憂生’s/白蛇

あれやこれやと・・・

依存・・・2

2022-09-10 14:02:47 | 依存・・・  憂生中事実


今、思うと本当に馬鹿であり

純粋だと思う。

だが、こういう馬鹿だから、できた?ことだったかもしれないとも思う。

彼の申し出は

ー自分は脳腫瘍で、手術をうける。

憂生みたいに応援してくれる人がほしいー

と、いうことだった。

それは、意識をなくした彼女に対する憂生の応援をみて

彼もまた、確率的に低いとされる手術に望むための勇気を与えてほしい

と、いう意味なのだろう。

憂生としては、

彼女のご主人の必死の思いが胸に沁みている。

そして、彼は自分でしか応援を頼めない。

いたく、同情して、憂生は彼女のときのように

みんなに呼びかけた。

 

病院に入院した彼はメールをよこして

今の状態と

憂生、ありがとう。

みんなのメッセージが届いている。

そんなことを告げてきた。

 

ご丁寧にまたもそれを皆に伝える。

他に頼むものがいなかったのか?と思わぬでもない。

サークルに何十人と人がいて・・・。

だが、頼れる人間が居ないからこそ

憂生にショートをという事になるのだろう。

結局、リップサービスの上っ面だけの付き合いでしかないか。

ある意味、あわれな男でしかないとも思えた。

 

ところが、

そんな応援依頼メッセージを掲げて三日ほどしたときだった

ーそのメッセージをとりさげてくれませんかー

と、知らない人から、メールがはいった。



わけもわからず、簡単にはとりさげられない。

こっちだって、真剣にかんがえてやっているのだから・・。

とか、答えたと思う。

すると、

ーまた、脳腫瘍とか、いいだしてるんでしょ?

それ、彼の嘘です。-

と、言い出してきた。

そのあたりに対して、憂生もどう答えたか思い出せないし

なぜ、もっと突っ込んだ話になっていったのか

そこも覚えていない。

ただ、いろいろ、メールを交わしたところ

わかってきたことがあった。

ー彼はネット依存症でネットの中の自分を自分だと思い込んでいるー

つまり、演じているのでなく、

ネットの自分が自分ということになる。

そして、メールの相手は自分を女医だといった。

彼を診ているとも。

そして、彼女から弾劾ともいう一言があった。

ー私は彼のために月に何度も彼の元に往診しにいっているー

もう少し違ったかもしれない。

つまり、憂生が彼女のように、行動としておこすことができるか?

ネットで彼の世界を助長させるだけしかできないものが余計なことをしてくれるな。

と、いう言葉だった。

だが、憂生はひとつの違和感を感じていた。

ネットをやめさせればいいじゃないか?

と、いう思いは、先に尋ねていて

ーやめさせようとすると、彼はネットがなくなったら、死ぬというー

本当にとりあげて、死なれでもしたらいけない。と思うほど

彼の病状は重篤であったということは理解できていた。

だが、それならば、

彼にとって、良くないからたとえばメッセージを取り下げてくれというのは

勝手な言い分ではなかろうか?

なにが、いいたいかというと

あえて、彼が狂人であるということを

彼に関わる人間にしらせておかずに

悪く言えば、こちらはだまされたというか

被害者みたいなものでもある。

そういう被害をみすごしにしておいて

彼の狂いがひどくなるからやめてくれ。と、いうのは

勝手な言い分ではなかろうか?

だが、憂生もそういう事に疎い人間であり

持論でもある

だまされるほうに非はないかという考えでいけば

憂生こそ、ぼけなすでしかないわけだから

そこはいえることではない。と、考えたのと同時に

彼をなんとかできないか?

狂いから引っ張り揚げれないか?という

いつものくせが出てきていた。



10
ここも憂生は自分でも不思議だと思う。

なぜか、その女医と称する人間に対して質問を投げかけていた。

ー彼の狂いは、父親との確執のせいではないですか?-

と。

まず、本当の根本的な心の病巣を癒すことをせずに、

あたりさわりのない治療をおこなっても、

治らない。

と、思えた。

これは、彼の魂が・・を読んでくれた人にはわかりやすいかもしれない。

本人が確執を抱え込んでいては

死んでさえも、浮かばれずに居る。

その思いが重石になってそこに留まってしまう。

だから、その確執が何かを知ることで

彼の魂が・・の幽霊のように

確執を取り除くこともできるかもしれない。

ところが

女医は確執が父親との間にあることは認めたが

その内容を話すことについては

家族の同意が必要だといいだした。

女医が他のことでもかなりのことまで、打ち明けてくれているのに

その一番の病巣になる部分は家族の同意が必要だといいだす。

ひとつには、憂生が確執を取り除けるかもしれない案をだすかもしれないという思いより

単純に、彼という人間への興味本位で尋ねているだけととらえたか

素人になにがわかるか

ましてや、かけつけるという行動をおこすこともできないくせに

と、いう思いがあったのかもしれない。

どちらかというと、

憂生はむしろ、この女医のほうが、心配になったところがあった。

どういえばいいだろう・・・。

実際、自分がなんとか治したいとおもっていたら

父親との確執か?とみぬくような人間なら

なにか、いい案がでてくるかもしれない。

話して聞いてみようか?

万にひとつでも、なにか打開策のヒントになる発言があるかもしれない。

それこそ、藁にもすがるというような必死さが薄いように思えた。

それが、医者なのか。

と、いう思いがわいてきて、憂生はひょっとすると

女医は彼の女房さんではないのだろうか?

と、いう気がしていた。

無論、実際のところはわからない。

そして、もうひとつは

確執をこじあけるのをあまりに畏れているともみえた。

ネットをとりあげたら死ぬかもしれない。

と、いうのに、似た、畏れに見えた。

 

相手の膿をだすのに

痛い思いをさせずに、膿をだせるわけはない。

痛みを与えることを畏れるあまり

膿が広がっている。

そこに問題があるような気がしていた。

いいかたを変えれば

まわりの人間の腫れ物にさわるだけの態度こそが

彼の狂いを助長させていたようにさえ思えた。

 

それが、結局、サークルをつくり

そこのボスになり

居心地の良い場所をつくらせ

何もしらず彼を敬愛する人間をつくりあげる。

ネットがなかったら死ぬという言葉におびえ

たとえば、彼のサークルに集う人間に

事実を話し、さっていかせるようにしむけることもできただろう。

居心地の良い場所を提供し

多くの人間に事実をふせ

彼の世界を構築させているのは

あなた(たち)じゃないか・・・。

そういう思いが憂生にひしめいていた。

 

だから、家族にという言葉で1クッションおこうとした女医に

憂生は断った。

彼が大事でまわりの人間の気持ちを考えられない状態

すまないという気持ちがでてこないというか

だまされたままでいてもらうしかないというより

憂生への最初の態度のように

だまされるものが悪い。きがつかぬものが悪い。

かのようなものの言い方。

まるで、こっちが加害者かなにかのように

彼の世界を助長させる手助けをするだけだ。

と、自分たちが被害者に摩り替わっている。

 

不感症のようにだまされている(信じているというべきか)人間への

すまなさもみせず

彼の行状の監督不行き届きをわびるでもなく

どう考えても

普通の感覚ではない。

 

自分も彼の狂いによる被害者なのだという立ち居地にいるかのようにさえみえた。

まるで、

それをしたら、私がお父さんになぐりとばされるという恐怖から

ーあんた、よけいなことせんどいてよーと文句をいわなければならない。

そんな物言いにみえた。

 

だが、それも、なぜなのか判った。


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書きながら、考えていた。

憂生が何故、彼の狂いの元に父親との確執があるとおもったのだろうか?

と。

それは・・・。

たぶん、彼の記事を読んだせいかもしれない。

そこには、無論、女房さんの存在はなかった。

だいぶ前にかいたことだが、

あの男にちかずくなと警告をはっしてくれた人間がいた。

今かんがえなおすと

その人間は憂生のことを女だと思っていたのではないかと思う。

その警告のときに

彼には女房がいて、子供が二人?いる。

と、いっていた。

憂生が女で、彼にのぼせあがっていると考えたのではないだろうか?

子供まで居て・・かよ。

よほど、辛い確執があったとしか思えない。

その確執がなんであったかはわからないが

ただ、彼の記事には女房さんもでてこず

もうひとつ、父親もでてこなかった。

母親のことはかいていた。

家も裕福なようで、床の間が映りこんだ部屋の写真があったが

かなりの立派な家のようにみえた。

それは、警告の通りをしんじるなら、

途中で会社勤めをリタイヤした彼では建てられないとおもえた。

誰がたてたかといえば、つくりがまだあたらしいようにもみえたから

彼の父親もしくは祖父だろう。

その二人とも、彼の記事にはでてきていない。

祖父はあるいは、亡くなったのかもしれないと考えれば

話にでてこなくても不思議ではないかもしれない。

家族構成まで話す必要もないが、

やはり、居るだろうに、女房さん同様、話にでてこない。

そして、まあ、独身男のほうが

サークルによってくる女性もふえる可能性があるだろうから

女房さんのことを伏せるのもわからないでもないが

父親の話がでてこないことから、

彼の確執は父親に関わるとおもったのだと思う。

奇妙な違和感としてのこっていたのかもしれないし

触れられたくないことには

自分からもとおざけておくという心理をおもったのかもしれない。

 


12

とりあえずは、メッセージをとりさげておいたが、

憂生はもうひとつ、きがかりをみつけてしまった。

彼のサークルの中に何人か知人がいた。

ほかにも、彼の記事にコメントをよせていたり

彼が話しかけてくれたと喜んでいた女の子の知人がいた。

どうしようか迷った。

だが、話しておこうときめた。

最初に話したのは、男性だった。

まず、たずねた。

「おまえ、あいつのサークルにはいってるけど、あいつのこと好きなのか」

変な意味(BLとか・・)に誤解しないでほしい。

本当に好きでいるのなら、なにをきいても、その気持ちは変わらないか

あるいは、事実を聞いて、何らかの援助、

それは見守っていこうというものも含めて

何らかの良い思いを持つことができるかということである。

そこを確かめなければ話せなかった。

すると、その男性は

「好きですよ」とあっさり、肯定した。

ならばと思った。

そして、事実をはなした。

そして、憂生の考えもはなした・・かな?

結局、居心地の良い場所、彼への協賛はかえって彼の世界を頑強なものにする手伝いにしかならない。

本当に好きだと思うなら

去っていくほうを選ぶの本当ではないだろうか?

お前の気持ちは憂生が判っているから

一端は離れて、彼の復帰を祈ってやってくれ。

と、そんな風なことをいったかどうかも覚えてないけど

とにかくは、その男性はサークルからぬけて、彼からはなれていった。

あとの人は、おつきあい、リップサービスという

簡単なというと失礼かもしれないが

処世術のような、おもしろそうだなという感覚くらいだったようで、

憂生の話をきいて

できるだけ、かかわらないようにする。

彼のほうが話しかけてきたのを断るというような態度も良くないだろうから

自然とはなれていくようにする。

と、いうと

ー良くなることを祈ってるーと付け加えた。

そういう思いになってくれる人もいるということを

あるいは、そういう風におもってもらえるように

女医や女房さんが手をつくすこともできるだろうに

と、思っても居た。

なにゆえ、そんなに、彼の構築した世界を助長させるのかと

どなりつけてくるのか、

やはり、少しは縮小させていくこともできようし

あえて、見守りたいと残るひともいるだろうにと思えば

なおさら、なにかしら、女医たちが人をしんじられないようにみえて

その感覚がなおさら不思議におもえた。

 

それが、次の日にわかった。


13

どうやら、女医も憂生を「女」だとおもっていたようだった。

そうじゃないかもしれない。

じゃなけりゃ、そんな話はしない・・だろう。

最初にはなしてきたのは

ー彼はなにか、窪みや凹みをもっている女性をかぎつけるのに長けていたーと、いう言い方だった。

つまり、憂生も女性で、かつへこみや窪みを持っているから、

彼がかぎつけてよってきた。

というふうに、取れた。

その続きが正直、そこまで話していいのか、わからないが

ー彼のそういう能力で、二人の女性が被害にあい、

奥様がいらっしゃるとしって、

一人は自殺、たすかったけど。

一人は精神的にだめになって、私のところで預かっているー

憂生が彼に好意をもっている女性であると考えるのなら

あえて、こんなことはいわないのではないかとも思える。

が、そんなことはどうでもいい。

それでか、と、思った。

それで、サークルに入ってる人間に対して

警告をはっさないのも理解できた。

実害がないからだ。

憂生がメッセージをだしたのをみて、

女性だと考え

3人目の被害者になることを恐れた。

へたなことをいうと、前のふたりのように、

自殺したり、精神錯乱をおこしたりして

どうにもできなくなる。

と、でも考えたのではないだろうか。

ただ、女医はこういってた。

ー貴方の記事も、作品もすべて、目をとおしましたー

はっきりいって、膨大な量だったとおもう。

すでにそのころで、作品は60編もっていたし

記事も毎日5~7~10記事、毎日かかさず書いてる。

その記事をよんだからこそ

憂生にすべて?を話す気になったとも思えた。

だが、その女性の被害者の話がますます、憂生を怒らせてしまったかもしれない。

うまくそのときの感情を説明できないのでかもしれないとかいている。

どういっていいか・・・。

そんな被害をどうのこうのいうんじゃない。

それは、何度か書いたように

だまされるほうも、自分に落ち度がある。

自立できていないというか、

なにかに、依存しなければならない弱さがある。

だから、彼という依存相手が実は狂っていたとか

奥さんがいたとかで、簡単に依存精神ごと自分を崩壊させてしまう。

どこまで、彼が好きだったかでなく

彼に好かれていることに立脚している。

本当に好きだったら、私が立ちなおさす、

私がささえる、奥さんがいても協力したい。

と、いうのじゃないか?

憂生のいう事はきれいごと

あるいは、

強い人間の考え方かもしれない。

結局、彼女たちも

幽霊にとりつかれる人間のように

とりつかれるだけの「思い方」しかもってなかったといえる。

鉤がなければどこにもひっかからないのとおなじで

ひっかかるには、ひっかかるわけがある。

女医のいうとおり、

窪みや凹みをもっている女性という言い方はそのとおりだろう。

だからというのではないが、

もうしわけないけど

だまされるほうにも、落ち度がある。

で、あるから、

サークルの人間たちに警告を発しないのもわからないでもない。

世の中、そんなに甘くはない。

と、いうことだろうし

いずれ、サークルの人間もはなれていくだろうから

わざわざ、嘘をしんじていたのよと告げる必要もないだろう。

が、

そんな被害をだしていることさえ、

自覚がない、そんな廃人同様なままの彼で

一生をおえるのか?

それも、女医たちがオブラートにくるむように

彼を護り続けて?

ーおまえ、それでいいのか?ー

ふいに、憂生の胸にわいた思いはそれだった。



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