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乱鳥の書きなぐり

ノブナガ

日記






『ノブナガ』


 上演中の「ノブナガ」を観ました。






「敵はホンノウ寺にあり」で始まった一幕目。


 物語はノブナガの父・ノブヒデの葬儀から始まります。


 尾張一の大うつけ。


 葬儀の場でも大暴れして、平手政秀が諫死。


「俺が乱世を終わらせてやる!」


の力強き信長の一声は、天命に従って天下統一へ・・・


 次の場面は、1553年の春。


 斎藤道三に濃姫を貰い受ける。





 1960年の桶狭間の戦いに続いて1568年、美濃制圧。


 三十分の幕間を挟んで二幕目は、1571年の比叡山焼討ちから。


 光hideは自分の心を押し殺して、女、子ども、赤子までも切り、刺し殺すが、この辺りから光秀の信nagaに対する想い が揺れ動いてくる。


 この芝居の光hideは先を読む力があるという設定になっていて、ミツヒデは『乱世 を終わらせる星=ノブナガ』であると信奉。





 ノブナガも同様、自分は神に選ばれた 男だと信じています。


 1573年 ノブナガ 対 浅井長政。


 1579年 安土城完成と話は進み、ミツヒデは、ノブナガは神に選ばれて 乱世を救う男ではなく、自らが神になろうとしている恐ろしい男だと感じ始める。」


 1582年の、「ホンノウジの変」


 ホンノウジの炎の中での立ち回割りは構図もスピード間も役者軍の技術も満足しました。





 立ち回りの祭のエビゾウさんの迫力もさることながら、障子に刀を刺した時のこと。


 障子から出てきた手が、弓矢で殺された妻の着物(ノブナガが持っていた)を握り締め一筋のライトが当たる。


 このときばかりは、正直背筋が凍りついた。

 見事な演出で、こういった表現は好きです。





 よくある神に選ばれし男・ノブナガではなく、『神に弄ばれた男・ノブナガ』を描いた芝居だったように思う。






【衣装について】



 エビゾウの装いは、焦げ茶色の地に鮮やかな色彩の羽根の模様。


 次の場面では装いもがらりと変わり、紺色の正装で凛々しい。

 最後は赤いビロードのマントに、黒い洋装+長髪を撫で付けたような西洋かぶれなノブナガ。





 この姿は一番彼に似合っていた。

 ただ・・・

 マントの色彩と質感はピアノのカバー風。


 マントをはじめとして一時が万事、この舞台の装いは全体において衣装は簡単目なのかしら。



 




 【女優の化粧について】


 女性(妻、妹)二人においては、声が高め。



 目元のラインと 口元の紅は赤。

 女性たちの化粧は念入りで、ルージュは濃い目でした。


 二人の化粧にさほどの違いがないのは、演出家の意図的なものなのでしょう・・・






 【エビゾウの目力】



 

 舞台で見る彼は目力と表情がよく、華がある。



 





 全体を通して



 かなり楽しめる舞台でした。

 役者の前向きな姿勢がうかがえる、秀作の一つ。

 一度は見たい舞台の一つ。

 芝居、舞台らしさの感じられる一作品といえるように思います。
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