3月2日にMahidol Universityを見学しました!
3月の始めにも関わらず気温は30度超。
30分かけて歩いて行きましたが着いたときには汗だく。。
ただ病院は綺麗で冷房も効いていてとても快適でした。
日本にいる間にとてもお世話になったTari先生がこの大学で勉強しておられ、案内してもらうことに。
17階層の病院内をいろいろ散策しながら紹介していただきましたが、途中からTari先生の上司であるアジャンDr. Vipaが登場し、ケースカンファ勃発。(アジャンのスペルはなんと先生でも知らないという・・・笑)
Undiagnosed DMの40代男性。
不明熱とnon-productive coughの肺炎疑いで紹介され来院。X線でright lower lobe にreticulonodular and cavitary lesion. いろいろ質問し鑑別診断を挙げるも全て違うと却下。
答えはなんと
Melioidosis!!!!※
USMLEの勉強のときに名前しか聞いたことない病気がでるとは・・・。
実際に患者さんを診て診察もしました!
他にもNaegleria fowleriの患者さんもいる!と聞いたので、その患者さん見たい!っと思ったのですが、現在ではなく、過去に入院していたとのこと。
ただDr.Vipaだけではなく、東京城東病院以来のTari先生とのcase discussion。
さらに一度も見たこともない病気ばかりで、気温だけではなく完全に激アツでした!
Tari先生、お忙しい中、本当にありがとうございました!
また次の機会があれば是非よろしくお願い致します!
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PS M内先生、次の機会はもう無いです。まずは湘南鎌倉で徹底的に鍛えてもらってください。
※メリオイドーシスについて(管理人 注釈)
土壌や汚水で感染するGram陰性桿菌(Burkholderia pseudomallei)で、結核に似たような肺炎像だったり、潜伏期間が時に10年以上だったりと言われる非典型的細菌感染症です。Tropical medicineを学ぶ医師では知らないものはいないくらい有名ですが患者数は多くなく、タイやオーストラリア北部がEndemic areaです。ざっくり言うと、診断は通常の培養(感度低い)以外に血清学検査を行います。治療は通常はセフタジシム(Asiaでは)かカルバペネム(先進国)を用います。治療期間は場合によります。ゲシュタルト的には【タイ・北部オーストラリアの地域でDM(未診断が多い)患者が、発熱と呼吸器症状(細菌性肺炎から結核的な画像所見と幅広い)や肝膿瘍に類似した症状や所見でやってくる】というイメージです。この疾患に対する日本で一番の専門家はおそらく当臨床熱帯医学大学院出身の羽田野義郎先生です。