開館50周年記念特別企画展 鉄斎展 大和文化館
6月26日
あじさい 無料開放ディを利用させていただき、『鉄斎展』を楽しむ。
会場には50くらいの鉄鎖意の作品。
絵も書もなかなか私には良さはわからないが、鉄斉自身も
【自分は画家ではなく儒者であるから、意味の無い絵は描かない】
と言ったと、会場説明にあった。
【自分は画家ではなく儒者であるから、意味の無い絵は描かない】にまつわる作品としては、 関防院「腐儒」
「腐儒」とは〈役に立たない学者の意味〉(会場説明)……なんだかおかしくって、笑ってしまう。
【援毫欲掃我心塵 百石清水写得新 亦是読書余事界 何◯拙伎視他人】 (メモした◯がわかりません)
毫 筆をとって我が心の塵を掃かんと 百石清水の絵を描いた
それはまた読書の余暇の楽しみでもあって、決して拙い伎を他人に見せるためではない
『鉄斎展』では絵や書はわからないし色使いも余り感心は無かったが、わたしは『印』に興味を持った。
あまりに各印の面白さに、わたしは『鉄斎展』では印をテーマにおいて会場を回ったが、さほど多くない展示品を見て回るのに三時間近くかかってしまった。
骨董屋で求めたり、中国篆刻の大家 呉昌硯(1844-1927)にほらせたもの、また 鉄斎自身も篆刻(自刻印)もある。
印には特別の思い入れがあるようで、立派な分厚い印帳が複数冊あった。
各作品にそれぞれの絵や文にあった印文や印模様がサインの印以外に右上にも押されている。
かなりユニークな印模様屋言葉にはそれぞれの意味を持つ。
それは吉祥文様や吉祥文であったり故事・ことわざであったりと言った具合。
出典が杜甫や儒教や仏教など、かなり小難しい説明が多くあり、メモをとらずにはわかりづらい(というか、メモしてもわからない)
印は作品の内、或は 印は作者の意図・意思のあらわれだと感じ取ることのできる展覧会だった。
話はそれるが……
そういえば 中国や書道の道具店で購入した数々の石と篆刻道具が押し入れの中で眠っている。
大量の紙は色が黄色をおび いい具合かもしれない。
しかし同じように大量に持つ赤墨や青墨の色の変化は現在どんな具合だとうと考えると、空恐ろしくなった。(笑)
大和文化館 HPより ▼
富岡鉄斎は近代の日本を代表する文人画家です。絵画に表れる精神性を重視し、東洋文人の理想とする生活を実践しました。大和文華館の鉄斎作品の多くは、鉄斎が40年以上、交流を続けた四国・松山の近藤家に、親愛の情を込めて贈られたものです。この展観では、この度、御寄贈いただいた「古木図屏風」を初公開いたします。
2011年6月25日(土)~8月7日(日)/月曜日休館(ただし、7月18日〈月・祝〉は開館し、翌19日は休館)
2011年6/25(土)~8/7(日)
山荘風雨図
寿老人図 富岡鉄斎は「万巻の書を読み、万里の路を行く」という、東洋文人の理想とする生活を実践した最後の文人画家として知られています。主な活躍期は、明治・大正時代ですが、その躍動する筆致と鮮やかな色彩は、同時代の日本の文人画家よりも、西洋で活躍した後期印象派の画家たちの作品を想わせます。天保7年(1836)に生まれ、大正13年(1924)に没する長い生涯において、鉄斎は東洋文人の精神的な伝統を踏襲しつつ、悠々と自身の芸術を熟成させ、文人画に近代性をもたらしたのです。
大和文華館が所蔵する鉄斎作品のほとんどは、四国松山の近藤家に所蔵されていました。近藤家は三津浜で海運業を営む石崎家の番頭を務めており、鉄斎は明治6年(1873)に石崎家を訪ねた折、当時の近藤家当主、文太郎氏と知り合っています。近藤家の旧蔵品は、その後、40年以上にわたる2人の交流の中で、鉄斎から親愛の情を込めて文太郎氏に贈られたものです。
この展観では、これら大和文華館の鉄斎コレクションに加え、平成21年にご寄贈いただいた「古木図屏風」を初公開いたします。六曲一双の大画面に風雪を経た樹木と奇石を水墨で描いた作品です。これらはいずれも文人画家たちに古くから愛されてきたモチーフであり、
画面は、鉄斎のスピード感あふれる筆致によって表されたダイナミックなエネルギーに満ちています。また、この「古木図屏風」初公開にちなみ、鉄斎美術館から樹木と草花を描く「松藤・桜花図」、「松芝剛勁図」、「楳花山茶水仙華図」、「松芝不老図」の4点を拝借し、特別出品いたします。今なお私たちに新鮮な感動を与えてくれる、豊かな鉄斎芸術をお楽しみ下さい。
〔鉄斎美術館〕
松藤・桜花図(70歳代)
松芝剛勁図(明治38年 70歳)
楳花山茶水仙華図(大正9年85歳) ※7月18日まで展示
松芝不老図(大正13年 89歳)
〔大和文華館〕
古木図屏風(新収品、制作年未定)
車海老図(明治18年 50歳)
寿老人図(明治22年 54歳)
攀嶽全景図(明治22年 54歳)
寿山福海図(明治29年 61歳)
群仙祝寿図(明治29年 61歳)
天保九如図(明治43年 75歳)
梅華満開夜図(明治44年 76歳)
寒月照梅華図(明治44年 76歳)
松鶴図(明治45年 77歳)
魚藻図(大正3年 79歳)
万歳書(大正4年 80歳)
山荘風雨図(大正9年 85歳)
富士山頂上図(大正9年 85歳)
歳朝図(大正11年 87歳)
一行書(制作年未定)
など
〒631-0034
奈良県奈良市学園南1-11-6 大和文化館