乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

『ボストン美術館展』 BOSTON 西洋画家の巨匠たち 2010年 京都市立美術館(20枚)

2010-08-10 | 美術・文様・展示物




          『ボストン美術館展』 BOSTON



                    西洋画家の巨匠たち














 

  

  

  

  

  



 先日京都市立美術館の行く。

 好きな画家の好きだと思える作品が多くあり、じっくりと二度見で味あわせていただいた。

『ボストン美術館展』は素晴らしい作品が多いのでわたしの場合は三時間以上をかかった。

 みなさんも、時間にゆとりを持って足をお運びいただきたい。

 二度三度と見たくなる本展覧会、時間と条件などが満たされた興味のある方は、是非この機会を逃されませんように。わたしはこの展覧会を見られることをお勧め致します。





 まず入ってすぐに 

 エル・グレコの『祈る聖ドミニクス』

 ここで既にわたしはメロメロ状態。その場を離れられない。

 好きな絵に包み込まれたような 心の安らぎ。

 この部屋にずっととどまっていたいという気持ち。

 わたしの最も好きな時間の一つかもしれない。

 

 テッツアーノが創始者といわれる背景が暗く人物画が明るい『男の肖像』



 レンブラントの対の絵とされる
『ヨハネスエリソン師』と『ヨハネスエリソン師の妻・・・』

 もう、夢見心地。

 肖像が全身像は珍しいらしい。1634年頃に集中したと説明にあった。


 肖像画としてはカミュー・コローやロートレックやドガやマネやピカソも展示されていた。

 流石のピカソの前では人だかりができていた。

 茶基調の『女性の肖像』は数多く作品が残されているピカソの中でも、好きな類いのものだった。


 ロートレックの『画家のアトリエのカルマン・ゴーダン』も好きだ。
 
 タッチも色彩もモチーフも惹かれる。

 

 宗教画の部屋も素晴らしかった。

 『天使に支えられた死せるキリスト』は暗色でまとめられている。

 またここには写真は無いが、手の表情豊かな『改悛のマグダラのマリア』も素晴らしい。

 画家フランシスコ・デ・スルバランの描く二枚は立体造形のような表現だ。衣服表現が個性的で、面白い。

 ミレーの

 上は一見のどかな農場風景のように見える。

 しかし説明を読むと、旧約聖書『ルツとボアズの物語』から表現されたという。

 こういった絵は伝統的なモチーフだと会場に記されていた。



 オランダ風景をすすみ、日常生活の部屋に来ると、コロー、ミレー、マネ、ドガ、モネ、ルノアールなど。

 マネの平坦かつ明暗対比、奔放な筆さばきの『音楽の授業』

 今回もルノアールあり。

 緑、白、コーラルレッド、灰色、黄色、などで赤みを押さえた『日傘をさした女性と子ども』は洗練された衣服が描かれ、くつろぎと安らぎを感じた。



 風景画ではコローもある。

 また、ナルシス・ヴァルジル・ディアズ・ド・ラ・ペーニャの『祭に向かうジプシー』はレンブラントに似た明暗法で驚く。



 クロード・モネ 十枚

 打ち『・・・・・・・・のカミーユ・モネと子ども』はX構図

 Xの講座は、様々な色を置く格好の入れ物としての役割を果たしていた。

 モネの積み藁作品 2/25点展示あり。


 ピサロの『雪に映える朝日』は美しい。

 セザンヌ『池』の分割された筆使いは、魅力的で今回も見つめていた。



 もう一度見たい。絵の前でまどろんでいたい。

 そんな絵が多くあった。

 足を運んで良かったと思える『ボストン美術館展』だと感じる。




 最後までおつきあい下さいましてありがとうございます。

 心より感謝申し上げます。



                  2010年8月  京都市立美術館 『ボストン美術館展』にて

 


 







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133; 『〈私〉時代のデモクラシー』 宇野重規著 岩波新書 2009年12月

2010-08-10 | 読書全般(古典など以外の一般書)








2010年度 133冊目  

記録のみ






           『〈私〉時代のデモクラシー』

  




 宇野重規 著

 著者紹介

 宇野重規(うの・しげき)氏は1967年生まれ。1996年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。現在、東京大学社会科学研究所准教授(政治思想史・政治哲学)。

 著書に『デモクラシーを生きる―トクヴィルにおける政治の再発見』(創文社)、『政治哲学へ―現代フランスとの対話』(東京大学出版会、渋沢・クローデル賞ルイ・ヴィトン特別賞)、『トクヴィル 平等と不平等の理論家』(講談社、サントリー学芸賞)、『トクヴィルとデモクラシーの現在』(共編、東京大学出版会)、『希望学[1]希望を語る―社会科学の新たな地平へ』(共編、東京大学出版会)ほか。



 岩波書店

 岩波新書  新赤版 1240

 2009年12月18日 

 226ページ 本体 798円


 

 昨日(8月9日)のこと。

 風をひいたのだろうか。

 頭が痛かったので、わかりやすい言葉で書かれていた『〈私〉時代のデモクラシー』を読む。

 頭痛のわたしにも読むことができたのはうれしいことだ。

 

 現在も社会に置いての平等化について触れられた部分の興味深い箇所があった。

 社会・経済的階層に基づく不平等を認識しない、或は伝えない現実。

 子どもの「努力平等主義」「結果平等主義」が問題だと指摘されている。

  

 第一章の「世代間対立も顕在化」(35~39)は今まさに私が気二t目ている内容について触れられていて面白い。


「年功序列システムが崩壊した」→「貧乏くじ」→「レールをおりる」

 よって「今の報酬を求める」といった声を実際に耳にすることもある。

 中高年齢層には中高年齢層の、若者には若者のいい分が心にしみる。

 著者は上に加えて私のような中間層にも対立があると記す。

 

 第二章 新しい個人主義 は全体を通して面白かった。

「行動が変われば・・・運命が変わる」といった自己啓発本などが流行る中、自己コントロールだけを求め続けるという悪夢だけは、なんとシテもさけなければならないという著者の言葉に、重みと現在社会の問題点を感じ、背筋が寒くなる思いがする。

 

 第三章 浮遊する〈私〉と政治  では、結構言って欲しいことをのべられる感じがした(笑み)

  

 第四章〈私〉時代のデモクラシーで、『現代政治の思想と行動 増補版』丸山眞男を引用。

 この「狭い個人主義」の個人は同時にリースマンという他者志向型の個人なのだ。だから現代においてひとは世間の出来事にひどく敏感であり、それに「気をとられ」ながら、同時にそれはどこまでも「よそごと」なのである・・・・・・逆に無関心という・・・・・・しばしば他者を意識した無関心のポーズであり、したがって表面の冷淡のかげには焦燥と内憤を秘めている。   (154から145)




      





目次
 はじめに



第一章
平等意識の変容
 
1 グローバルな平等化の波
2 可視化した不平等
3 「いま・この瞬間」の平等

第二章
新しい個人主義
 
1 否定的な個人主義
2 「自分自身である」権利
3 自己コントロール社会の陥穽

第三章
浮遊する〈私〉と政治
 
1 不満の私事化
2 〈私〉のナショナリズム
3 政治の時代の政治の貧困

第四章
〈私〉時代のデモクラシー
 
1 社会的希望の回復
2 平等社会のモラル
3 〈私〉からデモクラシーへ

 むすび
 参考文献
 あとがき






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