『女殺油地獄』
あらかじめ録画しておいた『女殺油地獄』『極付幡随長兵衛』
9月5日に『女殺油地獄』を見る。
歌舞伎で東京遠征をした事のない私が、見たい見たいとはしゃいでいた 2009年歌舞伎座での演目。
私は仁左衛門一世一代の『女殺油地獄』を見たいがために、東京まで行こうかどうしようか真剣に悩んだ興行だった。
仁左衛門 丈の『女殺油地獄』は松竹座で三度見た『女殺油地獄』とは少しようすが違っていて、それはそれでまた楽しかった。
2009年6月の 『女殺油地獄』の油屋殺しの場は恐ろしい形相だった。
松竹座では殺すのに必死の表情を表向きにだされていた、
今回の歌舞伎座の『女殺油地獄』は、途中から女を殺すこと辞退が喜びをなる人間の姿を現されていた。
殺しを味わい、殺しをもてあそぶ。
必要が快楽に変わる本質的な怖さ。
人間の深層心理に迫ったまさにそれであった。
事の発端は殺しの場の前の女が鐘を貸さない場面までさかのぼる。
「男がこないに言うても・・・。」
の言葉を境に男の目は泳ぎ、見据え、にらみに発展した。
空恐ろしい形相。
気がふれるばかりではなく、人間のえぐさと見にくさを描いた今回の仁左衛門 丈の『女殺油地獄』
東京まで行くべきだったと後悔している。
出演者 (2009年6月24日, 歌舞伎座収録)
片岡 仁左衛門
片岡 孝太郎
中村 歌六
片岡 秀太郎
中村 梅玉
ほ か