憂生’s/白蛇

あれやこれやと・・・

チサトの恋・・1

2022-12-20 12:57:14 | チサトの恋

編集長の見解と私の意見が食い違い、
説得と説明と疑問と反論。
その繰り返しで、へとへとになって帰ってきた。

実にささいな・・トリミングの差・・これで・・

ああ、まあ・・もういいや。

とにかく、私が一歩もゆずらず、印刷所にGOしたわけだ・・し・・

あれ?

私の部屋・・ブラインドが開いてる?

と、いうことは・・・・・。

また、あいつだ。

大急ぎで部屋の鍵・・・。

いや、待てよ・・・。

ドアノブをまわしてみる。

案の定・・・。

ドアに鍵もかけずに・・。

あがりこんで・・・。


あっ?あああああ・・・。

大事な事をおもいだした。

先週、上物のアウスレーゼをかいこんで・・

ヤバイ!!

玄関を開けた途端、
なに?この臭い。
どぶ川だって、こんな奇妙な臭いをさせてやしない・・。

犯人はあいつの・・この靴・・。

いやいや、こんなものにかまってるわけにはいかない・・。

部屋の中にはいってみると、あいつの姿がない。

「ちょっとお」
呼んで見たけど返事がない・・・?

え?

が~~~?

げ?

まさか・・。

今のは、いびき?

って・・・?

私はあわてて、ベッドルームにとびこんでいった・・。

きちゃない靴下がぬぎちらかされてて・・
なんか・・部屋にも異臭・・

え?

わ!!

わ・・・・・わたしのベッドに・・・

あいつがねてる~~~~~~~~~~~。

だのに、私も馬鹿だ。

きもちよくいびきをかいてる奴をおこすのも気の毒・・。

は~~~~。

くさ!!

あ!

ワイン・・・。

あわてて・・・キッチンにとんでいった私がみたものは、

ワインラックの中の空間。

げ?

それもまちがいなく、この間かったばかりの・・

涙がこぼれそう・・。

こうなったら、いじましさも手伝う。

奴はリビングのソファーで・・のんだに違いない。

まだ、残ってるだろう。

かすかな期待をもちながら、リビングのソファーのむこうの
ローテーブル・・・・。

あったよ・・。

空瓶が・・。

一人で一本そうなめにして、気分よく、
私のベッドにもぐりこんだ?

え?

上等じゃない・・・。

さっきのかわいらしい気使いなんかどっかにふっとんで、
ベッドルームにもどると、
きちゃない靴下の端をつまんで
奴の顔をはたいてやった。

「やめろよ・・あとでな・・ん・・」
なに?それ?
少々じゃおきないのは、わかってるけど、
今の科白、女?
おもしろいからたしかめてみた。
靴下でそっと奴の顔をなでまわす・・。

「俺・・・疲れてるんだ・・って」

はい?

さらに首筋・・あたりに靴下をすべらす・・。

「判ったよ・・ほら・・来いよ・・」
って、まだ、寝ぼけ半分で手をのばしてくる。

あんたの恋人もあんたに負けずおとらずくさいんだね。

そうつぶやいて、靴下を鼻のうえにのせてやった。

「チサト・・ほら・・」

げ?

なに?あたし?

あたしが、あんたの恋人?

あたしがくさい?

いや、くさいなんか、問題じゃない。

なんで、あたしの名前なんか呼ぶのよ・・。

かんべんしてよ~~~~~~。


「チサト・・ほら・・ここで・・しろよ」

へ?
なにを?

寝言に返事しちゃいけないってきくけど、このさい・・いいか・・。

「なにをするのよ」

「うんこ」

へ?

「うんこ?」

「はやくしないともらすぞ・・さっきから、おまえくさい・・」

ば・・・・ばかっ!!
くさいのはあんたの靴下のせい・・・。

なんの夢みてんのか・・。
キャラバンくんで、野営地に撮影しにいったゆめかな?
あそこは男ばっかりでトイレの囲いもなくって、
こまったもんね・・。

あたしは、奴をそのまま、ほったらかすことにして、
シャワーでもあびて・・・。
ソファーで寝るしかないか・・。

あいつをベッドからたたきだしたってくさくてねむれないし・・。

布団はクリーニングだな・・。

なんで、せめて、シャワーを先にあびてくんないかなあ・・・。

シャワーをあびて、冷蔵庫の中からビールをとりだして・・

はあ・・・・。

カマンベールの箱がない・・。

サラミソーセージも・・。

・・・。

ナッツ缶はソファーテーブル・・。

ないだろうな・・。多分。

しかたなく、ビールだけ・・。

くいっと一本あけて、着替えようとおもったら、
奴がおきてきた。



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