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乱鳥の書きなぐり

87; 『ペルシア民俗誌』【A・J・ハンサリー著 岡田恵美子訳/サーデク・へダーヤト著 奥西俊介訳】

 記録だけ  2009年度 87冊目          



    『ペルシア民俗誌』
    
      



 『コルスムばあさん』

   A・J・ハンサリー 著   
   岡田恵美子 訳

 『不思議の国』

   サーデク・へダーヤト 著   
   奥西俊介 訳



 1999年1月13日 初版

 平凡社

 東洋文庫 647

 337ページ ?円   



 先日読んだサーディーの『薔薇園 イラン中世の教養物語』が面白かったので,イラン関係の民俗学を楽しむ。『ペルシア民俗誌』は「コルスムばあさん」と「不思議の国」の二本立て。



「コルスムばあさん」は女の私にはかなり興味深い。読んでいくうつに,昔の話だということを混乱。ついつい現在のことかと勘違いしてしまう。今も続く慣習やもう廃れた習慣。いろいろあるようだが,基本的なイランの感覚が少し感じられたような気がする。

 黄色や観相果実や「7」や水曜日や婚礼や断食などといった話。日本との共通点や逆さなどいろいろな場合があり、楽しい時間を過ごせた。


「不思議の国」は日本の共通点を探しながら読み,満足した。本文も楽しく,また解説部分を切り離して読んでも面白い。ペルシャ語の全く知らない私は多分わかってない部分も多いのだと思うが,民俗学として楽しむことができる。「不思議の国」は好きだな!

 病気や占トや鳥や生き物。生活や習慣。イランもげんかつぎが多いんだ。ことばや色や形や行動のイメージから教訓めいた言い伝えがあったんだな。


 私は龍(竜)が好き。「不思議の国」での、
 
     【竜の皮は火のつけたニンニクとタマネギの皮でしか燃やせない。】
という部分は心ときめく。イランのことを全く知らない私だが、【血や心臓を食べる(勇気)】というイラン人の感覚と【竜の皮は火のつけたニンニクとタマネギの皮でしか燃やせない。】が ドラキュラーとイメージが重複する。(笑み)

 イランの竜は西洋的。羽が生えたいわゆるドラゴン系の聖獣。



 今回も『薔薇園 イラン中世の教養物語』の時と同様、ゆっくりとイメージしながら楽しんだ。とても面白かったので「コルスムばあさん」と「不思議の国」は数年後にもう一度読もうと思った。

 
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