<以下の記事を一部修正して復刻します。>
日本の少子化は避けられないし、人口は少しずつ減っていく。ちょっとやそっとの少子化対策をとっても、それで人口が増えるわけではない。本気で少子化に歯止めをかけたいのなら、国家予算の半分ぐらいを出産、育児対策などに使わなければならないが、そんなことをする政治家はいないだろう。
前にも言ったが、文明が発達し社会が高度化すれば、子育てにはどうしても金がかかる。一人の子供にパソコン、テレビ、スマホや携帯電話、ゲーム機などを買ってやれば物凄く金がかかる。その上、学習塾や習い事など教育費に金がかかるので子育ては大変だ。昔はそんなものはなかったから、貧乏人の子沢山ではないが、一家に子供が8人や10人いても不思議ではなかった。ところが今や、一般のサラリーマン家庭では、子供を1人~2人育てるのがやっとという状況である。
そんなことは常識で、簡単に少子化に歯止めをかけることはできない。人口減少は避けられないのである。そこで問題になってきたのが、このまま人口が減っていってもいいのか、あるいは何らかの対策をとって人口減を食い止めようかということだ。日本の総人口は今の半分、約6000万人ぐらいでも良いと言う人もいるが、いや、それでは困る、経済規模が縮小するだけだと反論する人も多いだろう。
人口減少の是非をここで論じるつもりはないが、経済だけでなく色々な問題が生じてくるのは避けられない。要は「人手不足」だけでなく、地方都市の衰退の問題、農業や漁業など1次産業の存続の問題などが出てくるのだ。
こうなると単純な発想だが、外国人労働者、いわゆる移民(在留外国人)受け入れの問題が派生してくる。日本は島国だし、もともと閉鎖的だから移民は少ない。現在(2020年)、289万人ぐらいだが(以下の表を参考 →http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/1180.html)、欧米諸国などに比べると受け入れ程度は非常に少ないようだ。それで良いなら問題はないが、日本の人口減少や国際化(グローバル化)の問題、人種的平等などの新たな課題が発生してきたのだ。
移民の是非はともかく、政府は年間20万人の移民受け入れを検討しているという。また、50年間に1000万人の移民増を推進しようという話もあり、いやでも移民問題を考えざるを得なくなった。
移民については賛否両論がある。どちらかと言うと反対論の方が多いと思うが、21世紀の国際化の時代に、移民問題を真っ正面から真剣に考える時が来たのではないか。移民が増えれば犯罪が増え、治安、風紀、秩序が乱れるなどの反対意見が根強い。しかし、今や国際化の時代に“鎖国政策”をとるわけにはいかないだろう。
少子化や人手・労働力不足にともなって、移民受け入れ問題が大きくクローズアップされてきたと言えよう。