地下鉄サリン事件から１７年

 書くのも不愉快になってくるが、あの地下鉄サリン事件が起きてから今日でちょうど１７年になる。
 私の小学校・中学校時代の同窓生であるＴ・Ｋ君はその日、地下鉄日比谷線に乗っていてサリンの被害に遭い、１２日後の４月１日に他界した。享年５３歳。
 私はまさかＴ君がサリンの犠牲になったとは知らなかったので、彼が他界したことを後で聞いた時はびっくりした。
 小中学校時代のクラスメートが連絡を取り合い、旧浦和市（現さいたま市）の斎場でＴ君の葬儀が営まれた時は大勢の同窓生が参列した。
 それが機縁となり、久しぶりに同窓会を開いてＴ君を偲ぼうということになった。私はＴ君とは同じクラスだったこともあり、小学生の頃よく彼の自宅に遊びに行ったことがある。
 ひょうきんで明るい子だった。お母さんがとても優しい方だったので、われわれ腕白坊主どもは何の気兼ねもなく遊びに行ったのである。中学生になってからＴ君とはクラスも違ったのであまり付き合いはなかったが、今でも彼の人となりや風貌はよく覚えている。
 Ｔ君の痛ましい犠牲があったから１７年前に同窓会が開かれた。それは一つの催しでしかなかったが、３月２０日が来るとどうしても彼を思い出す。
 そして、あの事件で犠牲になった大勢の方々のことを思い出すと、腹の底から怒りと悲しみが込み上げてくる。
 二度と絶対にあのような事件が起きてはならない。オウム真理教の犯罪者たち・・・麻原彰晃を始め死刑囚たちは本当に悔い改めているのか。
 実に嘆かわしい事件であった。Ｔ君のご冥福を祈る。（２０１２年３月２０日）