エキスパートの診断戦略で解き明かす必ず押さえておきたい23症候
盟友であり心友の鋪野先生がいい感じの特集をされるとのことだったので、臨床推論学全開(もう研修医の先生はついてこれなくても知らない)で書きました。感覚的な良いものに仕上がっており、自分としては満足です。
どうも僕の原稿だけ無料で見本原稿として開放されているようで、(良いのだろうか!?ありがとうございます)
嬉しいことに、色々メッセージをいただきました。のでちょっとちょっと小出しにこちらにも。
**もし興味がある方は、一番下のURLから羊土社様のホームページに掲載されています。
ここがピットフォール:筆者が実施した1802例の日本の医療訴訟の解析では[胃腸炎、風邪、便秘]などのコモンディジィーズであると安易に判断してしまった場合に診断エラー関連訴訟に発展していました。このことからも嘔気・嘔吐の症状を見た場合には、その原因をしつこく考えることが重要であることが再認識されます。何故嘔気があるのか?病態を考える姿勢を持つことで、患者さんの情報を手にいれるスキルが身につきやすくなります。実は本稿で記載した鑑別診断の8割程度は病歴だけで十分除外が可能です。一方で、見逃してはならない疾患1,2つ程度は鑑別診断のリスト中に必ず入れるように心がけると見逃しが大きく減ることが既にわかってきています。
ここがポイント: Pub-Med検索をするときは、何千件とかの文献が引っかかってしまって困ったことはないでしょうか?その場合は、左側にあるAdditional filtersというところでCase reportだけを選択するようにするだけで自分の症例や鑑別診断と極めて類似した症例報告を集めることができます。またこのようにSQをいつくか複合的に検索するだけで、ほんとんどの診断困難例の診断名が列挙させることが多いです。ぜひ診断に困ったら行ってみてください。これをE-diagnosisといって、すでに診断学の方法として確立されている手法です。*
*Tokuda Y, Aoki M, Kandpal SB, Tierney LM, Caught in the Web: e‐Diagnosis. J. Hosp. Med 2009;4;262-266. doi:10.1002/jhm.462
羊土社様の告知見本原稿より https://www.yodosha.co.jp/yodobook/book/9784758116602/155.html
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