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国際離婚と親権者の指定及び面会交流権の有無

2014年08月13日 14時27分11秒 | 離婚

国際離婚と親権者の指定及び面会交流権の有無

 

離婚相談)妻がフィリピン人で現在未成年の子がいる状態で協議離婚を検討しています。国際離婚における親権者の指定や面会交流権について教えて欲しいです。

 

答)国際離婚における親権や面会交流権などの親子間の法律関係の準拠法は、法例21条です。

この準拠法では日本に居住地をおく日本人と外国籍の方の離婚、親権者の指定、面会交流について日本国の法律としています。

 

従いまして、日本国に居住地をもち、未成年の子を日本国で育成した国際結婚の夫婦における親権や面会交流の定めについては、配偶者が外国人であっても日本人同士の離婚と同様の規定が適用されます。

 

1.日本国で成長した未成年の子の親権指定

 

親権者の指定につき、家庭裁判所に調停を申立た場合、日本国において、日本語を含む日本文化の中で幼年期を過ごした子どもの福祉及び健全な育成の観点から、離婚後の法律関係も日本に基盤を置いた成長が望ましいと判断されることが多いです。

 

つまり、仮に奥様が離婚の際親権者に指定された場合、離婚後フィリピンに帰国を予定してるときには、子どもが長年住みなれた日本を離れるのは好ましくないと判断されますから、調停や審判においては親権者を帰国予定の外国籍の親に指定するのは好ましくないと判断されます。

 

従いまして、離婚後母国に帰国を予定している外国人の親が親権者に指定されることは難しいのが現実です。

 

もっとも、この難しさは、繰り返しになりますが、日本国において日本に生活と教育などの基盤を置いた子どもの健全な育成の観点から判断されるものであって、離婚後外国人の親がなお日本国内にとどまる場合には、日本人同士の夫婦の離婚と同様、母親優先の原則や長年、子の育成を担ってきた親が優先的に親権者に指定されます。

 

2.離婚後外国人の配偶者が日本国にとどまる場合の在留資格(ビザ)

 

外国人配偶者の在留資格が離婚の影響を受けるのは、その在留資格(ビザ)が日本人や定住者の配偶者在留資格の場合です。

 

この日本人等配偶者の在留資格は、近年の入管法の改正により、離婚後14日以内の入国管理局に離婚した旨の届出の義務化、及び、日本人等配偶者の在留資格の活動停止後6ヶ月の経過により取り消しの対象となっています。

 

なお、外国人配偶者の在留資格が日本人等配偶者の在留資格以外の場合、例えば、定住であったり永住であったり、就業であったりした場合、離婚による影響は受けず、離婚が取り消し事由にはなりません。

ですので、このようなビザの方は、離婚の報告が課されるだけです。

 

問題は、日本人等配偶者の在留資格の方が、ビザ取り消し後もなお日本に居住したい場合の在留資格の切り替えです。

 

ここで、未成年の子どもがいてその子が日本国籍を有する場合、外国人の親が親権者に指定されれば「定住」の資格が許可されます。

 

これは、日本国内で日本の文化の中で育ってきた子どもを離婚という両親の事情で外国に居住地を移転させられるのは好ましくなく、また、日本国籍もあることから、日本における居住が認められる子どもについては当然に日本国に居住できる以上、その子の面倒を見る親権者も日本国に在留する権利を認めるべきだとの判断による許可です。

 

ですので、国際離婚の場合、外国人の親が離婚後も日本にい続けたいために意図的に親権を得たうえで定住資格に切り替えるケースが多発しています。

 

この現状の是非はともかく、親権は子どもが健全に育成するために認められる親の義務ですから、その制度のすきをついて、ビザを得たい、あるいは得させたいためだけに親権者を外国籍の親に認めるのは好ましいことではありません。

 

弊事務所としても、そういった意図での国際離婚におけるビザの変更申請は、推奨はいたしません。

 

3.親権者に指定されなかった外国人の親の面会交流権

 

親権者にならなかった場合に面会交流が認めれるかについては、以下の基準で判断されます。

 

・離婚後、親権者となった親が再婚し、再婚相手と子が養子縁組した場合は認められない。

・酒乱、暴力等、親権者でない者に問題がある場合は認められない。

 

・親権者である親と親権者でない親との間に激しい葛藤がある場合は認められない。

 

もっとも、国際離婚であっても法例21条が適用されるわけですから、面会交流権についても、日本人同士の離婚と同様の基準で判断されます。

 

4.国際離婚における面会交流権の公正証書記載

 

外国人との結婚された方でも離婚にともなうさまざまな権利義務関係は日本人同士の夫婦と同様の規定を受けますから、面会交流権も認められ得ます。

 

そこで、弊事務所でも、国際離婚(協議離婚)における公正証書を作成する際、その公正証書に面会交流権を定める規定を記載した経験もあります。

 

記載内容は、日本人同士の夫婦の離婚における面会交流権の取り決めとほぼ同じですが、子どもと面会する場合の費用負担などは明記するようにしています。

 

また、国をまたがっての面会交流権の実現のため、居住地を移転した場合の連絡報告義務、及び、面会交流の内容の妥当性(お泊り面会は認められるか、学校の休暇(夏休みなど)での遠出は認められるか、遠地での交流手段として、スカイプなどを利用して子どもと会話を認めるかなど)を慎重に吟味してゆきます。

 

なお、国際離婚の場合、外国人の配偶者が日本語を読めないといった場合、母国語の公正証書を作成していただけるのか、というご質問をお受けすることもございますが、基本的に公証役場で作成する公正証書は日本語のみの記載です。

 

ですので、記載内容を外国人配偶者に読んで言い聞かせたり、公正証書以外に別途母国語で記述した離婚協議書を作成して当事者意思の合致を形成してゆきます。

 

ちなみに、弊事務所では以下の言語に対応しております。

 

・英語

 

・中国語(簡体)

 

・韓国語

 

・タガログ語

 

その他の言語であっても対応は可能です。お気軽にご相談くださいませ。

 

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離婚・相続遺言家族法専門 東京行政書士うすい法務事務所

 

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