ぶらつくらずべりい

短歌と詩のサイト

短歌人九月号「空白」鶴田伊津

2010-09-16 05:16:09 | 平成22年短歌人誌より
スカートに夕立の力溜めながらわたしのかえる家に走るよ

傘を忘れたのだろう。走って家に帰る。夕立の力をスカートに溜めながら。まるでスカートが傘にも思える。「わたしのかえる」が何故、ひらがな表記なのか。少し読むときにもたつかせるためだろう。そしてこの部分がこの一首の臍なのだ。

パピルス 阪森郁代「空の棚」

2010-09-16 05:15:38 | クンストカンマー(美術収集室)
このほうがむしろ落ち着く来てみればいまだに蕾ばかりの苑

五句が六音で唐突に切れる。それがどこか落ち着かない。歌の内容は落ち着くとあるが。花が散った後ならむしろ落ち着くのかも知れないが、蕾にはこれから咲く予感があるため深層心理では落ち着かないのではないか。