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玩辞サクラ12曲の内 tutiya主税
ナニワハナガタカブキ
カンジャク タケサブロウ 他
さすがに一日で三部見るのはどうかと思い、分けての観劇。
今日は二部を観た。
会場は活気があふれていた。
ベテランの大向こうさんも多い。
プロ級の大向こうさんは、惚れ惚れする。
かっこいい~~
さていよいよおなじみのツチヤ・・が始まった。
この芝居はナリコマ屋の専売特許のような芝居。
初代ガンジロウの当たり役らしい。
元は『マツウラのタイコ』が改作されたもので、ほとんど同じといってもよいが、膨らます場面が微妙に違う。
ただし大嶺大切な部分は同様で、元の題名のように太鼓が遠くから聞こえてくる部分などは、二作品ともに四たたき、四拍子がクレッシェンドで流れてくる。
私の最も好きな部分は二つ。
歌詠みの場面と、大高gen吾(ki角)が後のくを詠み、ツチヤチカラが歌の意味を悟るところと、大高ゲンゴが花道から戻った場面。
歌を詠むシーンは適度な緊迫感、戻ったシーンは胸のすく思いがする。
では『ツチヤチカラ』と『マツウラのタイコ』ではどちらが好きか。
あくまでも好みの問題で、作品の良し悪しを言っているのではないが、歌を詠む場面において『マツウラのタイコ』の方が洒落ている。
『マツウラのタイコ』の場合・・・・
かなりみすぼらしい姿に変わり果てた大高gen吾と俳諧の宗匠である其角は偶然出会う。
寒空の下、其角のマツウラの紋付の羽織を大高ゲンゴに与える。
大高ゲンゴ殿別れ際に 其角は歌を詠む。
「年の瀬や 水の流れも人の身も・・・・
この後くを詠んでみなされ」
「明日またるる その宝船・・・・」
と、付け句。
何しろ上の場面はカッコが良くて、心をくすぐってくれる。
後日、マツウラ宅での歌の会の時に、其角は大高ゲンゴにであった話をするが、裏切ったと思い紺下いる松浦はから理の立腹。
歌を聴き、松浦は大高ゲンゴの本心を把握することになる。
一方『ツチヤチカラ』の場合ははじめから大高ゲンゴはマツウラの屋敷におり、マツウラは好意的。
それに対して大高源吾は裏切り者だとののしる其月(薪シャ)は憎憎しい役どころ。
加えて、其角までがいっしょになってののしりだす。
付け句を読んで大高gen吾の真意を悟った松浦は、二人の姿や言葉に呆れ顔。
ここの場面はかなり面白い。
カンジャクの表情の豊かさが、この芝居に面白みを加えている。
上の場面においてのかっこよい『マツウラの太鼓』と面白みを加えた『tutiya主税』。
私の場合は、『マツウラの太鼓』が好きである。
カンジャクは表情豊かで、品が良かった。
この人も、やっぱりいつ見ても好きだなぁ~~
ただ良くをいえばもう少し大きな動きをされると、存在感が増すような気がした。
細やかなしぐさなどに注意を払われ、若い頃の籐十郎に似ている。
トウジュウロウはここ十余年で先代ガンジロウに方の落とし具合が似てこられた。
カンジャクも其のうちに先代の面影がうかがえるのだろう・・・
其角のタケサブロウはさすがにうまい。
ベテラン芸で、ピカリと輝いている。
大高ゲンゴ役のキ鶴は声が良かった。
適度に迫力もあり、ファンの方も多かったようだ。
場面によって実力をストレートに出せる場合と、そうでない場合が目立つ。
演技が安定すれば、かなり魅力的な役者さんだ。
舞台で化粧の生える役者さんだなと感じた。
薪シャは憎憎しいほどに 役をこなされていた。
待女のお園(ウエムラキチヤ)は美しい。
大向こうの方々は彼の女形が特に好きだったのか、会場中で興奮されていた。
方々(ホウボウ)から
「待ってました・・・」
など色々な掛け声がかかり、時として彼の台詞にまでかぶせる始末。
おとなっぽい妖韻な色気は、大向こうさんたちにはたまらない魅力なのだろうか・・・・
とにかく彼が出た瞬間、活気に満ち溢れたようだった。
芝居知らずの私がこの芝居を観ての感想は、一言に言うと、
「この芝居も面白かった・・・」
に尽きる。
ああ、面白かった!
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『俵藤太物語絵巻』二度目を読む 23 三軸 秀郷は将門の屋形にいる女性に恋した。秀郷は、将門の周りの六人は陰であること、将門は金属の身であるが、蟀谷は肉身であることをききだした。
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『俵藤太物語絵巻』二度目を読む 23 三軸 秀郷は将門の屋形にいる女性に恋した。秀郷は、将門の周りの六人は陰であること、将門は金属の身であるが、蟀谷は肉身であることをききだした。
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『俵藤太物語絵巻』二度目を読む 23 三軸 秀郷は将門の屋形にいる女性に恋した。秀郷は、将門の周りの六人は陰であること、将門は金属の身であるが、蟀谷は肉身であることをききだした。
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『俵藤太物語絵巻』二度目を読む 23 三軸 秀郷は将門の屋形にいる女性に恋した。秀郷は、将門の周りの六人は陰であること、将門は金属の身であるが、蟀谷は肉身であることをききだした。
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『俵藤太物語絵巻』二度目を読む 22 三軸 将門に再度対面する秀郷 秀郷は偽って将門に対面した。
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『俵藤太物語絵巻』二度目を読む 21 三軸 北山の陣での対戦。影武者六人と並ぶ将門 秀郷たちの軍は将門の陣を攻めた。将門の体は金属で、同じ姿のものが六人いた。官軍は破れて退いた。
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『俵藤太物語絵巻』二度目を読む 20 中巻読了(次回から下巻) 東海道を行く官軍 朝廷からはさらに軍勢を下総に向かわせた。
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『俵藤太物語絵巻』二度目を読む 19 中巻 秀郷は、三井寺斗その守護神である新羅大明神に参拝して加護を祈り、下総に向かった。
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