大阪松竹座 第五回浪花花形歌舞伎
浪花花形歌舞伎の第二部は、『業平吾妻鑑』と 『双蝶々曲輪日記』 「角力場」 「難波裏」 「玩辞楼十二曲の内引窓」。
今回の浪花花形歌舞伎之目的は好きな演目の『双蝶々曲輪日記』の通し狂言。
「角力場」 「難波裏」 「玩辞楼十二曲の内引窓」をまとめてみると、話の展開の面白さに満足する。
おもしろかった。
好きな場面が多く、最後はスカッとする。
この芝居はあまりにもおもしろいせいか、或いは言葉がわかりやすいせいか、周りを見ても眠っている観客は少ないのが特徴。
歌舞伎は話が単純だが、どう演じられるかを想像しながら芝居に向かう。他の役者や同じ演じ方でも日によって演じ方が変わり、飽きることはない演目のひとつ。
一、業平吾妻鑑(なりひらあずまかがみ)
在原業平 進之介
舎人太郎吾 薪 車
二、双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)
角力場
濡髪長五郎 亀 鶴
藤屋吾妻 壱太郎
山崎屋与五郎/放駒長吉 翫 雀
難波裏
山崎屋与五郎/放駒長吉 翫 雀
藤屋吾妻 壱太郎
濡髪長五郎 亀 鶴
玩辞楼十二曲の内引 窓
南与兵衛後に南方十次兵衛 翫 雀
女房お早 孝太郎
母お幸 竹三郎
三原伝造 愛之助
平岡丹平 扇 雀
濡髪長五郎 亀 鶴
若手役者がそれぞれに力を注ぎ入れ、鼓動が感じられる芝居だった。
それを母お幸役の竹三郎丈が引き締めた。
ウマイ!
我が子を縄にとり・・・引き窓の縄に母が寄りかかった部分では、身震いして涙が出た。
観客にお願いしたいことが一つある。
どうか 最終山場近くで、古典言葉や台詞の抑揚や仕草に場違いな反応をして、芝居を壊さないでいただきたい。
『双蝶々曲輪日記』も納得のいく舞台で、満足する。
終了後 芝居の話に花咲かせ、美味しい芝居と酒を楽しむことができたことを喜ばしく思う。