 

 上下段・374ページ 980円

 昭和46年1月25日 第1版発行

 

 本日木々高太郎全集 4』 を読了。

 第4巻には次のような作品が載せられている。

 

4 「呪縛」(1946)   

  「新月」(1946)   

  「月蝕」(1946)   

  「無花果」(1947)   

  『彼の求める影』(1957)   

  「冬の月光」(1948)   

  「老人と看護の娘」(1949)   

  「人形師の幻想」(1949)   

  「少女の臀に礼する男」(1950)   

  「夜光」(1952)   

  「幻想曲」(1952)   

  「X重量」(1953)   

  「六条執念」(1954)

 

 以上短編12と長篇1作品。

 短編においては「」、長篇は『』という形で今回も記録することにした。

 

「呪縛」は切れが良く、結構好きだった。若干、「少女の臀に礼する男」に類似するが、こういう例はどの作家に於いてもよくあること。私としては、

    「少女の臀に礼する男」<「呪縛」   の感がぬぐえない。

 

「老人と看護の娘」の冒頭は川端康成の『眠る美女』を思い浮かばせる部分もあった。私、『眠る美女』も結構好きです。

 

 4巻目で注目したのは、長編小説の『彼の求める影』。

 解説には若干マンネリ化した部分が認められるような辛口コメントだったが、好きなんですよね、こういった理詰めの作品。

 話の展開が女性の私にはおもしろく、のめり込んでしまう、長さを感じさせない作品のひとつ。

 

 情けないことに図書館の返却期限も残り後わずかで、5,6巻目は未読。

 近隣図書館から他の図書館に借りていただいた本だったというのに。延長不可。どうすんだ!これから・・・。

 

 

 朝日新聞社 木々高太郎全集 全6巻(1970-1971)

1 「網膜脈視症」(1934)   

  「睡り人形」(1935)   

  「青色鞏膜」(1935)   

  「恋慕」(1935)   

  「就眠儀式」(1935)   

  「完全不在証明」(1935)   

  「医学生と首」(1935)   

  「幽霊水兵」(1935)   

  「決闘」(1936)   

  「胆嚢」(戯曲)(1935)   

  『人生の阿呆』(1936)   

  「印度大麻」(1936)

 

2 「女と瀕死者」(1936)   

  「無気味な老医]師」(1936)   

  「緑色の眼」(1936)    

  「盲いた月」(1936)    

  「死の乳母」(1936)    

  「夜の翼」(1937)    

  「ヴェニスの計算狂」(1937)    

  「大浦天主堂」(1937)    

  「女の政治」(1938)    

  「水車のある家」(1940)   

  「文学少女」(1936)   

  『折芦』(1937)   

  「女の復讐」(1937)  

  「蝸牛の足」(1937)   

  「封建性」(1937)

 

3 「風水渙」(1937)   

  「死人に口あり」(1937)   

  「秋夜鬼」(1937)   

  「柊雨堂夜話」(1938)   

  「永遠の女囚」(1938)   

  『笛吹-或るアナーキストの死』(1940)   

  「宝暦陪審」(1939)   

  「婚礼通夜」(1939)   

  「ベートーヴェン第十交響曲」(1940)   

  「ストリンドベルヒとの別離」(1940)   

  「東方光」(1941)   

  「葡萄」(1942)

 

4 「呪縛」(1946)   

  「新月」(1946)   

  「月蝕」(1946)   

  「無花果」(1947)   

  『彼の求める影』(1957)   

  「冬の月光」(1948)   

  「老人と看護の娘」(1949)   

  「人形師の幻想」(1949)   

  「少女の臀に礼する男」(1950)   

  「夜光」(1952)   

  「幻想曲」(1952)   

  「X重量」(1953)   

  「六条執念」(1954)

 

5 『わが女学生時代の罪』(1949)   

  「タンポポの生えた土蔵」(1954)   

  「千草の曲」(1955)   

  「バラのトゲ」(1955)   

  「オリムポスの山」(1956)   

  「異安心」(1957)   

  「細い眼の孫娘」(1958)   

  「悪い家系」(1959)   

  「銀の十字架」(1962)   

  「失踪」(1967)   

  「幻滅」(1968)

 

6 『随筆・詩・戯曲ほか』

 

 

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『業平吾妻鑑』 『双蝶々曲輪日記』「角力場」「難波裏」「玩辞楼十二曲の内引窓」

2008-04-15 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語

 

   大阪松竹座 第五回浪花花形歌舞伎

 

 浪花花形歌舞伎の第二部は、『業平吾妻鑑』と 『双蝶々曲輪日記』 「角力場」 「難波裏」 「玩辞楼十二曲の内引窓」。

 今回の浪花花形歌舞伎之目的は好きな演目の『双蝶々曲輪日記』の通し狂言。

 「角力場」 「難波裏」 「玩辞楼十二曲の内引窓」をまとめてみると、話の展開の面白さに満足する。

 おもしろかった。

 好きな場面が多く、最後はスカッとする。

 この芝居はあまりにもおもしろいせいか、或いは言葉がわかりやすいせいか、周りを見ても眠っている観客は少ないのが特徴。

 歌舞伎は話が単純だが、どう演じられるかを想像しながら芝居に向かう。他の役者や同じ演じ方でも日によって演じ方が変わり、飽きることはない演目のひとつ。

 

 一、業平吾妻鑑(なりひらあずまかがみ)            

    在原業平  進之介           

    舎人太郎吾  薪 車

 二、双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)          

    角力場  

      濡髪長五郎  亀 鶴            

      藤屋吾妻  壱太郎     

      山崎屋与五郎/放駒長吉  翫 雀         

    難波裏  

       山崎屋与五郎/放駒長吉  翫 雀            

       藤屋吾妻  壱太郎           

       濡髪長五郎  亀 鶴  

    玩辞楼十二曲の内引 窓  

       南与兵衛後に南方十次兵衛  翫 雀            

       女房お早  孝太郎             

       母お幸  竹三郎            

       三原伝造  愛之助           

       平岡丹平  扇 雀           

       濡髪長五郎  亀 鶴

 

 若手役者がそれぞれに力を注ぎ入れ、鼓動が感じられる芝居だった。

 それを母お幸役の竹三郎丈が引き締めた。

 ウマイ!

 我が子を縄にとり・・・引き窓の縄に母が寄りかかった部分では、身震いして涙が出た。

 

 観客にお願いしたいことが一つある。

 どうか 最終山場近くで、古典言葉や台詞の抑揚や仕草に場違いな反応をして、芝居を壊さないでいただきたい。

 

 『双蝶々曲輪日記』も納得のいく舞台で、満足する。

 終了後 芝居の話に花咲かせ、美味しい芝居と酒を楽しむことができたことを喜ばしく思う。

 

 

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第一部 『妹背山婦女庭訓』  「道行恋苧環」 「三笠山御殿 」  

2008-04-15 | 歌舞伎

 

  大阪松竹座第五回浪花花形歌舞伎

 

 先日、浪花花形歌舞伎の第一部と第二部を観に行った。

 花形歌舞伎は愛之助丈などの人気若衆歌舞伎役者出演と合って、観客の年齢層はやや若い。

 開演四十分くらい前に楽屋のある通りから松竹座に行くと、たまたま愛之助丈はジーパン姿に黒ジャンといった一般若者とそう変わらない姿で歩いてこられた。

 家族は『あわよくば、誰かにであうかも・・・。』という私のミーハーぶりにはいささか引いている様子。

 こういった阿呆な楽しみ方を始めたのはごく最近で、これも年のせいか・・・とほくそ笑む。

 ちまたでは○○の王子様やら何やらで盛り上がっているさな、金もかからぬ 通り(道)一筋歩き変えくらいは許されて良しだろうと、自己弁護。

 

 さて芝居は結構おもしろかった。

 

 第一部

   妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)  

     道行恋苧環          

       杉酒屋娘お三輪  孝太郎           

       入鹿妹橘姫  壱太郎          

       烏帽子折求女  扇 雀

     三笠山御殿   

       杉酒屋娘お三輪  孝太郎          

       豆腐買おむら  翫 雀            

       蘇我入鹿  進之介            

       宮越玄蕃  亀 鶴           

       荒巻弥藤次  薪 車           

       入鹿妹橘姫  壱太郎          

       烏帽子折求女  扇 雀    

       漁師鱶七実は金輪五郎今国  愛之助

 

 筋書は有名なのでここでは省かせていただく。

 この縁三雲好きなもので、どのように演じるのかと思いながら丁寧に観ていたが、おおむね 若手役者が気合いを入れて芝居されていた。

 翫雀丈、孝太郎丈、愛之助丈が芝居を活性化させていた。

 翫雀丈、孝太郎丈はいつものように品の感じられる心地よさ。この芝居に於いては翫雀丈の出番が少なかったものの、この役者が出てくると舞台は急に華やぎ、上等の芝居に変わるのは興味深い。これは孝太郎丈にも言えることで、将来はこの方たちも歌舞伎を大きく背負っていくのだろうと考えられる。

 愛之助丈は男前で、見得の連続と迫力が見所。やはりたんきり芝居風の演じ方は心惹かれる。で切れな、仁左衛門化粧に近づけていただきたい。より舞台が引き立つのではないか。

 また 亀鶴丈や薪車丈も安定した演技力。

 壱太郎丈は若いのに思いの外後からの入れようで、気品も感じられ、素直な演じ方が好印象。

 結構美しく見えたのは、蘇我入鹿の立派な衣装に身を包んだ進之介丈。今回不思議に思ったのだが、いったん進之介丈が台詞を話し始めると・・・海老蔵丈に似ていた。進之介丈は海老蔵丈をまねるのか?或意味、不思議である。

 

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