法律相談電話無料離婚・国際離婚~日本法の定める協議離婚の方法
法律離婚相談)外国時の配偶者と国際離婚したいのですが協議離婚は可能でしょうか?
答)ご夫婦の居住地が日本国であれば日本人同士の協議離婚と同様、外国人配偶者との協議離婚は可能です。
1.国際離婚における協議離婚
離婚に同意していれば、協議離婚の手続きが一番簡便な方法です。 協議離婚の届出(民法764条、765条)を、日本人配偶者の本籍を管轄する役所にするか、あるいは、本籍地以外の役所に提出するのであれば、戸籍謄本を添付して離婚届を提出するだけで有効な協議離婚が成立します。
2.外国人との協議離婚における離婚届の書き方
基本的には日本人の場合と同様の記入になります。
ただし、フィリピンや中国人などの外国人との協議離婚の場合、
・本籍地は国名の記入(中国とか、フィリピンなど) ・署名は、戸籍謄本に記載されている氏名
中国人の場合ですと、氏名が簡体字の場合があります。
また、フィリピン人であれば、氏名がミドルネームのあるアルファベットの氏名です。
このような中国人やフィリピン人の本名の署名でも役所が受理していただけるケースもありますが、昨今の窓口指導が厳しくなり、戸籍謄本に記載されている氏名(日本語の漢字の氏名であったり、カタカナ表記の氏名です。
・署名欄には押印は不要です。
・離婚届の提出あたって、外国人の方のパスポートや在留カードのコピーの提示
これらは、外国人との離婚において、日本人配偶者が勝手に署名して離婚届を提出・受理されるケースが多発し、偽造離婚が横行してきた現状に対応する措置のようです。
ただし、役所によってはこのような本人確認が不要なところもあります。
私が調べた範囲内では、東京都豊島区役所は協議離婚による離婚届の提出に外国人の本人出頭が要請されました。
逆に、東京都世田谷区役所は、本人確認の資料添付・提示は不要とのことでした。
離婚届が提出・受理されると、離婚届を提出した際に出頭しなかった相手方に対して、離婚届が受理された旨を通知するという事後的本人意思の確認で偽造離婚ではないとの担保ができるためだと思われます。
3.協議離婚における決め事
日本人同士の離婚においては多くの場合下記の事項を当事者の協議によって決定してゆきます
。 ・未成年の子どもがいる場合の親権者の指定
外国人の親が日本国籍をもつ未成年の子の親権者に指定されると、その未成熟の子の養育をみる目的で定住の在留資格(ビザ)の許可がおりる場合が多いです。
・養育費の支払い額とその期限
養育費の支払額をいくらにするか、特に外国人の親が親権者に指定された上で母国(中国やフィリピン、ロシアなど)に帰国して子の養育をする場合、日本の物価水準や教育費などを参考にして養育費を決めるかそれとも現地の物価水準を参照するかは繊細な問題です。
多くの場合、日本国で未成熟子の養育をすることが多いのですが、ときとして母国の大学までの学費(または母国の日本人学校に通学)などの条件で養育費を決めるケースもあります。
・面会交流権
当事者の協議によって決めます。未成年の子が15歳前後以上の年齢になりますと、本人の意思が最優先に検討されます。
細かい話となりますが、面会交流権にかかる渡航費用の負担などもあらかじめ決めておきます。
・財産分与
一般的な日本人同士の夫婦と同様です。
実質的にみて夫婦共有財産形成への寄与は、夫婦平等であるとの考えで、夫婦共有財産の分与には1/2のルールが適用されることが多いですが、たとえば土地家屋は母国まで持ち帰れませんし、また、自動車や大きな家具も持ち帰るのが困難ですので、そういった財産については、現金査定して1/2分の現金での決済をですませる国際離婚が多いようです。
・慰謝料
配偶者の不貞行為(肉体関係をもった浮気など)や暴力については、その加害行為の発生地において請求できるものです。
例えば、中国人女性と国際結婚した男性が、中国に出張し際、現地の女性と貞操義務違反の不貞行為をした場合、法律管轄としては中国での慰謝料請求となります。
もっとも協議離婚は当事者の協議が要ですから、ことさら中国の人民法院で慰謝料請求の損害賠償請求の訴訟を提起せずとも、当事者の協議により日本の物価水準や慰謝料の平均的相場の金銭の賠償ですませるケースがほとんどです。
4.国際離婚における離婚協議書・公正証書の作成の肯否
離婚協議書や公正証書は、協議離婚の際に当事者が取り決めた事項を書面化することで後日の紛争未然防止の機能を持ちます。
この機能は、国際離婚においてもかわりません。 従いまして、弊事務所としては、当事者同士の取り決めを書面化することを強く推奨します。
とくに公正証書の場合は、国家機関である公証役場において特別国家公務員の公証人が書類を作成しますから、きわめて強い証拠となりえます。
なお、弊事務所では、離婚協議書の翻訳をいたします。手前味噌かもしれませんが、法律用語に強くない翻訳会社に依頼すると、せっかく日本語の離婚協議書では法的効果が望める記載事項を記述しているのに、翻訳のプロセスで法律用語でない単語が用いられ、意味をなさない翻訳文書になることが多いですが、弊事務所は行政書士事務所ですので、このような事態を避けることが十分可能です。
また、公正証書は日本語での記載が原則ですが、協議離婚する外国籍の配偶者にもその記載内容が理解できるようにサポートいたします。 翻訳できる言語は以下のとおりです。
・中国語(簡体字)
・英語
・タガログ語
・韓国語
・ロシア語
他の言語も、対応はいたします。
5.国際離婚の離婚率
日本が国際化するにつれ、日本人が外国人と接触する機会も増え、それに伴い結婚と離婚の件数も増加傾向です。
そして、問題なのが、離婚率の高さです。
離婚問題、離婚相談の中で統計を取った国際離婚原因のランキングです。
第1位 浮気。
第2位 性生活の減少
第3位 性の不一致
第4位 価値観の相違
第5位 リストラ
第6位 子どもの問題
第7位 金銭問題
第8位 蒸発
第9位 食生活の問題
第10位 死別
1位から3位までの上位はいずれも「性的問題」です。日本人同士の離婚ですと、第1位は、「性格の不一致」であることを考えると驚くべき現実です。 そして、全く別のようにも思えますが、、3位までの性問題と4位の価値観の相違は大変密接な関係があります。
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