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乱鳥の書きなぐり

98:『名作歌舞伎全集 大二十一巻』「大経師昔暦(だいきょうじ むかしごよみ)」 近松門左衛門:原作




98: 『名作歌舞伎全集 大二十一巻』から「大経師昔暦(だいきょうじ むかしごよみ)」(226~243ページ)近松門左衛門原作  東京創元社



 先日、映画『近松物語』(人形浄瑠璃・歌舞伎の演目『大経師昔暦』)溝口健二監督 大映 1954年 長谷川一夫を楽しんだ。

 その晩から近松門左衛門作の「大経師昔暦(だいきょうじ むかしごよみ)」を読み、読了。

 色々あったあげく、最後は黒谷の和尚さんに助けられるという大どんでん返し。
 またまたどんでん返し。
 不義密通張付け獄門の景に処せられる粟田口へ、二人背和え早稲に馬に乗せられ粟田口へと向かう途中、二人の表情には安堵感と幸せ満足感が漂うといった違った形での精神的な救いの描写がなされていた。


     

 

 ところが…
『名作歌舞伎全集 大二十一巻』から「大経師昔暦(だいきょうじ むかしごよみ)」は途中まで。
 白壁に写る二人の蔭で、後の二人の運命(展開)を案じあらわす。




 さん そんなら茂兵衛、
 茂兵 おさん様。
    二人見送る影法師、軒端に近き物干の、柱二本に月影の、壁にあり壁にあり映りしは、
    ト月の光で白壁に、物干の柱におさん茂兵衛の姿が磔(はりつけ)のように写る。
 さん あれ二人の影法師が
 茂兵 オゝ、ありゃ磔に、おさん様
 さん 茂兵衛。
    ト両人瞭然とする。
    憂き身の果てはとらわれて、罪科のがれぬゝの告げ、寂滅為楽(じゃくめついらく)と響きくる、名残りかなしき。
    ト両人一散に花道に入る。犬の遠吠え


 

    

 
 映画『近松物語』(人形浄瑠璃・歌舞伎の演目『大経師昔暦』)溝口健二監督 大映 1954年 長谷川一夫
 95:『観世流続謡曲百番集』「三井寺」  日本古典文学大系に謡曲より「大経師昔暦」
 96:『近松浄瑠璃集上』から「大経師昔暦」 近松門左衛門 日本古典文学大系(201~251)/映画『近松物語』

 
 
   
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