VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

藤和不動産のマンション事業

2007年07月03日 | 住宅業界
日本不動産ジャーナリスト会議の勉強会、今日は八重洲にある藤和不動産に伺い
マンション事業の取り組みについて、瀬川常務からお話を頂いた。
    司会進行は経営企画部の方々

まずマンション市場動向について、長期需要の予測から。
マンション供給数はファンドへの売却物件がどの程度見込まれるかにもよるという前提であるが
2020年まで増加する世帯数をベースに、マンション需要は今後10年程度大きく落ち込むことなく推移すると。

ただその需要は、シニアを中心にした単身世帯の増加やDINKS、2人暮らし親子など
コンパクト・マンションのシェアが65%位になると予測された(05年約48%)
またそこにはハードだけで解決できないサービスの充実が不可欠であると。

堅調なマンション市場ではあるが、足元では既に明暗が現れているようで
埼玉、千葉のバス便は苦戦中。近畿圏では5月度初月契約率が50%を切り「危険水域に入った」。

億ションエリアなど好立地では供給側の売り惜しみや1棟売却もあり、春の供給は前年度を割っているが
各社の仕込み状況からも、前年度増になる予測。価格もおよそ7-10%の前年増という様子。

次に藤和不動産の歴史と共に、自社の強みなどを紹介下さった。

1957年設立、老舗マンションディベロッパーの一つであり、SD・等価交換事業(‘76年)や公団住宅の建替え(‘87年)はじめ
新しい事業へのチャレンジを積極的に行ってきた会社である。

50周年を迎え新ブランド≪BELISTA(ベリスタ)≫を導入し  
製販一体の事業形態を崩さず‘手づくり感’のある住まいを実現すべく、4-4500戸の供給を着実に推進していくようだ。

私が感銘を受けたのは、女性の活用が進んでいる事。
女性営業も‘65年から採用し、現在ローン課は女性だけで構成され金融機関からも一目置かれる存在となっているらしい。
また現場の完成検査後の仕上げ検査を『チェックレディ』と呼ばれる主婦達が担い、女性ならではの厳しい目で好評のようだ。

面白かった取り組みは大型物件の『入居前コミュニティ形成促進』。
契約してから入居まで何年かかかるケースもあり、購入者としては売主と音信不通になれば不安になる期間であるが

こちらでは入居予定者を集めて、様々なテーマで交流会をセットしているという。「茶話会」「陶芸教室」「英会話」など。
その結果、入居時には既に顔見知りになった入居者同士のご挨拶で新生活がスムースに。
その上、セキュリティ面でも二次的効果があると好評のようである。

 
(左:ストーリーが書籍に収められた「フォートンヒルズ」。 
 右:会報誌「りぶ」はセンスの良い冊子。レシピに紹介されていた黒蜜寒天を逗子海岸で採った天草で作ってみようっと!)

勉強会の後、私は杉浦社長に思いがけず面会させて頂くことができた。
実はご縁があったにも関わらず、お互いウワサ(!?)だけでお会いできていなかったが
ご商談の合間をぬってお時間を取って下さり、感激。
女性活用の事に触れたら「ウチは女性に嫌われると成り立ちませんから!」と屈託なく笑ってお見送り下さった。