みなさまこんにちわ。
今日は医学部長とO先生と三人でBrain stormingをしました。やはり、一人一人の意識改革なくして、本当に医学生が求める臨床教育と忙しい現場でのポリクリでの教育(見学主体)とは乖離が出てしまうように思います。一つは臨床で日夜頑張りつつ収益を上げ、研究でも結果を出し続ける必要がある多忙な日本の医学部教員と教員のマンパワーがある米国などとの絶対的違いはあるかもしれませんが、【教育理論を振りかざすのではなく背中で語りながら実践し続ける】臨床教育家が大学には必要であると思います。その為にはやはりちゃんとした臨床力があることがまず前提かもしれません。(ちゃんとしたというのはGlobal standard でUPTODATE、Dyanamedeに少なくとも順次してその我が国との細かい違いが理解できたり、診断学を理解している程度のことでOKです)
とはいえ、各講座にそのようなHyper activeな人たちを揃えるのも難しく、本音では教育をする時間はもったいなく研究に時間をさきたい人も多いでしょうから、役割分担が重要かと思います。やはり教育機関として重要な教育に頑張る各診療科のエース達にはIncentiveを与える必要があるでしょう。
さて、色々な指導医に今の若い子達にどのように教えたら良いかと相談を受けることもチラホラ。
指導医講習会などでは、下記のように教えられており、島根県の誇るAll しまねの指導医講習会でもカード配布して胸ポケに入れてもらっています。
■臨床教育1分間指導法(Six Micro-Skills for Clinical Teaching)
1. Get a commitment(研修医の考えを聞く)「先生はどう考えるの?」
2. Probe for supporting evidence(研修医から根拠を聴く)「なぜそう考えたのかな?」
3. Teach general rules(一般論を示す)「ここで大事なことは・・・」
4. Reinforce what was done right(できたことをほめる)「特に、・・・は良かったね」
5. Correct mistakes(間違いを正す)「今度は・・・しようね」
6. Identify next learning steps(さらなる学習を勧める)「もっと勉強するとしたら・・・」
学生を指導するということは実は内視鏡のトレーニングを行うと同じように意識を持ってトレーニングする必要があると考えます、もちろん元とも才能的なものがあって、ノンテクニカルスキルが発達している人もいますが、スキルである以上は磨くことができるわけです。
また以外と認知されていませんが、我々医師は基本原則として「上の指導医から習ったように下に教える傾向」があります。
PubMedでもGoogle Scholarでもこれだけ論文や山ほどあるわけで、今の時代EBMに沿ってない変な治療をしたらフルボッコにあうわけですが、
こと教育はEvidence Based Educationに沿ってないことをやっても、なんとなくオレ流のやり方だから文句いうな的な雰囲気は許容されるのです。
教育とはやはり難しいものでEvidenceのみでも語れず、その学生の一人一人の興味やモチベーションや能力を瞬時に察知して
課題や学びの過程を調整しないと成長しにくくなるのも事実ですので、毎回毎回悩みの連続です。
ともあれ、いそがし医療現場でも短い時間で効率的な臨床教育は工夫すればできます。大事なことは、工夫しようと思うか、忙しいと諦めるか?の差が大きな分かれ道になっているような気がします。今日はこの辺りで。
なんか写真撮影をいっぱいしてもらいました。
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