みなさまこんにちわ。
正直なところ、アラフォーでこのまま甘えていては自分が成長しない「やばい」という危機感と、どうにかGeneralism を日本の大学でも躍進させたいという強い思いがあり、憧れだったQuality Improvement and Safetyの大学院生になることを決意しました。
何度目?大学院だけでも多分4−5回目の入学なります。次はHarvard Medical SchoolのMaster of Healthcare Quality and Safetyというプログラムで、ハーバードで開講以来日本から初めての大学院生になるとのことです。よって、またICRT Dubaiの時のように情報が全くありません。自分が経験して情報を提供する義務を少しだけ感じています。
簡単に言うと、座学というよりも、病院内で起こる様々な問題を研究したり、実践的に対処したりする能力を養う、ならびに(研究や教育を)教えることができるようになることをGoalとしています。これは自分の大学教員としての経験と、今後総合医が大学で活躍する為に必要だ!という直感に極めてマッチしたことが一番の理由です。
掲げた志と学習の目的が完全一致したとも言えます。
話せば長くなるので、僕が出雲で悶々と一人悩んでいた答えはきっとこういうことなのだと今更ながらわかってきたように感じます。https://blog.goo.ne.jp/wataritari/e/3a8282223fdcd38c5ecfad150c039f0c
やはり人生にはトレードオフの時期があると思います。
今後僕と同じように大学で活躍したいと考えるずっと若いGeneralistがドンドン増えてきているなという直感と肌感覚で感じましたので、こちらにも情報を載せていこうと思います。
一番苦労したことは、夢を叶える為には、まず大型の研究費を個人で獲得しなければならなかったり、全てを遂行する為にはその上でHarvardの入学試験でも合格しなければならなかったり、何事も一人で始めることが多い僕の場合は他者には見えにくい苦労や問題が多いのですが、それでも”尊敬する上司の暖かい応援”や、師匠達はもっと大変だったはずですし、敬愛する兄貴たちは今でもずっと苦労しているますので、前に進むことから僕が逃げたら恥ずかしいなと大学でガスガス行くこと決意しています。
現在はCOVID-19の問題でVISAが半年延期、Harvardの全ての授業がオンライン化されるなどとんでもない時代ですが、それでも僕にはとってはチャンスだと思います。だって地方大学の現場で貢献しながらがっつり本気で死にながら学べる機会がありますので。
さて前置きが長くなりましたが、今日はなんなのそれ?とよく聞かれますので、Harvard Medical Schoolが提供している3つのプログラムを簡単にご紹介です。
この3つのプログラムのうち、左側のMMSCIは臨床研究に特化していて、MPHとは趣がやや異なって2年間の間に自分のテーマやラボで研究をPublishするまで徹底的に行う臨床研究化しまくったコースです(最近直感的に感じたのですが、日本の大学病院の先生方はこちらを望まれることが今後多くなるのかもしれません)。すでにジョンホプキンスのMPHを修了されたR先輩は臨床研究を学び体得する為に在籍されていたり、MPHと両方合格されたけど臨床研究を体得する為にこちらを選ばれたK先輩や、たまたまGCSRTでロンドンで2回も一緒だったM先生もおられたりと少し賑やかな羨ましいプログラムです。真ん中のClinical Service Operationは全く詳しくないのですが、医師、看護師、医療職の管理職の運営側の立場の人が学ぶいわば医療のMBA的な内容に近いかもしれません。実際にKenedy SchoolからHMSは数多く講師がきます。
さて、僕が所属する一番右のMHQSは
- Operational Quality and Safety
- Informatics: Clinical Databases, Electronic Health Records and Patient Portals
- Leadership and Change Management
- Quantitative Approaches
- Risk Assessment and Communication
の習得を狙います。すごいでしょ。リーダシップとChange Mangementって!!まさに自分のやってきたことです。
僕の場合は愛すべき島根に所属し続けたいと思っているので、同時に研究者としてもっともっともっと!結果を出して、がんばらねばならず、テーマを設定してCapstone projectで自分の好きな研究テーマを実施したいと思います。
さて数人に質問されました入学試験に関して記載しておきます。
MHQSへの志願する場合は、最低でもMDやMBBS等の医師資格やそれに同等する医療資格、ならびに最低でも3年以上の医療の質や安全系の経験が必要!?とのことでした(僕そんなんやってないけど・・・診断エラーやってますので立派にやってるはずと解釈しました)。理想はTOEFL 108点で最低でもminimum 100点)や IELTS 7.5程度を参考にしているとのこと。下記が実際の入学試験の内容です(これは公表可能です)
Personal statmentなどの普通の試験に加えて、ここが山です、練りに練った研究計画書を作成して提出します。(注意:どうも時期により問題が毎回違うのか、僕の時と比べて上の図は違うようです。多分ちょっとエッジきりすぎで不評?なので修正されたのかも)
Please answer the prompts below following the formatting guidelines provided.(This is an application writing for HMS MHQS)
- Briefly outline an unmet need that you have encountered in your professional interactions that would benefit from a focused clinical research project
(医療の現場で問題となっていることに対する臨床研究のプロジェクトを作成します)
- Explain to a potential funder why this research area is worthy of investment
(研究費獲得のために、なぜこの研究が価値があるのか盛り込んでください)
- Define what you believe to be the most important research question to answer
(この問題解決のためにもっとも重要なことを盛り込んでください)
- Describe a simple clinical study (feasible in your local research environment) that might begin to address this research question
- Outline the potential strengths and limitations of such an approach
(自分の環境で実現可能な、現実的なClinical Questionを作成してください、そしてこの研究がもつ強みと弱み(潜在的なLimitation)を書いてください)
これはMahidolで厳しい研究計画書の練習(よくバンコクのアジャン達に怒られまくりましたが、でもEndNoteもPubmed、SPSSも、統計の基礎も全てMahidolで学んだのは間違いありません。今でも日本人が医師が臨床研究を学ぶのにめちゃくちゃ素晴らしい大学院プログラムであったと思います)や日本の科研費申請や、GCSRTのWritting proposalで訓練されていたので自信は少しありました。それでも完成後に10回は読み直したと思います。また日本人研究者が好きな図も入れて良いかオフィスに聞いてOKというので見やすい図も付属で追加したのを覚えています。文字は800 words、Referenceは15個まで、文字フォントはHeveticaで12サイズと決まっていますのでこれらは厳守です。他には通常のCVやPersonal Statement、師匠に書いてもらった最強のRecomendation letterなどが必要でした。基本的にはいつもメンティーたちに教えているFINER CRITERIAなんですね!原理原則は変わりません。
コレが必要な項目全てです。が、これは他の試験も同一だと思いますので割愛します。
ということで、また新しいことを始めます。よく質問されますが、一体何がしたいのって??ほんとに、ご迷惑かけてすいません。わかっていますが、返答に非常に困ります。経験的に何度申し上げてもご理解いただけないことが多いので、自分のキャラクターが本当にバカっぽいし、単純で多動力全開で、能天気で、時々いやになります。
でも、実は答えは僕自身はちゃんと持っています。例えるならばGCSRTの最後の講義で教えてもらったこの言葉がぴったりです。
At first, they will ask why you're doing it. Later they will ask you how you did it.