(鹿、せんべいを喰らいて 神、人を喰らう)
記録だけ
2009年度 55冊目
『神、人を喰らう』
人身御供の民俗学
六車由美 著
新曜社
2003年3月31日第1版
269ページ 2500円+税
四月十八日 土曜日
前日から読みかけていた 六車由美著 『神、人を喰らう』人身御供の民俗学を読了。
途中『説教節』『まつら長者』などが出てきて、本書の3~4割がたは声を出して読む。
全体を通して 文章がなめらかで、読みやすくわかりやすい。
『神、人を喰らう』は上滑りせず、細やかで真面目にとらえられたところが興味深い。
今まで読んだ中に出てきた 人身御供や人柱や生け贄の記述(書物)よりも掘り下げられており、ありがたい。
参考文献を開くと、これまた興味深い本も多い。
1 本書では赤坂憲雄氏に対する記述部分はたいへん面白かった。
2 八尾市恩智神社 御供所神事(11/26)
米の神饌
A 丸餅150
B 餅マガリ 700~800
C 俎板 オオブト マガリ バイシ 1500
ABC あわすと人型 → 身代わり
3 身代わり
同村
異人 → 呪術的要素が強まる
→ 神(或いは蛇)が受け付けない
2パターン
4 異人 → 神(或いは蛇)が受け付けない
上の場合を踏まえて、村で乞食(本書記述ママ)を囲う
囲い人は生け贄のため
村の権限などは全て与えられない
隔離
5 『殺生の積みの緩和』のための『生け贄』という行為
上1、2、3、4、5 以外の興味深いところをざっ!と簡単に記録しておこう。
・人身御供の靜めるためと、神が食するための生け贄
・人→四つ足→二本足→鮭→雑魚
・神社前池のひとつ目の魚(柳田)
・皇居の櫓下の大量人骨
・本当に人は食べなかったという著者の意見
・祭(性と食)
・広義の意味での「たべる」を、著者が三回以上取り上げたところ
・近松作品
上は思いついたままですので、順番はばらばらです。
こんな風に楽しい時間を過ごすことのできる本であったことを付け加えておきます。
本日も記録のみにて失礼申し上げます。