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親権とはなにか?

2014年08月05日 11時34分19秒 | 離婚

親権とはなにか?


 

問)協議離婚に合意はしたのですが、私たち夫婦には未成年のこどもがいますので親権を定めなくてはなりません。慎重に親権者を指定したいので、親権とはなにかを教えて欲しいです。


 

答)親権の内容としては、未成年の子どもに社会人としての社会性を身につけさせるために、身体的に監護・保護し、また、精神的発達を図るための配慮を図ること(身上監護権及び同義務)と、未成年の子どもが財産を有しているときにその財産を管理し、またその財産上の法律行為につき個を代理したり同意を与える権利(財産管理権)があります。


 

1.親権

 

ご相談される方の中には、「親権を絶対にとりたい、親権を手放したくない」という言い回しをされる方が多数いらっしゃいます。

 

協議離婚においては、親権者の指定も、当事者の協議によって決まることですから、文脈として、親権をとるという言い回しも十分納得の出来ることではあります。

 

しかし、本来、親権とは子どもを中心とした親の義務として理解されるべきかとおもいます。既述の親権の内容を吟味していただければ、ご納得していただけるかと存じます。

 

その上で親権者の指定を冷静に子どもの立場に立って協議することが重要なのではないでしょうか?

 

ただ、やはり離婚するくらいですから、夫婦ともに不仲で、したがって協議も感情的に対立しがちです。

 

親権者の指定についての協議も例外ではありません。どうしても感情的になりがちです。

 

とくに配偶者は憎いし、しょせん他人だけれども、子どもは血のつながった存在であるという点が、この感情をよりエスカレートさせるようです。

 

2.身上監護権

 

身上監護については、民法は以下の3つの権利を規定しています。

 

2.1.居所指定権(民法821条)

 

同条では「子は、親権を行う者が指定した場所に、その居所を定めなければならない。」と規定しています。

 

ここで、協議離婚を視野に入れて協議していていたが協議が平行線のまま膠着しているうちに、子どもをつれて別居されてしまった、子どもを誘拐みたいな形で奪われたので奪回したいとのご相談を受けたことがあります。

 

この点につき、協議離婚を視野にいれての別居であっても、離婚が成立するまでは夫婦共同親権ですから、未成年の子どもの居所指定も夫婦で合意を形成しなければなりません。

 

例えば、妻が夫に内緒で子どもを連れ去る形で実家につれて帰るのは、この夫婦共同親権に反し違法な行為です。

 

ただし、現実にはこのような違反行為も散見されとおり、離婚の協議が不調に終わって離婚調停を申し立てても、ことさら調停委員の先生から違反行為を指摘・摘発されることはほとんどないようです。

 

逆に、連れ去った実家での暮らしが長くなると、その居住地での生活が安定し、生活基盤の形成が認められるとして、親権者の指定につきその長期間の居住を重視される傾向があります。

 

犯罪として逮捕、起訴される事例としては、ハーグ条約に加盟している国(たとえばアメリカ、イギリスなど)で居住していた夫婦が、国際離婚する際、日本人配偶者が相手方配偶者に無断で子どもをつれて日本に帰国するといったケースがあげられます。

 

この場合、ICPOといった国際捜査機関によって国際指名手配され、日本国でも逮捕される危険があります。

 

つい最近、日本もこのハーグ条約に加盟批准しました。そして、日本人同士の夫婦で、妻がイギリスに出張するからという理由で子どもとともに渡英したが、出張期間が終わっても子どもとともにイギリスにとどまったケースで、夫がハーグ条約に基づき子どもの返還を求めでた申立につき、初めてハーグ条約に基づき返還命令がくだりました(その後妻は命令に従い、直ちに帰国しています)。ハーグ条約の初めての適用として報道されていたのを覚えています。

 

2.2.懲戒権(民法822条1項)

 

同条では「親権者を行う者は、必要な範囲内で自らその子を懲戒し、又は家庭裁判所の許可を得て、これを懲戒場に入れることができる。」と規定しています。

 

もっとも現在懲戒場に相当する施設は存在していませんし、そもそも懲戒権も、子どもの監護教育上必要かつ合理的な範囲の実力行使は特段法的籍責任を問われないというにとどまります。

 

昨今、子どもの虐待などがクローズアップされています。大変悲しいことだと思います。

 

そして、明治に制定されたこの条文に規定された懲戒場に、逆転の発想で、子どもを虐待から守るシェルターの役割を担わせてみては、との主張もあります。

 

なお、合理的範囲を超える懲戒は、虐待行為とみなされます(児童虐待防止法14条)。

 

2.3.職業許可権(民法823条1項)

 

未成年者が職業につくかどうかは、当人の身上にも財産上にも影響が大きいことから、職業につくかどうかにつき親権者の許可が必要であると規定されました。

 

許可の方法は、特に規制されていません。書面に明示する必要はないのです。

 

ただ、子どもがアルバイトするといった場合、親の承諾を署名で提示するように求めらることもあります。

 

この場合は、子どもとアルバイト先との雇用契約なので、その求めに従い、承諾した旨を署名することになります。

 

なお、未成年者が結婚している場合には、その未成年は成人とみなされ(成人擬制。民法753条)、親権者の許可はいりません。

 

そして、いったん成人擬制が生じれば、未成年の期間中に離婚したとしてもその擬制効果は消滅しません。離婚後であっても私法上は成人として扱われます。


2.4.その他の身分上の行為

 

親権者は、子どもの身分上の行為、15歳未満の子の氏の変更、その養子縁組又は離縁の代諾・離縁の訴え・相続の承認・放棄をその子に変わって担当します。

 

3.財産管理

 

子の財産管理権及び義務については「親権を行う者は子の財産を管理」するものと定められています(民法824条本文)。

 

親権者が子の財産を包括的に掌握して管理できます。

 

ですので、例えばお子様がご親戚の方などからいただいたお年玉について、親権者様はどうどうとそのお年玉を取り上げる(?)ことができるのです。

 


 

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