ヤマハ旧車 空冷2気筒 4ストローク1サイクル SOHC GX & XS Heritage Special 破壊ブログ

ポイント式バッテリー点火・セル&キック併用式・リターン式6段変速・前後ディスクブレーキの旧いオートバイです。

シリンダーヘッドカバー交換

2018年06月05日 14時44分00秒 | ヤマハ GX
ガスケットリムーバーとヘルメシールが届いた所で、シリンダーヘッドカバーの交換を再開します。







先ずはGXのエンジンから取り掛かります。
シリンダーヘッドカバーにエンジン内部から負荷が掛からない様に、予めクランクシャフトを回転させて、全てのバルブが閉じる位置まで回して固定しておきます。

固定したらGXのシリンダーヘッドカバーの液状ガスケットにガスケットリムーバーを吹き付けます。すると…
勝手にパカッと外れてくれました\(^ω^)/
これは便利です。
外れたシリンダーヘッドカバーを見てみると…
残念な事にタコメーターハウジングが破損していました(T_T)






何と真っ二つに割れています( ̄▽ ̄;)
良く見るとタコメータードリブンギヤはほんの少し軸が曲がっています。恐らくこれが原因で、GXのエンジンは回転数取出し口からオイルが漏れていたのでしょうd( ̄  ̄)
なぜ破損したのかは分かりませんが、これでは使えないのでこのパーツだけXSのエンジンの物を使う事にします。

次に車体に取り掛かります。
フューエルタンクやコンタクトブレーカー、ガバナーを取り外します。
全て余分なパーツを外したらXSのエンジンのシリンダーヘッドカバーも同様に開けてみます。











こちらも簡単に開きました\(^ω^)/






取り外したシリンダーヘッドカバーから、使えるタコメーターハウジングとタコメータードリブンギヤを取り外します。
シリンダーヘッドカバーの交換ついでに、上の写真の○で囲ったカムシャフトのオイルシールからオイル漏れしていたので、こちらもGXのエンジンから移植します。
GXのシリンダーヘッドカバーを組み付ける前に、上の写真の↑の所など、合わせ面にへばり付いている液状ガスケットを剥がします。
綺麗に剥がれたら更にオイルストーンで面出しをしてヘルメシールを塗り、シリンダーヘッドカバーを閉めます。
パーツリストを見ると、シリンダーヘッドカバーを締め付けるボルトにはワッシャーを2ヶ所使っている様です。しかし私のエンジンにはGXもXSも共にワッシャーが付いていなかったので新品を取り寄せます。




シリンダーヘッドカバーを取り付ける際にこのワッシャーを忘れずに取り付けるのですが、海外版サービスマニュアルには

Place the camshaft cover in position and insert the bolt.note that the two bolts fitted the extreme left-hand side of the camshaft cover each have a single aluminium washer.

とあります。しかしパーツリストの図では世界共通でこのボルトにワッシャーを噛ませる様になっています。
↓↓




サービスマニュアルとパーツリスト、果たしてどちらが正解なのでしょうか(ー ー;)
シリンダーヘッドカバーを良く見てみると色々な考えが浮かびます。
シリンダーヘッドカバーの一番左側のポイントカバー側にある、2ヶ所のボルトの取り付け箇所を見てみます。




他のボルト取付け箇所と比べると少し凹んで奥まっています。
私の個人的な予想ですが…
シリンダーヘッドカバーを締め付けるボルトが万が一焼き付いてしまった時、この形状ではバイスプライヤー等の工具が入り辛く緩め難くなってしまいます。
恐らくその事態を想定してのワッシャーなのかという考えに辿り付きましたd( ̄  ̄)
合っているかどうかは知りませんが…
カンを信じてワッシャーをポイントカバー側の2本のボルトの方に付け直したいのですが、やはりここは重要なところです。ヤマハ発動機のカスタマーコミュニケーションセンターに電話で確認をしますf^_^;

すると…女性の方が電話を取って下さったのですが、何と当時GXのエンジンを組んだ事のある、GXに詳しい男性の方とお電話を代わって下さいました。

男性の方
「あれ?何だ?このパーツリストおかしいなぁ?
俺こんなところにワッシャー噛ませた事無いぞ?
このエンジンのシリンダーヘッドの締め付けボルトのワッシャーは一番左側に噛ませなきゃダメな筈なんだけどなぁ。
すみません、お待たせしました。
本来、GXのシリンダーヘッドカバーの左側にはガバナーやコンタクトポイントが取り付けられるタイプのエンジンの為に、締め付けトルクを安定させる必要があります。ですのでシリンダーヘッドの締め付けボルトの一番左側の2本にワッシャーを噛ませて下さい。真ん中の2本のボルトにワッシャーを噛ませても何の意味もありません。
パーツリストが間違っています。これからもサービスマニュアルに従って整備して頂いて大丈夫です。」

との事でした(*´꒳`*)
何と、サービスマニュアルとパーツリストを片手にお電話に出て下さったのですΣ(゚д゚lll)
こんな40年以上前のバイクのサービスマニュアルとパーツリストをすぐに引っ張り出して来れるとは驚きです。
ついでにサービスマニュアルには載っていない、色々なパーツのボルトの締め付けトルクも聞いちゃいますψ(`∇´)ψ
私は丁寧に御礼を伝えて電話を切りました。

私の考えたワッシャーを噛ませるボルトの位置は合っていましたが、確認して正確な理由が分かって良かったですσ(^_^;)
早速整備に戻ります。






付け直しました。
次にボルトを規定トルクで締め付けていきます。GXの国内版サービスマニュアルには、シリンダーヘッドカバーのボルトの締め付け順序の記載がありません。
適当な順番で締め付けるのは個人的に抵抗がありますので、海外版サービスマニュアルを参考に締め付けていきます。





シリンダーヘッドカバーが閉まりました(*´∇`*)
ガバナー、コンタクトブレーカー、ポイントカバー、フューエルタンクを取り付けていきます。
それではタコメーターケーブルを取り付けたいと思います。








付きました\(^ω^)/
これでやっとエンジンの回転数が分かります。
それでは…とエンジンを掛けたい所ですが、ヘルメシールを塗ったばかりです。硬化するまで暫く待ちたいと思います。
何処かを壊して無いか、組み付け方を間違えてないか、エンジンは掛かるか…等々不安になりますが、ここはエンジンを掛けて確認したい気持ちをグッと堪えてバルブクリアランスだけを調整して終わりにします( T_T)\(^-^ )