関西・歌舞伎を愛する会 結成三十周年記念
七月大歌舞伎 昼の部
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好きな演目の一つ『妹背山婦女庭訓』
今回お三輪役は孝太郎丈。
笑いあり涙あり涙あり・・・。
見ている間に今回もお三輪に感情移入。
孝太郎丈の場合はいじめられる場面では表情は少し強調して作られていた。
中村芝翫丈のお三輪が独自の味があって好きだが、孝太郎丈も良かった。
今回七月大歌舞伎の昼夜を通して『元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿』に次いで印象深い演目の一つ。
中盤以降、お三輪が出てからというものは満足のいく芝居だったと喜んでいる。
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先代の勘三郎さん以降、奴役にはひとたまりもなく惚れ込んでしまう傾向のわたし。
翫雀丈の奴も上品で好き。今回も『大原女 国入奴』を楽しみにしていた。
芝居の好きな私は歌舞伎の中では踊りはそれほど好きとは言えないものもあるが、奴踊りは好きだと思う、単純なわたし。
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「待ってました!」の『元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿』は以前歌舞伎チャンネルで繰り返し見たことがある。
ブログで親切な方に教えていただき、夜の部に加えて昼の部も合わせて見ることにした。これが良かった。
結果 昼の部がさん演目を通して面白かった。
「第一幕 御浜御殿松の茶屋」の掛け合いは良かったが、なんと言っても『元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿』の「第二幕 御浜御殿綱豊卿御座の間 能舞台の背面」における白頭の徳川綱豊卿(仁左衛門丈)は美しく見入ってしまった。
芝居の面白みに加えて役柄や役者さんのきれいさ、美しさは舞台を見る上での醍醐味といって過言ではないと、この年になるとはっきり言い切れる。
能装束に身を包まれた上品な仁左衛門丈が舞台に立つと、枯れ自体が芸術といえるほどに華やぎ、
『ええい!中味なんてどうでもいいやい。』
なんて言うほどに惚れ込んでしまうが、実際には仁左衛門丈は素晴らしいメリハリのある表情と演技力で渡しをぐいぐいと引っ張り込んでくれる。
見て良かった。そんな演目の一つだったと喜んでいる。
仁左衛門丈が良かったのは言うまでもないが、今回全体を通して染五郎丈が印象に残る演目が多い。
幸四郎丈の指先ににてこられた彼は魅力的で、あと十年先の染五郎丈を見てみたいと痛感した。
風吹けば飛ぶようないち歌舞伎ファンにはすぎないわたしだが、これからも見守り続けたい。
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皆様、最後までおつきあい下さいましてありがとうございました。
また、昼の部の後押しをして下さいました富田様には心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
今回も記録のみにて失礼申し上げます。
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以下 松竹株式会社 歌舞伎美人より 転載させていただきました。▼
大阪松竹座
関西・歌舞伎を愛する会 結成三十周年記念
七月大歌舞伎
平成22年7月3日(土)~27日(火)
昼の部
一、妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)
三笠山御殿
杉酒屋娘お三輪 孝太郎
豆腐買おむら 翫 雀
烏帽子折求女 段治郎
入鹿妹橘姫 春 猿
漁師鱶七実は金輪五郎今国 愛之助
二、大原女(おはらめ)
国入奴(くにいりやっこ)
大原女/奴 翫 雀
三、元禄忠臣蔵
御浜御殿綱豊卿(おはまごてんつなとよきょう)
第一幕 御浜御殿松の茶屋
第二幕 御浜御殿綱豊卿御座の間
同 入側お廊下
同 元の御座の間
同 能舞台の背面
徳川綱豊卿 仁左衛門
富森助右衛門 染五郎
御祐筆江島 笑三郎
上臈浦尾 竹三郎
中臈お喜世 孝太郎
新井勘解由 左團次
見どころ ▼
昼の部
一、妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)
三笠山御殿
隣家に住む烏帽子折求女に思いを寄せる、大和国三輪の里の酒屋の一人娘お三輪は、求女の着物の裾に留めつけた苧環の白糸を頼りに、後を追って三笠山の蘇我入鹿の御殿までやって来ます。お三輪は意地悪な官女達に散々にいじめられ、さらには求女が入鹿の妹橘姫と祝言を挙げたと知って逆上します。
奥へと踏み込もうとするお三輪を制したのは漁師姿の鱶七でした。鱶七は実は藤原鎌足の家臣金輪五郎で、求女は入鹿の横暴を阻止しようとしている藤原淡海だったのです。鱶七はお三輪を刺して、入鹿を滅ぼすには"疑着の相"の女の生き血が必要であることを話します。それを聞いたお三輪は求女の役に立てることを喜び、未来で添い遂げることに望みを託して息絶えるのでした。
蘇我入鹿討伐など史実に基づきながら、大和に伝わる伝説を加えて脚色された格調高い時代物狂言の傑作『妹背山婦女庭訓』の一幕です。
二、大原女(おはらめ)
国入奴(くにいりやっこ)
京都の町へ薪を売りに出て来た大原女の可憐な姿から一転、奴姿となって軽快でリズム感溢れる踊りを見せる、長唄の舞踊です。
おかめの面をつけ、鄙びた中にも色っぽい女心をのぞかせて愛嬌たっぷりに踊る大原女の前半と、毛槍を振ってお国入りの勇ましさを見せる後半、それぞれの魅力を存分にお楽しみ下さい。
三、元禄忠臣蔵
御浜御殿綱豊卿(おはまごてんつなとよきょう)
江戸城松の廊下で浅野内匠頭が吉良上野介に斬り付けられた事件から一年。次期将軍と目されている徳川綱豊の別邸御浜御殿では、年中行事のお浜遊びが催されています。現状への批判を胸に抱きながらも、遊びに興じて政事には関心がないように装っていた綱豊でしたが、師である新井勘解由には、赤穂の浪人達に仇討ちをさせてやりたいという心中を明かします。
そこへ綱豊の愛妾お喜世の兄で赤穂の浪人である富森助右衛門が、吉良上野介も参上するお浜遊びの見物を願い出ます。これを許した綱豊は、助右衛門から大石の真意を聞き出そうとします。将軍へ浅野家再興を願い出れば仇討ちは不可能であると言う言葉に対する助右衛門の言動から、綱豊は赤穂浪士に仇討ちの意思があると確信します。やがて御殿の能舞台は中入りとなり、吉良の出番が近づきます。仇討ちの機会はここしかないと思い詰める助右衛門は槍を構えてその出を待ち受けますが・・・。
真山青果の代表作『元禄忠臣蔵』の中でも特に上演頻度の高い人気作で、舞台面の色彩的な美しさと男二人の緊迫した肚の探り合いや青果劇独特の台詞の応酬など、見どころの多い新歌舞伎の名作です。
次回 歌舞伎の記録としましては、【七月大歌舞伎 昼の部】を予定しています。