<以下の文を復刻します。>
日本で最も有名な詩が『雨ニモ負ケズ』だろう。これはもちろん宮沢賢治が書いたものだが、原文は漢字交じりのカタカナ書きである。作られたのは1931年・昭和6年とされる。賢治愛用の黒い手帳に記されていた。
私はこの詩に人間の一つの原点を見る思いだ。ただし、私には「決して怒らず」などということはできない。不義や不正を見れば怒って当たり前だ。しかし、この詩は私を、いや人々を惹きつけてやまないものがある。あまりにも有名な詩だが、現代文で以下に掲載しておこう。
雨にも負けず
風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ
丈夫なからだをもち
慾はなく
決して怒らず
いつも静かに笑っている
一日に玄米四合と
味噌と少しの野菜を食べ
あらゆることを
自分を勘定に入れずに
よく見聞きし分かり
そして忘れず
野原の松の林の陰の
小さな萱ぶきの小屋にいて
東に病気の子供あれば
行って看病してやり
西に疲れた母あれば
行ってその稲の束を負い
南に死にそうな人あれば
行ってこわがらなくてもいいといい
北に喧嘩や訴訟があれば
行ってつまらないからやめろといい
日照りの時は涙を流し
寒さの夏はおろおろ歩き
みんなにでくのぼーと呼ばれ
褒められもせず
苦にもされず
そういうものに
わたしはなりたい
http://keitan0202.exblog.jp/19556340/
出来る出来ないとは関係ないと思います。