第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、出雲、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

double-tongue sign&Black hairy tongue sign の論文

2022-08-25 23:27:57 | 総合診療

 

みなさま、こんにちは!和足です。ミシガンは随分涼しく早めの秋がきました。出雲の美味しい海の幸が懐かしいです。

新しい大学総合診療運営の形として島根のNEURAL GP networkも随分と活性化してきました。

これまでなかった出身大学、年齢、役職など無視して各自にリーダーとして動いてもらうティール組織構造です。

いやぁ、離島でも、島根でも、インターネットで物理空間すら問わない便利な(僕にとっては過酷な)時代になったものだと思います。

 

さて、今日はしまね総合診療センターのチーフレジデント吉村なみ先生が執筆された舌診の身体診察論文がCLEVELAND CLINIC JOURNAL OF MEDICINEから出ましたので紹介させてください。

 

実は彼女が後期研修医として最初の5ヶ月間で、毎週彼女の初診外来を背後霊のようにベッタリと毎週指導させていただいていました。非常に患者さんへの共感的態度が素晴らしく、その時に「先生〜、見たことない所見があります〜!」と毎回色々と相談くださっていたのですね。

 

初診外来はフィジカルという武装を行って興味深々に待ち構えていることで全てが学びになるし、毎回楽しいのだと少しは感じてくれたのではないかと思います。

 

シンプルですが、県立中央病院の先生方の力作です。  

スクリーンショット 2022-08-23 16.59.02.png

https://www.ccjm.org/content/89/8/435.long

 

総合診療医たるもの舌診を大事にしており、Ludwig angina でdouble-tongue signを見つけ、抗生剤を使用しているうちにBlack hairy tongueの所見が現れたというあまり米国ではあまり着目されていない舌の身体所見です。

 

ちなみに、この所見は日本では二重舌として耳鼻科や口腔外科の先生たちには常識ですが、double-tongue signと勝手に名付けて、以前僕と師匠でBMJ Case reportから発表していました。

 

https://casereports.bmj.com/content/2018/bcr-2018-225559

口腔底の占拠性病変に特に特異度の高い所見だと僕は確信していますが、感度・特異度は分かっていません。

 

他には、我が家の坂口先生とも以前Black hairy tongueをJGFMから発表して楽しんでいましたので、どちらも島根では結構知られている身体所見です。

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/jgf2.300 

 

ということで、タテ・ヨコ・ナナメの僕らの島根のNetworkだとこのような臨床に直結した論文であればいつでも楽しく簡単に発表できるので、県内でも、県外でも、国外からでも、遠慮なくご相談ください。

 

 

 



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