「うわ!!」
驚きたいのはこっちだ。
「うわ・・そんな恰好してても、色気ひとつねえ!!驚嘆すべき事実だ」
ご挨拶だねえ・・・。
「あんた・・頼むから、シャワーくらいあびてよ」
「うん・・今から行く・・」
はあ・・・って大きなため息をもらしてやった。
とたん、
「どうしたん?なんかあった?」
お見事。このずうずうしさととふてぶてしさ・・。
「別に」
「あ、そう?」
って、そのまま、シャワーあびにいってしまった。
心配する気さえないんだから・・と、
文句もでてこないのは、あてにしてないからだけど・・。
奴のことだ、また、弟ですって、管理人に鍵をあけさせたんだ。
いろいろ、カメラのことで、借りがあるから、
大目にみてるけど、ずうずうしいのも程がある。
でも、まあ、微妙なところではあるけど、姉さん気分にひたれるのは悪くはない。
それに奴の撮影技術もセンスも群ぬくものだし、
なによりも情熱がある。
正直言うと、そこだけは、手放しで尊敬している。
奴がシャワーをあびてる間にパジャマにきがえて、
もう一本ビールをあける。
頭の中で夕焼けのモスクと右端の子犬を連れた小さな女の子の
トリミングが浮かぶ。
編集長は小さすぎるから、カットしたほうが、いいという。
モスクの夕映えで充分すぎるほど冗舌だという。
点描になってしまうほどの女の子が、犬を連れて歩いてるのが味噌だというのに、引き下がらない。
生活のない風景は嫌いだ。と、いえば、
そんなものが理由になるか。って、いいかえされた。
ーモスク自体が生活の象徴であろう。
夕日という大自然の中、人間の作ったものにも平等に光をなげかけていく。
太陽信仰こそが、人類の歴史であり、今も変わらず、人々の営み、自然、人工物、すべてを包み込む。ー
だからこそ、犬を可愛がる余裕のある「ひととき・瞬間」を対比させたいんじゃないか。主張しすぎず、風景の中にとけこむ・・
あれ?
洗濯機の音?
げ?
あたしの・・・もの・・
乾燥までしていたはず・・。
あわてて、バスルームにはいっていったけど・・。
最悪・・・・。
奴は中も確かめず、こぎちゃないジャケットやパンツや・・なにもか、
つっこんだにちがいない。
「なんだ?覗きか」
バスタオルをまといつけていた奴があたしに言う科白がこれ。
あげく・・。
「お、遠慮なくみせてやろう。おまえ、男みたことないだろ」
馬鹿にした科白をはかれて、
「みあきてるわよ」
と、いいかえしてやったら、じゃあ、平気だな・・・って・・。
バスタオルをさ~~と、たくり上げだす。
まじ?
からかってるだけよね?
そこらへんがわからない奴だから、私は
バスタオルが奴の腰から消え去る前に
むきを変えようとした。
途端、
「あ?おまえ、本当は、こわいんだ?」
ば・・・ばかたれ!
あんたのものなんざ、怖いじゃなくて、きちゃない!!だけ。
「みたら、眼がくさる」
いいかえしてやったら、すこし、しゅんとした。
いやいや、こいつのことだ、だまされちゃいけない。
「そうかあ・・・。女の子はみんな・・うっとりするんだけどなあ・・」
それが、「シュン」の理由?
「あ、そっか、チサトはまだ、女じゃないんだな。やっぱし!!」
事実を言い当てられて、ひるみをみせちゃあ、そこにくらいつかれる。
「は?どれだけのもので、えらそういってんのよ。ぼうや!!」
とたんに奴はバスタオルをとりはらった。
「こ~~~~~んなの」
と、言ったあとの奴の馬鹿笑い。
「チサト、目ぇ、つむってちゃ見えないよ」
しっかり、未経験を暴露してしまったようなものだった。
ここは、女の武器で、反撃用意。
「そうよ・・あたしなんか・・・」
めそめそとうつむいて、しょぼしょぼと口の中で、つぶやいておく。
「あ・・・」
口ではえらそうを言ってるけど、こいつも実は女に慣れていない。
「あ・・チサト・・ごめん」
「いいの・・どうせ・・私・・魅力ない・・も・・の」
我ながら、迫真の演技。
「そ・・そんなこと・・ないよ・・。チサト、けっこう、いろっぽいし・・」
必死の慰めもどこか安っぽい。
「おっぱいなんか、小さいくせに、なんか、いろっぽいよ」
はい?
「やさ男みたいにみえるくらいなのに、変に色気あるし・・」
なぬ?
「後ろから、見たときなんか、ふるいつきたくなるし・・」
前からは見えんってかあ!!
むかっ腹たって、奴をなぐってやろうと我をわすれた。
うつむけた顔をあげると・・。
やられた!!
奴は最初から、きっちし、パンツはいてた。
まじ、おちょくられてる。
顔をあげて、パンツをみてる私ににたにた、笑いかけると
「残念でした~~~~~」
どうも、私の迫真の名演技もみやぶっていたようだ。
ん?
つ~~ことは、さっきの科白は、わざとか~~~~~~~!!
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